老猿のオットット人生

石橋を叩いて渡れずオットットと転んで渡って七転び八起きならぬ七転八倒の人生

床に血をペッ!

2015年10月22日 03時27分28秒 | Weblog
闘道の組手は防具なしの直接打撃制だから  たしかに怪我は多いいよね
ハイキックを顔面に叩きこまれ  鼻の骨が折れるとかいろいろある
だからといって誰も同情しない  顔面にハイキックを食らう方が悪いという考え方だから

ハイキックは  蹴り足が相手の顔面に届くまでには長い運動距離がある
ということは蹴りによる攻撃が顔面に届くまでには  時間がかかるわけだ
反面防御する側は顔面に近い位置に手がある  顔そのもので避けることもできる
それでハイキックを避けられないというのは  理由にならないでしょ的な考え方

ある時弟子の一人が  知り合いだという東洋大学空手部の学生一人を連れてきた
弟子が闘道をやっていると話したら  興味を示して一度闘ってみたいとのことらしかった
どんな空手やってるの?  参考の為に聞いたら糸東流とか聞いた記憶がある
闘道は直接打撃制で  蹴りもパンチも当てていくし関節技もあるけどいいの?
本当は寝技もあるけど  ここは床だから寝技はなしだけどと言ったらOKの返事

組手は俺さんが相手をした  相手は空手では一般的な前屈立ち諸手の構え
小刻みに両足を前後にステップさせ  俺さんの隙を見て飛び込もうとの作戦
ところが俺さんの“押さえ前蹴り”の牽制が利いているので  どうしても飛び込めない
イライラしてくるのが  手に取るように分かったけどこれはいつものパターン

弟子が連れてきた相手だけど  詳しく話しを聞いていないのでどんな人間関係か分からない
なんせ当日いきなり連れて来て  いきなり闘う場面になったからね
いろいろ探りながらの組手だったけど  組手の最中に一応親切に注意してあげた
「そんな立ち方や構え方動き方では隙だらけで顔面にハイキックいれられるよ」と

親切に注意してあげたけど  黒帯締めてたから習性が身についてて急には変えられない
俺さん“押さえ前蹴り”のフェイントで相手の動きを止めた瞬間  大きく一歩踏み込み
狙いすました打ち回しハイキックをガツンと相手の顔面に極めた  手で口を押さえ目には炎

寸止めの感覚で怒りがこみ上げたんだろうけど  事前に注意してあったからね直接打撃制
相手は口から手を話した瞬間  口中に溜まった血を床にペッ!
途端に俺さん怒り狂った  拭け! そして今すぐ帰れ! 礼儀をわきまえないヤツに用はナイ!    

けんけん蹴り

2015年10月15日 14時52分26秒 | Weblog
片足上げてぴょんぴょん跳ねるのがけんけんだって云うのは  特に説明の必要ないと思う
闘道ではこのけんけんを練習に取り入れていた  といってもやり方は少し違う
けんけんで組手をやっていた  但し蹴りだけの組手ね

闘道は小中学校の体育館を借りて教室を開いていることがほとんどだったけど
体育館にはだいたいバスケットのラインが引いてある
円形のラインの部分を土俵に見立ててやるんだけど  相撲の要素も取り入れてた
例えば土俵の外に出ると負け  あと上げてる足を下に降ろしたら負けとか

蹴りの上手な人は有利だけど  絶対に有利というわけではない
蹴りは下手でもすばしっこい人とかは  土俵際で身をかわし相手を自滅させるとか
なんといってもこの練習のメリットは  上げたままの足で蹴るから蹴りの威力が小さい
だから力一杯蹴っても怪我をしないとか  ゲーム的で楽しく練習できるとか

ちょっと考えれば分かることだけど  知らず知らずのうちに軸足が鍛えられる
けんけん蹴りの練習は俺さん考えたけど  予想しなかったメリットもあった
後輩だとか普通の組手に自信の無い者が勝つ場面を見かけ  彼等の自信に繋がったこと

俺さんこのブログで他流試合で百戦以上闘い  すべて勝ったと書いている
コイツ何言ってんだ  と思う人は当然いるだろう  自由に思ってもらってかまわない
だけど知ってほしい  闘いに勝つために様々なアイデアを駆使して練習したことを

