老猿のオットット人生

石橋を叩いて渡れずオットットと転んで渡って七転び八起きならぬ七転八倒の人生

化学と科学

2015年10月30日 06時42分59秒 | Weblog
科学と打つつもりでキーボード入力したら  化学と変換されたので思い出したことがある
どこやらの空手道場の看板に  化学的な指導を行っているという宣伝文句があった
その空手道場はキックボクシングにも進出していて  俺さんテレビで観たことがある

空手が化学的な変化を起こす?  その結果キックボクシングになるのかな‥と考えたり
化学と科学の誤りであることは察しがつくが  俺さん僅かばかり因縁を感じた
他流試合を行ったキックボクサーが  この道場の門下生を名乗って黒帯を自称していたから

広いようで狭いのが世間  たまたま通りかかって看板を目にするとは・・・
キックの試合でテレビに出たと  はしゃいでイキがっていたあの若者
俺さんを牽制するつもりか  テレビで放映された云々の能書きを垂れていた

テレビ放映がそんなに自慢なのかね?  1970年初頭に俺さんもテレビ出演したけど  
ビデオの無い時代だったから  弟子の一人がテレビ画面をカメラで撮影してくれた
写真は今でも残ってる  一部は引っ越しなとの際に紛失したけど

俺さんテレビで放映されたという若者を相手に  得意のローキックを一発お見舞い
驚いたことに  若者は俺さんのローキック一発でヘナヘナヘナ~~~
コリャ駄目だ!  すぐに相手を変え今度はM初段が若者と対戦することに
M初段には  そこにローキックを一発お見舞いしたからと指さして伝えた

俺さんもう一人を追い回していたが  M初段が闘っている気配がまったく無いのに気づいた
振り返ると  隅で若者が蹲りM初段は所在なさ気に突っ立っている
「どうした?」と聞いたら  「泣いちゃいました!」とM初段苦笑

どうやら痛みは涙に化学変化するものらしい  それとも科学変化かな?
それにしても他流試合に来て泣くとは  それもキックボクサーがローキックで・・・
泣くなら他流試合に来なきゃいいのに  わざわざ恥を晒しに

俺さん要人警護の任務でいなかったとき  我が物顔で勝手な振る舞いをしていた二人
そんな事情があった特別な他流試合  二人は足を引きずって夜の闇にスゴスゴ消えたけど
俺さんいない時悔しい思いをしていた弟子達  溜飲を下げた彼等の笑顔が思い出される




  


ミット“打たせない”打ち

2015年10月28日 09時20分52秒 | Weblog
ボクシングのトレーニングなんかで  パンチングミットつかった練習見かけるよね
もちろん闘道でもそういった練習は  普通にやっている  やり方を工夫して
時にはちょっと変わった練習をやったりする  それがミット打たせない打ち

言葉どうり  ミットを打たせない練習‥っていうか打たせたら負け
打つ方はワンパンチ  これは呼吸を読む練習になるのかな
俺さんこの練習は  眠っている能力を目覚めさせる  野回帰の一歩かと

狩るか狩られるか  一瞬で生死が別れるのが野生の掟
ならばその一瞬を形にしよう  という発想で生まれたのがこの練習
だからと言って  難しいもんじゃない  やり方は簡単だから

狩るのはパンチ  狩られるのはミットで見た目はただのゲーム
パンチの一撃を  ミットはかわすだけのシンプルな練習
どちらかと云えば  ミットを顔に見立てた
ボクシングなら  ウイービングやスリッピングといったところかな

ところがこの練習を続けると  シンプルだけど複雑
いいね  この言い回し  チョツト哲学っぽい
俺さんある空手家の本読んだ時  弁証法がどったらって全然分からなかった
この空手と対戦すべくある大学にの乗り込んだけど
弁証法モドキの弁舌で対戦を拒否され  逃げられたことがあった

弁証法って  逃げ口上の技術かと思ったよ
どこやらにある  哲学の小径なんて一度も歩いたことなかったから
というか  口で言うより手の方が早いバカだったから

俺さん時には闘道の幹部連中と  10㎝くらいの距離で時々練習してた
打つよりパンチを避ける方が難しいから  俺さんミットを構える時が多かったけど
集中力が半端じゃないから  神経は異常なくらい研ぎ澄まされた
知らず知らずのうちに  野生の本能は芽生えたかも

そのせいと云ってはなんだけど  他流試合でパンチに対する恐怖心は皆無
よく言われる「一撃必殺」って  どこの世界の話?と思ってる
他人に厳しく己に甘い俺さんのことだから  話し半分に聞いといて




    

マット相撲

2015年10月26日 19時54分28秒 | Weblog
正式に名前のついていない練習だから  ここで俺さん勝手に名付けた
学校の体育館にある長いマット  あれを丸めて帯で結び
体育館に引かれたラインの真ん中に立てたら  準備完了

やり方は至って簡単  マットを挟んで二人が交互にローキックをやるだけ
「止め!」という合図まで  蹴り合いを延々と続ける
そんな練習のどこが面白いの  と思うかも知れないがこれが以外と盛り上がる

互いに蹴り合うことによって  意地と意地がぶつかり合う形になるんだろうね
丸めたマットは重いし  床との摩擦もあるから一度のローキックで動くのは数センチ
相手より強く蹴って押し返さないと  マットはドンドン自分の方に食い込んでくるから必死で蹴る

知らず知らずのうちに  強烈な蹴りをマスターするという寸法
口でああだこうだ言うより  自発的にやるよう仕向けた練習の方が伸びるような気がする
蹴って動いたマットの位置が目で計れるから  それ以上に蹴り返す

そうやって練習しているうちに  やられたらやり返すということを自然にまなんで行く
格闘技で大切なのは  やられたらやり返すという気持ち
右の頬を打たれたら左の頬を差し出せ・・・なんて宗教的な感覚は武道では意味をなさない
もっともこの言葉にはもっと深い意味が隠されているらしいが

目には目を歯には歯をという言葉あるし  流行った言葉には倍返しもある
俺さんのモットーも倍返し  良いことも悪いことも倍返し
もっぱら組手は倍返し  他流試合は相手の態度が悪ければ三倍返し
おかげで相手を殺しそこなったことも何度か  最悪の事態を想像して今になってゾッ!


