昼下がりのコーヒーブレイク
2019年５月号 小金井弘之
この記事は「明治維新の罪①」から続きます。
嘘を見破り未来を予測4
坂本龍馬や吉田松陰は熱烈なファンも多くいて、前月の記事にショックを受けた方もいるかと思います。また山口県の方も複雑な心境になったかも知れません。しかし世の中は嘘で溢れています。是非これを機に、ご自分で真実を探求していただきたいと思います。
・薩長史観（薩長＝薩摩藩と長州藩）
幕府は外国に対して無力・無策のまま開国したために討幕の運動がおこった。
・真相
幕府は、薩摩や長州に比べてはるかに開明的で開国による近代化を進めていた。
・薩長史観
「禁門の変」で長州と薩摩は戦ったが、いずれも尊皇のためであった。
・真相
「禁門の変」は、長州が天皇に刃(やいば)を向けたもので、尊皇主義を踏みにじる許されない行為である。「薩長史観の正体」武田鏡村（東洋経済新報社より）
また同書には
・薩長史観
「池田屋事件」は会津による長州潰しで、それを実行した新撰組は、凶暴な殺戮集団である。
・真相
長州は池田屋で、京都を火の海にして、御所を襲い孝明天皇を拉致する暴挙を計画した。
とあります。
映画やドラマの影響で新選組と言えば、いきなり抜刀し尊攘派の志士を斬る。そんなイメージが作られていますが、これは大きな間違いです。「幕府のために我が藩がある」が信条の新選組は京都守護職の会津藩指揮下の正規の治安組織であり、犯罪の抑止とテロリストの逮捕がその仕事で、今の皇宮警察に当たるものでした。
菊池昭氏の「新撰組の真実」（PHPエディターズグループ）によりますと、
「幕末動乱期、京都に誕生した新選組。「誠」の志を抱き、薩長を主とする討幕運動で崩れ行く幕府を、最後まで身を挺して闘い抜いた幕末の最強集団である」「長州系の討幕派は少なからずいたが、彼らは目的のためには手段を択ばない過激派である。彼らの計画を阻止するため新撰組は本格的な調査を開始し、６月５日の池田屋事件に遭遇することとなる」
長州が禁門の変（蛤御紋の変）や京都御所に発砲したことから朝敵であったと判るように、今も長州出身の安倍首相は、天皇陛下に背を向ける朝敵なのです。
異常な長州出身総理の数
前号と重複しますが、長州出身の総理大臣の異常な数について、より具体的に見てみます。
薩長藩が明治維新で天下を取ったのですから、明治初期の政治家や官僚は当然薩長出身者で占められていました。
中でも長州の人間が多かったのです。総理大臣に至っては特に長州出身の割合が異常です。総理大臣は明治維新以来安倍首相まで８人です。
政治家や官僚は二世が多く、職を継承する確率は高くなります。しかしこれ自体が不公平。
明治維新から151年経った今までに総理大臣は62人出ていますがそのうち長州出身が８人で、12.9％を占めます。
62人を47都道府県で割ると1.48％が平均です。これだけでもおかしな数字ですが、更に山口県の人口136万人を日本の人口1億2680万人で割ると1.06％でしかありません。
単純に計算すると62人の1.06％は0.71人で一人も出ていなくても不思議ではありません。山口県に在住していたということではないにしても、山口県人の票を獲得して国会議員になって、総理大臣になった人がこんなにいるのです。
勿論、山口県に罪はありませんが、連綿と何かの意思が動いているように私には観えます。
靖国神社参拝
靖国神社には幕末から明治維新にかけて功績のあった志士やその後の戦争での戦死者を祀っていますが、Ａ級戦犯が祀られていることで、総理大臣が靖国神社を参拝するか否かでこれまで参拝に対して否定的意見が多々ありました。しかし次のような見方は殆ど示されていません。
靖国神社には「官軍」の戦死者は祀られていますが、北日本の所謂「賊(ぞく)軍」は排除され今日まで祭られていません。薩長は戊辰(ぼしん)戦争、西南戦争でも新政府軍側の死者を祀(まつ)り、旧幕府側の死者は祀りませんでした。
旧幕府側を祀らなかったのは当たり前と言えば当たり前です。靖国神社に薩長の敵を祀る訳がありません。西郷隆盛も最後は賊軍になってしまったので祀られていません。
昭和天皇は、A級戦犯として処刑された東条英機らが靖国神社に合祀されたことを遺憾に感じられて参拝を取りやめられましたが、薩長史観の信奉者の政治家たちは天皇の意向を無視して、相変わらず参拝を続けています。
