展示している屋台は、毎年7月22日から24日まで古式豊かに繰り広げられる「会津田島祇園祭」(国の重要無形民俗文化財)で運行する4屋台(西屋台・上屋台・中屋台・本屋台)の内の「西屋台」です。
屋台の構造は、前半分が歌舞伎を演ずる舞台、後ろは楽屋作りとなっている。屋台運行は、祭礼の宵祭(7月22日)と本祭(翌23日)の2日間、午後4時から10時まで子供達を屋台の舞台に乗せ、「オーンサーンヤレカケロ」と元気なかけ声のもと「芸場」と呼ばれる場所で「子供歌舞伎」を演じながら町内を行き来します。
屋台の存在は、最も古い資料として明和3年(1766年)の「忠春日記」に、当時は既に4屋台があり、それぞれの屋台が「唐破風」をつけ、漆を塗り美々しく競うなどの記述があることから、現在の形に近い屋台がこの頃から出来上がったものかと考えられます。
しかし、昭和9年の西町・上町の大火で「西屋台」は災厄を免れたが「上屋台」は大きな損傷を受け、また、昭和21年の大火では「中屋台」・「本屋台」が焼失し、江戸時代からの形を残しているのはこの「西屋台」のみです。
なお、屋台の左右板襖裏に「天保7年丙申5月」(1836年)と墨書銘が記されています。
屋台の大きさは、幅3m68cm・長さ6m48cm・高さ3m96cmで、4屋台の内一番小ぶりです。
屋台は祭礼後「屋台格納庫」に保管しますが、毎年4月から10月まで毎月「第3日曜日」、午前10時から午後3時まで一般公開しております。
なお、一般公開日以外でも随時公開しますので、ご希望の場合は「旧南会津郡役所」(0241-62-3848)にお申し出ご観覧できます。