ワンステップ・押さえ前蹴り

2015年10月26日 06時14分09秒 | Weblog
闘道には  ワンステップ・押さえ前蹴りという練習方法がある
前足は上げたまま  けんけんの要領で一歩踏み込み蹴る練習なのだが
ワンステップなどと洒落た名称  弟子のある女子高生が付けてくれた

実はこの練習方法  俺さん考案したんだけど名称が付いていなかった
この練習をやる時は  俺さんちょっとやってみせて「コレやろう」といった感じだった
それでみんなには通じたんだけど  適当な名称が俺さんには思いつかなかった

俺さん雑だから  練習方法や新しい技は次々作りだすけど名称を考えるヒマがない
といったわけで  名なしの権兵衛的な技はまだいくつかある
ひどい場合は  ○○のABCDとつけたりする  例えば内刀足のABCD

話しをワンステップ・押さえ前蹴りに戻そう
ある時練習中に  名称が無いと不便だからみんなで考えてくれやと言ってみた
女子高生がすかさず  一歩移動して押さえ前蹴りをやるんだから「ワンステップ・押さえ前蹴り」
彼女の提案に  「さすが女子高生アッタマ良い」と俺さん即決  爾来数十年使用している

この練習の狙いは  少しでも抑え前蹴りに威力を付けるということ
正確に一歩踏み込まなくても  トンと僅かに踏み込むだけで抑え前蹴りの威力は倍増する
号令に合わせて前後左右に移動しながら蹴るのだが  狙いは二つある

出足を付けることによって蹴りの威力を倍増させることと  軸足の強化
飛び蹴りを除いて  どんな蹴りでも蹴る時は片足で立つことになる
片足であっても  両足で立っているのと同等の力があれば強く蹴ることができる
と俺さん安易に考えた  考えたら即実行  優柔不断な俺さんだけど練習だけは別

強くなるためには  悪魔にでも心を売り渡しかねない人間の俺さん
と言いつつ  俺さん悪魔の存在は信じてない  悪人が存在してるのは知ってるけど
ブログを読んで  久しぶりにみんなで「けんけん蹴り」をやりましたと師範が云っていた

八潮教室の少年部が大騒ぎで練習する姿を想像し  ブログの狙いがまんまと当たった
話しを聞いた俺さん内心ニヤニヤ  楽しみながらの練習はポパイにとってのほうれん草
子供達よポパイに育ってくれ  但し大人になってもパイプは禁止な  闘道は禁煙厳守だから  

バックブリッジ

2015年10月22日 22時12分02秒 | Weblog
昔のことだけど  伊豆七島神津島にプレハブの合宿所を建てたことがあった
夏場だけ  弟子達と合宿したり俺さん資格持ってたからほねつぎの真似事したり
その時の合宿に参加した高校生の一人が  俺さんには忘れられない

名前も顔も忘れてしまってるけど  その高校生のやったことだけは鮮明に覚えている
高校生は「自分体柔らかいです」といいながら  きれいなバックブリッジを見せてくれた
スゴイ柔軟性だねェ~と驚いていると  もっと驚くことを高校生に言われた

バックブリッジした腹の上に  体重70㎏の俺さんに乗れという
無理ダッペと俺さん云うと  普段やったことないけど多分大丈夫と受け合ってくれた
俺さん恐ごわバックブリッジをやっている高校生の腹にまたがる

またもや注文が来た  腹に乗ったらドスンドスンと揺すれと難しいことを言ってくれた
注文どうりドスンドスンと上下にやってみたが  高校生は潰れなかった
次は跳ね飛ばしますと言われ  俺さんハァ~と息吐いて呆れた

高校生はハッと気合を入れて起き上がり  その瞬間俺さん跳ね飛ばされていた
組手はそこそこ強かったが  その強さが高校生の身体能力の高さから来ていることは分かった
身体能力の高さに驚き呆れた経験は  この高校生が二人目

最初の経験は  ヨーロッパ空手選手権で二位になったというドイツ人青年との組手
芸人として来日し極真空手の本部道場に入門してきたんだけど  組手で睨み合った瞬間  
スッと体を沈めたと思ったら前足の足首を掴まれ  持ち上げられていた  
倒されはしなかっけど  カッとなったので接近戦で投げ飛ばし  首を踏みつけた

なぜか後ろに視線を感じて振り返ったら  いつの間に来たのか大山館長が渋い顔して見ていた
その時思ったね俺さん  ヨーロッパ空手選手権なんて俺さんなんとも思わないけど
構えている前足をいきなり持ち上げたのは  人間技じゃないわと 
ドイツ人青年が一人目で  バックブリッジで跳ね飛ばしてくれた高校生が二人目

極真空手を学んだ俺さんの最大の収獲は  ドイツ人青年と闘った経験だけで他にはない
俺さんのたかが知れた経験だけど  世の中には人智を超えた人間が少なからずいることを知った
だから俺さんの闘いのバイブルに想定外と云う言葉は無い  たとえ人智を越えようとも想定の範囲