しかし私の推測として明治維新のとき、尊皇といいながら孝明天皇の意向を無視して武力討幕に走った薩長に偏り、本当の官軍だった旧幕府側を汚す意思を昭和天皇は靖国神社に観て、それを嫌ったこともあるのだと思います。
明治新政府（長州）は、かつて天皇の御所に大砲をぶっ放す程に蔑(ないがし)ろにした天皇を利用して絶対化し、国民に天皇は「神聖にして侵すべからざるもの」として忠誠を誓わせ、自分たちの犯罪から目をそらさせ続け、大正・昭和と幾多の戦争を起こして来たのです。
そして太平洋戦争まで、国民皆兵による軍国主義の拡張を正当化したのです。
明治維新の意図
いくつかの書籍で明治維新を調べてみても、明治維新が間違いだったとする書籍にも、明治維新の真の意図について述べているものはほとんどありません。
ここからは本誌２月号の視点に戻ります。
潜在的に明治維新は「何かおかしい」と思っていても、深くは探求しないという人は多いと思います。私自身も10年以上前から「何かおかしい」と思っていましたが、そういう資料がまだ世に少ない時だったのであやふやなままでした。
一番おかしいと思ったのはお金、資金です。坂本龍馬などは日本国中をおりょうを伴って旅して、密談していましたが、若い下級武士という身分でどうしてそれが出来たのか？ という疑問が解けたのは、トーマス・グラバーが維新に関わった若者を支援し、彼はロスチャイルド家に属していたと判ってからです。それでいろいろと調べて確信したのです。
但し今、官軍によって作られた明治維新の嘘を疑い明治維新の真実を書いて上梓している人たちも、それはロスチャイルド家が地球の中心である日本を骨抜きにしようという意図があることは見抜いていません。いや、ロスチャイルド自身も見えない魔の存在に魂を乗っ取られた意思で動いていたのではないでしょうか。見えない意思の支援なくして、人の欲だけで世界を牛耳り今の地位を築くことはできないでしょう（もっともロスチャイルドもロックフェラーも今は昔の力はない）。グラバーは坂本龍馬など、若い下級武士を自在に操っていたようです。
ロスチャイルド家のマセソン商会の社員だったグラバーは、グラバー照会を立ち上げます。初めは生糸や茶などを扱っていましたが、幕末の混乱期には武器や弾薬を売り始めます。
禁門の変で薩摩と会津に叩きのめされた長州は薩摩と対峙していました。終始朝廷に反旗を翻していた長州はグラバーから武器を買うことを禁じられていました。そのとき坂本龍馬は薩摩が仕入れた武器を薩摩名義で長州に流すことを思いつき、両者の和解に成功しました。これはグラバーの指示ではないでしょうか。勿論、歴史の教科書や一般的な明治維新を信仰する書物には、龍馬とグラバーとの関係はほとんど書かれていません。ましてロスチャイルド家のこととなると皆無です。しかしここが分からないと明治維新の意図は全く観えないのです。
明治維新の意図とはグラバーの意図であり、クラバーの意図とはロスチャイルド家の意図なのです。ロスチャイルド家の意図とは日本を手玉に取る状況に追い込むことです。
長州ファイブ
坂本龍馬が薩長を和解させる以前から、敵対していたとされる薩摩藩の五代友厚や長州藩士の伊藤博文など、両者ともに交流のあったグラバーは、彼らにイギリス留学を斡旋し、当地で交流させます。用意周到なのです。薩長の和解工作は龍馬以前に海外でもロスチャイルド家の意思によって進んでいたのです。
このようにグラバーの手引きでイギリスに密航し留学した若者が他にもいます。長州藩の５人の若者たちです。井上馨、遠藤謹助、山尾庸三、伊藤博文、野村弥吉（井上勝）の５人です。彼らは「長州ファイブ」または「マセソンボーイズ」と呼ばれていました。
彼らに掛かった留学の資金は膨大で、今の価値で10億円とも推測されています。それを負担したのはグラバーが所属するロスチャイルド家傘下のマセソン商会の社長、ヒュー・マセソンでした。
そして更に、ヒュー・マセソンの上司は世界の金融王ネイサン・ロスチャイルドの息子、ライオネル・ロスチャイルドでした。
このようにロスチャイルド家から至れり尽くせりの支援を受けた５人の若者たちは日本に帰り、ロスチャイルド家に恩返しすべく、明治維新を成し遂げ、その見返りとも受け取れるように、明治新政府で長州は日本の最高指導者軍団となっていったのです。
明治以降の日本は、ロスチャイルド家とその子飼であった薩長の下級武士によってクーデターとして作られていたわけです。それが今まで連綿と続いているのです。
そして今、この流れを止めなければなりません。
