エクスペクトパトローナム

やみ鍋企画のクイズで使ったハリーポッターの呪文である。
映画は子どもに付き合って観たものの、原作を読んでみよう、なんて思いもしなかった。
息子は、まだ元気だったおじいちゃんにおねだりして、毎回プレゼントしてもらっていた。
舅が病に倒れ、病院からも予約を入れてくれていた第５巻は、息子の手に渡ることなくデパートで棚に置かれたままになってしまった。
病床で、することもなく薬の副作用や薬では抑えられない症状の悪化で苦しむだけの日々を過ごしていた舅が、息子の読み終えたハリーポッターを読んでみるわ、と力なく笑っていた日はもう遠くなった。
そんな思い出を紐解きながら、私も今更ながらのハリーポッターを読み始めた。
ネッ友さんのところで、読み出したら止まらなくなった、というのを読んで猛烈に読みたくなってしまったのである。
本好きなネッ友さんの感想通り、これが面白いのなんのって。
元々、魔法や謎、秘密、といったミステリアスな言葉に惹かれてやまない私なので、どうして今まで読まなかったのだろう、と悔やむこと、悔やむこと。
子どもの本という思いこみだけで避けていたのかも知れない。
登場人物のカタカナ名のややこしさをのぞけば、本当に楽しく、深い内容である。

エクスペクトパトローナム、マハリクマハリタ、テクマクマヤコン、エコエコアザラク・・などなど、呪文を唱えて魔法がかけられるのなら、数学や理科に苦しむ私似の息子にこの春までの間だけ理系に強い頭になる魔法をかけてやりたいな。