モンテル

モンテル、入ってる。
モンテルは、行ってる。

今津から高島へ。

2009年08月30日 | びわ湖一周

8月が終わる。
30日、日曜日、今日は衆議院総選挙だ。
9時半、地域の集会所で投票する。
関西に戻ってきて最初の選挙だ。
投票を終え出るとき投票済み証明書を受け取る。
義務を果たした証明である。
このときの選挙は政権交代を果たした、歴史的なものだった。

山科駅から湖西線に乗る。
前回「次回から列車の本数が増える」と書いたが、結局いつもと同じ新快速に乗っている。
したがって混んでいる。

近江今津で降りる。
10時40分。
湖岸をめざす。
降りたほかのお客さんたちも、同じように岸へ向かう。
今津港から出航する竹生島行きの観光船に連絡しているのだ。

私は一人湖岸を歩く。
このあたりの浜は砂利だ。
今日は少し波が高い。
砂利にぶつかる波の音が聞こえる。
顔はずっと左を向き、湖の様子と音を聞いている。
「えり」がきれいな矢の形を示す。
夏の終わり。
水遊びの子ども。

街道の並木は松と桜。
緑の時期の美しさは、桜より松の方が秀でている。
街道沿いに「売り地」の看板。
このあたりに別荘を持つのもいいかもしれない。
しばらくしたら、旧道は湖岸を離れる。
ブロック敷きの道になる。
「旧北国海道改修記念碑」を整備した表示があった。
一応資料を見ながら歩いているが、間違いなくここが「北国海道」であることが確認できた。
湖東は中山道や北国街道の道票や表示が、そこそこあって、歩いていても安心感があった。
湖西側はそれがあまりなくて、正しい道を歩いているのか、よく分からない。
石碑の前でセルフ写真を撮る。
やがて旧道は、現代の自動車道に飲みこまれ、大きな交差点にでる。
饗庭交差点だ。
地下道で移動する。
県道556を歩く。
車がスピードを上げて走る。
道沿いに「かばた」がある。
神社、お寺が多い。
古道なのだ。

突然、レコードショップがあった。
民家を改造したお店。
レコードを売るということは、古物商だ。
ものすごい量のレコードを集めたようで、家の外まで積んでいる。
雨ざらしだ。
SPレコードである。
人気(ひとけ)もなく、商売っ気もない。

12時も過ぎ本日も昼食はラーメンを予定している。
このあたりはあまりお店がない。
調べておいたラーメン店をめざして、安井川という地で旧道をそれて川沿いに下る。
風景はガマの畑。
北畑という地でラーメン店みつけ、昼食。
食べ終わって小学校の前を通過。
新庄城跡の看板を見る。
安曇川大橋で安曇川を越える。
川で漁師が魚を獲っている。
道は、さっき離れた県道556に再び合流。
資料では、このあたりの北国海道は近世古道と中世古道の2本が並行している。
県道556は近世古道である。
車が通り抜けるだけのおもしろくない道だ。
JRの線路の向こうには中世古道が通っている。
適当なところで中世古道に行くかな。

道ばたに消費者金融の無人スタンドがあった。
ふと入ってみる。
金を借りるわけではない。
気まぐれの好奇心だ。
涼しい。
クーラー効かせ過ぎだ。
道の真ん中にぽつんとたって、誰もいないときでも、キンキンにクーラーを効かせている小部屋。
この電気代はいったい誰が持っているのか。
お金を借りた人が、すべてのコストを支払っているのだ。
だが、夏のさなかのウォーキングのとき、暑さしのぎの避難場所としては、このサラ金の無人スタンドは有効かもしれない。
助かる。

安曇川駅に来た。
本日の行程をここで終えるかどうするかの判断をしないといけない。
そこそこに疲労はある。
とりあえず休憩することにした。
駅前の平和堂に入る。
店内、普通に平和だ。
発泡酒と焼き鳥を1本買う。
店の前のベンチでつまむ。
元気を取り戻したので、もう少し歩くことにした。

線路をくぐり県道23にでる。
中世古道である。
道ばたに継体天皇伝承地「えな塚」や、鴨稲荷山古墳、歴史民族資料館など、ここが確かに旧道であることを示す遺跡が続く。

そのとき、後ろから歩いてきたウォーカーに
追いつかれた。
いきなり、
「こんにちは」
と挨拶された。
髭面のジャージ姿。
首にタオル。
声はさわやかだ。
返事をし話をする。
彼はリハビリので歩いているという。
地元のおじさん。
なにを患ったのかと聞くと、脳卒中で倒れたという。

元々は大阪の人だった。
実業団の野球選手だったという。
スポーツマンで体造りのために食事を増やした。
辞めた後、システムキッチンの施工業を開いた。
スポーツを止めた影響で、100キロの巨漢になった。
典型的な生活習慣病になり、血圧は200を越えていたという。
倒れる前、前兆でふらふらしていたという。
幸い現在の彼はスリムな体を取り戻し、歩く姿にも麻痺は感じられなかった。
私は、自分が今年のはじめから、びわ湖一周の旅をしていることを伝えた。
我々の歩いている道が、北国海道であることを確かめながら、しばし道連れウォーキングとなった。
高島の自然と住やすさについて話を聞く。
やがて彼の家が近づき、おじさんと別れ、一人で歩を進める。
疲労してきた。

石碑がある。
万葉集が刻まれている。
「客在者三更刺而照月高嶋山隠惜毛」
「旅なれば夜中を指して照る月の高島山に隠らく惜しも」
と読むらしい。
風流だ~。
疲れた~。

近江高島駅に到着した。
駅前にガリバーメルヘン広場というのがある。
高島とガリバーの関係は分からないが、疲れたので、現実を受け入れることにした。

本日の行程26000歩。5時間。13.5キロ。

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10年後、自分も脳卒中になる。

 

脳卒中 。 - モンテル

先月末、3月26日、脳内出血で日赤に運び込まれた。本日4月3日、1週間で出てきた。脳卒中。

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