とほほ…見聞録

過ぎ行く日々の雑感

時効警察のDVD

2007-08-28 13:21:35 | Weblog

時効警察パート1(三木聡監督・オダギリジョー主演)の
DVDの第六話に出て来るスナックの店名が〈私〉で、
隣に〈俺〉〈僕〉〈君〉〈貴方〉とスナックの看板が
林立している画面に笑ってしまいましたが、
近所に、実際にあるのは、
ビルの一階にスナックが三軒並んでいて、その名前が、
〈停車場〉-〈途中下車〉-〈終着駅〉というのです.
命名したのは、鉄道好き、かな?

この季節のキリッと冷えたビールは、
美味しくてこたえられませんが、
多汗体質なので、アルコールの相乗作用で、
飲んだ後、寝ていると汗がジワジワとにじみ出てきます.
あせもで、かゆい.
しかたがないので、風呂上がりにはシッカロールをパタパタと
塗っている.
(容器のフタに赤ちゃんの顔がかいてある)

ウコンとセサミンを頼りに、
〈酒とイバラの日々〉が続きます.















街のあかり(映画)

2007-08-24 10:11:33 | Weblog

渋谷ユーロスペースで上映中の「街のあかり」を見る.
アキ・カウリスマキ監督の2006年作品.

とことん不運な男が、様々なひどい目にあうドラマである.
友も、家族も、愛する女性もいない孤独な男・コイスティネンの
前に、底に悪事を潜ませて近づく女がマフィアの情婦ミルヤ.
誘惑されて、魅せられて、愛したために、次々に災難が襲う.
濡れ衣、服役、宿無し、失業、ふりかかる暴力.
愚直に女を庇う男の心情は哀れなり.

人生の敗者、底辺に暮らす負け犬、他者を拒否する孤独者達が
カウリスマキ作品の主人公である.
ハンサムな主役や、とっておきの美女は登場しない.
「浮き雲」「過去のない男」に続く敗者三部作の完結篇とあるが
「浮き雲」の希望、「過去のない男」の再生のラストシーンに
比べてこの映画のラストはあっけなく、救われない.
悪は栄えるのか.この先の人生に希望があるのか.

今回も、やたらと煙草を吸います.
バンド演奏のエレキギターの先っぽに差し込まれた煙草が
煙を上げながら揺れまくるシーンがありました.
登場人物はおおむね無口なので、発せられる言葉より
吸う煙草の本数の方が多い.
マフィアの事務所でカード遊びに興じる男たちの後ろを
情婦ミルヤがチョロチョロして、家政婦のように掃除機を
かけている場面がおかしい.

敗者の眼を通して見る街のあかり、暮れゆくビルのシルエット、
錆びついた波止場、タンゴ流れる酒場.
己も勝者の側にいる訳ではないという思いがあれば
いつも通りのカウリスマキの映像にほっとする.






針だか、字だかわからない

2007-08-20 20:44:57 | Weblog

家の時計は、見やすいのが一番だと思う.
文字盤が白、数字と針が黒の単純なのがいい.
駅の時計、公園の時計がいい例です.

相田みつを先生の〈夢はでっかく 根はふかく〉が
白地に黒い字で書いてある掛時計は、
みつを先生の教訓の上を、チクタク針が動いて行く.
針と字が混ざりあって、時間が分らん.

テレビの横にある、ミキモトのおしゃれな置き時計は
10センチまで近づかないと時間が判別できない.

いくつかの時計があっても、それぞれの時間がちがっている.
ひとつくらい間違いのない時計があってもいいと思う.
そこで、セイコーの電波置時計(ツイン・パ)を買いました.
電波時計の針は勝手にくるくる回ります.
電池を入れて、リセットボタンを押す.
3:10でしばらく停止、
電波を受信してクルクル針が回りだす.
現在時刻(5:55)の位置に止まった後、動き出した.
117番で確認したら秒まで合っていた.ウム.

この電波時計は、送信局から送られてくる時刻情報の標準電波を、
内蔵された受信機が毎日8回受信し、自動的に時刻を合わせる.
標準電波の受信が困難な場所では、自動時刻合わせができない.
マンション(鉄筋の建物内)は電波が減衰されてしまうため
受信状態がよくないようだ.
海外では周波数や情報を送るタイムコードが異なっており、
日本の標準電波の受信用の電波時計では、受信することは
できないので、普通の時計となる.


どこまで続くか熱帯夜

2007-08-16 13:42:33 | Weblog
盆休みでも、帰省するあてはなし.
猛暑の街へ出かける気も失せて、家でのんびり
テレビをみていました.

NHK.BSの「歌伝説シリーズ」は、ちあきなおみ
テレサ・テンに続いて、
「歌伝説・ザ・ピーナッツの世界」
「歌伝説・青江三奈ハスキーの魅力」を放送していた.
ともに1時間15分の番組、じっくりと聞かせ、見応えがあった.
歌は大阪の女(ピーナッツ)と大田ブルース(青江)が好み.

NHK.BSとBSフジの、欧州鉄道の旅もよく見る.
NHKの番組は「関口知宏のヨーロッパ鉄道の旅」で、
BSフジは「欧州鉄道の旅」である.
フジのほうは、車窓の景色はいつもクッキリとした青空、白い雲、
見晴るかす草原の明るい場面ばかりだ.
曇りや雨の日は存在しないみたいに思える.
イングランド北西部の湖水地方は一年のうち二百日は雨だそうだ.
でも欧州鉄道の旅(フジ)の湖水地方の風景は、やはり青空、白雲、
緑の草原である.
関口知宏の「ヨーロッパ鉄道の旅」で湖水地方をめぐって
いた時はよく雨が降っていた.やはり雨はふるよね.

