光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

橋口五葉展

2011年07月10日 | アート 浮世絵・版画

7月9日(土)、橋口五葉展へ行ってきました。
アート関係のブログ「はろるど・わーど」さんで紹介されていたので知ったのですが、以前、国立近代美術館で見た五葉の「浴場の女(ゆあみ)」が素晴らしかったので、彼の画業を網羅した今回の展示に興味がありました。
撮影は禁止でした。



日本画、洋画、挿絵や装丁など幅広く、手がけた画家なんですね。
私は、挿絵や装丁に五葉の才能を感じました。
夏目漱石と交遊があり、五葉が挿絵や装丁を手がけています。
アール・ヌーヴォー調の洒落た挿絵で西洋美術の動きなどを知悉していた五葉のセンスが光っています。
  



泉鏡花『遊行車』 大正2年 尚栄堂 装釘橋口五葉
この装丁などをみると、五葉のなかに女性的な感覚があるのかなと思います。
 



夏目漱石 『草合』 春陽堂 明治41年 装丁橋口五葉
グラフィックデザインのセンスは素晴らしいと思います。



そして、新版画が、五葉のもう一つの真骨頂。
記念すべき第一作がこの「浴場の女(ゆあみ)」   画像は、2010年3月に国立近代美術館で撮影したものです。 歌麿などの江戸時代の浮世絵とは一線を画す、素晴らしい出来だと思います。

しかし、解説を読むと、五葉は出来に不満があり、彼の手許にあった50枚ほどの絵を破り捨てたとか、共同事業者だった版画商との間に相違があったようだ。
なお、展示されていた「浴場の女(ゆあみ)」は、千葉市美術館所蔵のもので、色合いが濃い目に摺られていて、綺麗な色なのですが、うなじに汚れがあり、左上にはローマ字のサインが記されていて、幾度か所有者が変わったもののようでした。
その後、五葉は独自に版画の技法を研究し、作品を残しましたが、41歳で病で急逝しました。

五葉が執着した耶馬渓の版画。  大正7年作
広重を研究したあとが窺われます。



京都三條橋  大正9年作



最後に、五葉とは無関係ですが、千葉市美術館の建物の1階部分。  旧川崎銀行の千葉支店ビルで昭和初期に建てられたものです。 その旧ビルを包むように美術館などの入った新しいビルが建てられています。
鞘堂方式というらしい。  写真は旧ビルの内部を撮ったものです。

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