光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

「木島櫻国 PartⅠ 近代動物画の冒険」展 泉屋博古館分館に行って #1

2018年03月05日 | アート 日本画

「生誕140年記念特別展 木島櫻国 PartⅠ 近代動物画の冒険」 に行ってきました。(2018/2/23)

フライヤーです。

 

 

フライヤーにも載っているメインヴィジュアルの「寒月」が素晴らしい。

私にとっては、国宝級の屏風絵に思えます。


室内の展示光景。 左の屏風絵が「寒月」です。(美術館より、特別許可を得て撮影しています。)

 


 

展覧会は、動物画を中心に、画業をたどる構成になっていますが、「寒月」が図抜けて素晴らしいので、先に「寒月」をメイン

に紹介し、後編で、他の作品などを紹介します。

 

正面から




「寒月」を初めて見たのは、2013年の「夏目漱石の美術世界」展、漱石が当時の新聞の美術批評欄で、「寒月」を酷評している

ことを知り、驚きました。 もう一度見たいと思って、2014年に泉屋博古館分館の木島櫻国展に行ったのですが、展示替えのため

見逃してしまいました。 

そして昨年、京都の泉屋博古館で本展が先行開催されたとき、NHK Eテレの日曜美術館で「漱石先生 この絵はお嫌いですか

~木島櫻国~」と題して紹介されたのを見て、櫻国の絵の先進性、革新性になるほどとうなずき、もう一度見たいと思っていました。

(3月11日9:00から、Eテレで再放送があるようです。)

それでは、いただいた図録と、京都泉屋博古館の実方(さねかた)葉子学芸課長の詳しい解説も含めて「寒月」の魅力を述べてみた

いと思います。

 

図録の表紙です。

 

 

図録本文に載っている狐の顔の拡大図。 眼が鋭い・・・櫻国の他の動物絵は、優しさを湛えた眼が多い。

 

 

 

図録の裏表紙です。 月明りに浮かぶ夜空と雪景色が絶妙。 

実方学芸課長の話では、この空の色は何を使ったのか、まだ分かっていないそうだ。

 

 

 

 

こちらは、図録本文の竹林の拡大図。 高価な群青を焼いて、黒い青味を出している。

右下の解説に”野草の白綿毛の油彩風なマチエールも新鮮”とあります・・・確かに、この白い花が

効果的なのです。

 

 

屏風の右側部分です。  白い綿毛がリズミカルに目に入ってきます。

 

 

 

 

綿毛の華の部分を拡大。 油彩風なマチエールが分かります。

実方学芸課長の話では、櫻国は洋画家の浅井忠と親交があったらしく、その影響も考えられるとのこと。 

 

 

 

 

次に、「寒月」が生まれた土壌も観ることができます。

写生帖です。  中央右の券は、動物園から贈られた優待観覧券(年間パスポート)

 

 

 

 

 

写生帖の狐の顔、「寒月」と連なっています。

 

 

 

 

同じく、貴船の雪景。 ここで、獣の足跡を見たことが「寒月」の契機になった。

 

まず、「寒月」編はここでおきます。

 

 

寒月の東京といっても、こちらは泉屋博古館分館の入口。 白い綿毛の代わりに、高層ビルの窓明りが美しい。


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