海苔。
黒いシート状の食べ物。
外人さんが「日本人は黒い紙を食うておる」と驚愕する食べ物だ。
僕たちは海苔を、寿司を巻いたり、焼き海苔でご飯を巻いて食ったり、もみ海苔にしてかけて食べたりする。
昔、海苔の養殖がまだなかったころ、海苔は採れる季節にだけ収穫するもので、いつでも食べられるものではなかった。
「何とかとっておけないかな」
と工夫された結果
「すのこに乗せて乾かしたらどうだろう」
と発明されたのが乾燥海苔である。
「これだったら、いつでも水で戻したら海苔が食べられるし、いいやん」
と大好評。
ところがいつのどこにもイノベーターはいるもんで、保存食品の板海苔を水で戻さず米や餅を巻いて食うという食べ方を提案したやつがいる。
それが
「これはおもしろい、パリッとしてて、いいじゃないか」
と受けて大流行。
海苔巻きとかが生まれたのだ。
海苔を戻さずそのまま食う、言ってみればインスタントラーメンを調理せずバリバリそのまま食うようのものだ・・・そういう菓子もある。
僕たちは板海苔は板海苔、海苔の佃煮は「いそじまん」とか「ごはんですよ」とか元からそう作ってあるものとばっかり思っている。
生まれたころから、あったからね。
でも違うんだ、乾燥海苔は保存食品。
だから、ラーメンやうどん・そばに海苔が浮かべてあったりすることがあるけど、あれは歴史的に言えば正しいことなのだ。
「なんで、うどんやラーメンに海苔が乗っているの。あれっていらない」
という方もいるだろうけど、汁でふやけた海苔を、スープと一緒にズズっとすする時、この話を思い出してほしい。
土井先生は偉いね。
「おかずのクッキング」で乾燥海苔を煮て佃煮にする方法を教えていた。
正しい。
口数の多い土井氏だが、海苔の、うんちくは言わなかった。
恵方巻。
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