ロスチャイルド家の二股
前号でペテン師と書いた坂本龍馬にしても、戊辰戦争を経て西南戦争に敗れ自決した西郷隆盛にしても、最後は真実に気づいて暗殺されたり、新幕府と戦い、敗れ自決したりという推測も成り立つのは、せめてもの救いかも知れません。
幕末から明治維新にかけて、ロスチャイルド家は用意周到でした。戊辰戦争ではロスチャイルド家は幕府と薩長を戦わせましたが、どちらが勝っても良いように手を打ちました。
英国のロスチャイルド家とフランスのロスチャイルド家はそれぞれ二手に分かれ、イギリスは薩長の討幕派を支援し、フランスは江戸幕府を支援し資金と武器を与えました。その後、両者を戦わせて、どちらが勝っても支配権と利益を手に入れられるという訳です。
ロスチャイルドに国境はないのです。近年叫ばれてきたグローバル化もロスチャイルド家の企みです。
共産（公平）の心無くして共産主義は機能しないように、グローバル（自他一体）の心無くしてグローバル化は成就しないのです。
大切なのは法律のような外的秩序ではないのです。自分と他人を別けない心なのです。
偽りの錦の御旗
一八六八年一月三日、京都郊外の鳥羽・伏見にて薩長藩の新政府軍と会津藩などの旧幕府軍の戦いが起きました。戊辰戦争の始まりです。
新政府軍５千人、旧幕府軍はその３倍の１万５千人。初めは多勢の旧幕府軍が優勢でした。が、薩長の新政府軍が「錦の御旗(みはた)」を掲げて進撃したために旧幕府軍は怯(ひる)んでしまい、一気に崩壊・退散したのです。
しかし卑怯にも、この旗は薩摩藩の大久保利通と長州藩の品川弥二郎たちが用意した偽物でした。これは本物という説もありますが、旗の偽造に加担し内閣総理大臣代理を務めた三条実美が旧館林藩士岡谷繁実に偽物と告白し、内閣総理大臣を務めた田中儀一も述懐(じゅっかい)のなかで長州の紺屋が錦旗を偽造したと話しています。また多くの勅許にも天皇の署名や花押(かおう)がないことから偽物は頻発されたようです。
錦の御旗を掲げるものは「官軍」、つまり「天皇の軍隊」を意味し、その敵は「賊軍」を意味しました。それを知った旧幕府軍の戦意は一気に消失しましたとされています。しかし270年続いた江戸の平和の中で起きた戦いに、戦いの戦略と熱意と勢いに、旧幕府側に問題があったのも事実のようです。
いずれにせよ、「当時は錦の御旗を捏造するなどということは想像を絶する悪行であり、神仏に背くことなのです（「明治維新という過ち」より）」。
それ故に、だれも疑わなかったのです。
特に臆病で敵前逃亡と非難されることの多い旧幕府軍大将で最後の将軍、徳川慶喜は幼いころから「尊皇教育」を叩き込まれていました。慶喜が臆病者だったかは別として、水戸徳川家は尊皇思想の特に強い家柄だったのです。後に勝海舟が明治天皇を徳川慶喜に会わせたとき明治天皇は慶喜に「あなたの持っていた天下を私の家臣が無理やり取って申し訳なかった」と謝ったとのこと。
私が問題に思うのは、平気で旧幕府軍を騙した薩長の罪を棚に上げて、ならず者の下級武士たちが為した明治維新というテロ行為がこれほどまでに美化されているということです。
思えば、全く悪びれる風なく厚顔無恥に嘘を付きまくっている長州出身の総理大臣が率いる内閣を、日本国民の40％も支持しているというのとおかしいくらいに通じるものがあります。
今こそ、ピンチ脱出の時
ロスチャイルド家は幕末に、日本に反乱分子を育て上げ、明治維新で彼らに幕府を転覆させ、支配しやすい明治政府を創設しました。
そして次に、豊かな財政に物をいわせ、明治政府に資金と武器とを提供し明治維新を成功しました。そして約270年内外の戦争がなく平和だった江戸とは真逆の国へと導き、次々と外国と戦わせ、疲弊させます。アジアの小国が奇跡を起こしたとされる日露戦争の勝利もロスチャイルド家の支援なくしてはなかったのです。
度重なる戦いに疲弊しきったところにアメリカハワイのパールハーバーを攻撃させました。その後、アメリカは日本を占領統治し、経済国家として繁栄させました。戦後に経済復興したところで、金融崩壊（バブル崩壊）を起こすことで国家としての国際競争力を剥ぎ取りました。今も日本はアメリカの属国です。
今、日本はピンチなのです。そして今、日本はこの呪縛から放たれる時を迎えるのです。
追加参考文献：福地源一郎『幕府衰亡論（東洋文庫）
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