武道だからといって在り来りの稽古してたんじゃ  そこで使われる筋肉なんて限られている
だから俺さん  普段使われない筋肉の掘り起こしを考えた
その結果いろいろなトレーニング法が生まれた  すべてはその結果が生み出した勝利
科学に無知なのに  無意識に科学的なトレーニングをやっていたのではと思う昨今

工夫したトレーニング  他の格闘技に対する徹底的な研究  闘う人間の心理等々
空手に対する疑問から始まった闘道は  いつの間にか俺さんと共に成長していた
闘道に老化は無いけど  俺さんの老化は考えていなかったのがちょっとミスだった
80歳まで普通に組手できる  密かにそう思っていたのに  セメント粉塵に負けるとは・・・
肺は負けてじん肺でも  人間相手にはまだまだ・・と思うしつこい自分を今は笑っている  

闘女

2015年10月15日 09時34分10秒 | Weblog
山女とか歴女とか鉄女とかいろいろ聞くけど  女性の社会進出は好ましいことだ
いつだったか新聞で  東大出て里山に興味を持ち定住して山仕事に専念する女性の記事を見たり
女性が活躍する場面が  どんどん広がっているようで喜ばしい現象だと思っている

昨日だったかな  何気なくテレビ見てたら女性の格闘技界進出も盛んだとか
闘道は顔面パンチありだから  女性の顔面にも容赦なくパンチ浴びせる
顔面にパンチをモロ入れられ  うっすらと涙浮かべる顔を見ながら同情はしなかった
万一事件に巻き込まれたら  涙を滲ませる前に命を落とすことになるから

女性は一般的に教えにくい  どこかに女臭をぷんぷんさせているから
体の臭いということではない  私は女だからという甘えの臭いね  俺さん大嫌い
だから女だとか可愛いだとかを全開させてると  武道はそんなに甘くないとばかりに
ついつい厳しく対応してしまう  それで数回練習に参加した程度でハイサヨウナラとなる

さすがに45年間も教えてきたら  女性の弟子もたくさんいたけど記憶に残るのは二人
江戸川闘道教室に一人  葛飾闘道教室に一人  二人に接点はなかったけど
俺さんたまに二人に聞いてた  闘道の組手は直接打撃だからかなり痛いはずだけど
何が面白くて練習に通うのかと  明確な答えは聞けなかったけど俺さんかってに脳内変換した
前世は男だったのかも  もしかしたらサムライとして生きていたのかもとかね

闘道は毎回組手をやる  全参加者を相手に殴る蹴るで容赦ないから体が頑健でなければ
男性だってなかなか続かないのに  女性が長年にわたって続けるのは至難の技
にも関わらず続けるんだから  ついつい何が面白いの?と聞いてしまう
男とか女とかを超えて  体内に流れる血が激しさとか厳しさを求めているのだろうが

池波正太郎の剣客商売で女剣士について読んだ事あるけど  心持ちは同じかなと思ったり
だから俺さん密かにこの二人を「闘女」と呼んでいる  もちろん本人達は知らない
もしこの拙い文を読む機会があって  上に書いたことを俺さんに云われた記憶があるなら
それは間違いなく貴女  俺さんに叩きつけられて目に汗をかいた記憶があるなら間違いなく貴女
二人共結婚しているけど  組手の恐怖を克服したことを忘れずに誇りを持って生きてほしい




奇跡のレッスン

2015年10月12日 17時04分27秒 | Weblog
昨日何気なくテレビのリモコンあっちゃこっちゃいじっていた  見たい番組がなかったので
俺さんドラマとかお笑い  あるいは食べ物番組って苦手なんだよね
もっぱらドキュメンタリーとか自然もの  紀行ものとか「世界の車窓から」なんて

NHK第1で「奇跡のレッスン」というのをやっていた  途中から見たんだけど
スペインからやってきた最強のテニスコーチが  日本の子供達に一週間指導するという内容
奇跡のレッスンというタイトルに先ず惹かれた  どんな指導法なのかと