録画もまじえて見たのだが、面白かった映画は、
三木聡監督の映画「イン・ザ・プール」.
笑いますね、立ちっぱなしのオダギリジョー、
強迫神経症の市川実和子、プール依存症の田辺誠一、
マザコン精神科医の松尾スズキという、異色豪華な出演者の映画.
そして「東京日和」(竹中直人監督)もよかった.
写真家・荒木経惟と妻・陽子の物語で、愛妻へのやさしい
まなざしが、伝わってきます.
荒木経惟の経惟(のぶよし)はうまく読めないので、
仲間は〈きょうかたびら・経帷子〉と呼んでいたらしい.


言うなかれ、君よ別れを(DVD)

2007-08-12 13:44:21 | Weblog
「言うなかれ、君よ別れを」(DVD)

向田邦子原作・久世光彦ディレクターによるTVドラマの
DVDが、ぽすれん(宅配レンタル業者)には26本あり
時々気が向くとリクエストする.すでに10本ほど借りた.
どの作品を見ても、なつかしく、感慨深い気持ちになる.

〈言うなかれ、君よ別れを世の常を、また生き死にを
海ばらのはるけき果てに今や、はた何をか言はん…〉
という大木惇夫の「戦友別盃の歌」というのがある.
それを題名とした作品が〈言うなかれ、君よ別れを〉である.
昭和20年の終戦も間近い頃の目黒に暮らす母親と三姉妹を
めぐるドラマである.
ドラマでは〈言うなかれ、君よ別れを…〉の詩が、
記憶のキーワードとなっている.
劇中で復員兵役の小林薫が夕焼け空の下で、ラッパで
弔歌を吹いているシーンが印象的だ.
「海ゆかば、みづく かばね  山ゆかば くさむす かばね
大君の べにこそ 死なめ かえりみはせじ」
哀切を帯びた曲である.

この向田×久世シリーズ作品は昭和10年代の女性達の家族を
舞台にした人情の機微にふれる作品が多い.
お馴染みのメンバーは、田中裕子、加藤治子、小林薫、田畑智子、
四谷シモンなどである.

今月は、
8月6日の広島、8月9日の長崎の原爆記念日そして
8月15日の終戦記念日と続く.
写し出される式典の映像は、
いつも、青空が広がる、うだるような暑い日だ.




祇園囃子(DVD)

2007-08-08 10:42:53 | Weblog
溝口健二監督のモノクロの古風な映画を4本みる.
近松物語(1954年)噂の女(1954年)お遊さま(1951年)
そして祇園囃子(1953年)である.
溝口監督の映画は2006年にDVD化され、今年3月から
レンタルが開始された.
DVDでないと、なかなか見る機会はないでしょうね.

「祇園囃子」は川口松太郎原作.
祇園の芸者・美代春(小暮実千代)は、昔の仲間の娘である
舞妓志願の少女・栄子(若尾文子)を引き受けることになる.
二人の母娘のような情愛と、実父、女将、会社重役、官僚等の
欲望が絡んだ花街の世界を舞台に、
人はかように動き、世間はこのように展開するという、
人間模様が巧みに描かれる.

冒頭のシーンで
「色街はね、きれいにお金を使える時にだけ来るところ」と
美代春(小暮実千代)が、落ちぶれた馴染みの客を
冷たく突き放す.
祇園や芸者の本音はそんなもの.

好きでもない男に抱かれたくないと、美代春が強情を張っても、
金が絡んで、人情で責められ、意地は貫き通せません.
お呼びもぱったりなくなり、ひっそりと遠くの売り声を
聞きながらのセリフは
「芸妓の落ちぶれが、
まさか、アイスキャンデー売りに出る訳にはいかないし」と.
美代春と栄子はこの世界で生きるしかないと悟る.

出演者の中では、脇役の進藤栄太郎には感心してしまう.
どの作品でも、見るからに、こずるい、憎たらしい男ですね.
役柄=人柄、のような気がしてくる.
若尾文子は評判ほど、良くは思えなかったが、
小暮実千代は、文句なしに色っぽい.

街を歩けば

2007-08-04 10:47:31 | Weblog
迷った時に道を尋ねる場合、
怖そうな人、セカセカと急ぎ足の人、さっそうとしている人は
避けるものだとすると、
歩いていてよく道を聞かれる私は、
見かけがおとなしそうで、ヒマそうで、平凡なタイプ、
ということになる.

では、よく他人に間違われるのは?
紀伊國屋書店で専門書を物色していたら、
「やあ久しぶりですね、久保田さん」と挨拶された.
違います.
西武新宿の改札を出て、階段を降りている時、
眼が合ったパンチパーマのおじさんが、すれちがいざまに
「あれ、こんにちは、高橋さん?」と呼びかけられる.
顔の前で、ちがうちがうと、手を振り、否定する.
私、高橋でないし.おじさんチョット怖いし.
偶然なのか、特徴的でない顔と体型ということなのか.

フランケンシュタイン似の中村君の場合は
こんな事はないんだろうな.