俺さん格闘の技術については自信持ってるけど  その指導法については素人
素人なりに45年やってきたわけだけど  指導についてはまったく手探りでやっていた
テニスと武道という違いはあるけど  指導方には共通する部分があるんじゃないかと
さすがスペインテニス協会で指導の責任者やってるだけあって  その指導法には納得
と同時に俺さんが手探りで確立してきた指導法と酷似している  まちがってなかった
そんな中の一つに「寝技」があった  分かりやすく云うと寝技の100人組手
もっと分かりやすく云えば相撲のぶつかり稽古

俺さん合図する役だけど  絶妙なタイミングで合図するわけよ
鬼になった者は大変だよね  次々新手が来るし有利な態勢が一瞬で不利になる
ということは弱い者でも  強い者を押さえるチャンスがどんどん生まれる
寝技の時間は人によってまちまち  数秒の者もいれば数十秒の者も
ここでは鬼と書いたけど  実際には「犠牲者」と呼んでいた
なぜかみんな犠牲者になりたがって大騒ぎするのが面白かった

その他にも工夫したな  楽しみながら強い弟子を育てる為には何をすれば良いかって
楽しみの陰には闘いの技術を向上させる狙いを  必ず仕込んだ
そのせいかな  闘道を学ぶ少年部や一般部が短期間でどんどん強くなったのは
俺さんも知らずしらずの間に  奇跡のレッスンやってたらしい  
子供達がスベイン語を覚え  コーチに挨拶していた「アスタマニャーナ」
スペインから来た要人の警護した時  俺さんもこの言葉を使っていたことをフト思い出した
それでは拙い文にお目を通して下さった諸兄諸姉  アスタマニャーナ
  


堕ちた偶像

2015年10月10日 09時08分21秒 | Weblog
偶像じゃないけど生身の人間の話しね  それも少年のしかも天才と言われた子の・・・・・

幼稚園の年長さんで入会してきた男の子がいた  小さな体の目のクリッとした無口な男の子
体力負けして初めは目だたなかったけど  小学三年くらいから大人ばりの組手で目を引くように
そのうち誰言うとも無く天才だと評判になった  強すぎたからなんだけど
俺さんも期待した  中学生や高校生になったら想像できないくらい強くなるだろうと  

ところろが彼は  部活で忙しくなることを理由に中学入学前に退会していった  
それから一年が経過して天才少年を忘れかけた頃  一人の中学一年生が入会して来た  
義弟の知り合いのまた知り合いみたいな伝手で  闘道を学んで三ヶ月ほどたった頃  
二年生の空手をやっている先輩が闘道に来たいと言ってると言ってきた
話しを聞いた印象では  闘道をやっているツッパリ気味の後輩を〆てやろうとの魂胆らしい

やってきた先輩とやらを見て  俺さんビックリしたあの天才少年だったからだ
聞けば闘道を止めた直後  空手にドップリ嵌って空手を学んでいたとのことだった
二人が望むことだから  危なかったらすぐ止めるつもりで組手をやらせた
天才のイメージが残ってるから  闘道経験三ヶ月の後輩は一方的にやられるかもと思った

蓋を開けてみたら  一方的にやられたのは先輩の方で  危険なので俺さん慌てて止めた
たった一年空手を学んだだけで  天才が鈍才になってしまった  鋳型にハメられた結果だ
落ちた偶像ですねェ~  空手は闘道に勝てないと教えられてきたけど目の前で立証されるとは
そう呟いた一般部の黒帯は  天才少年の過去を知るだけに呆れていた

かつて苦杯を飲まされた一般部と  参考のためにと軽く組手をやらせてみた
空手の形でもやっているような立ち方や構え方に  一般部は愕然
闘道をやっていた時の実力を知るだけに  空手に転向した彼の凋落が信じられない風情

想像だけど闘道の黒帯といっても世間は評価しない  空手の黒帯といえば世間の評価をもらえる
そんな気持ちから天才少年は空手に転向したんじゃないかな  その結果は見てのとうり
ただの空手経験者ではなく  闘道から転向した者がどのように変るか経験できただけでも
今日の収獲は大と俺さん締めて練習終えた  君の参加に感謝する  有り難う堕ちた偶像君!