見たいと思っていた久隅守景の「納涼図屏風」(夕顔棚納涼図屏風)を見ました。
いいですね。 制作されて400年は経っているので、薄汚れた印象はあるのですが、晩夏の夕べの空気が感じられます。 しかし、月を眺めているという説明は?です。
親子の部分を拡大。 夕顔の描き方の軽やかさと、親子の人物の丁寧な描き方の対比。
人物をさらに拡大。
月見を楽しんでいる顔には見えない。 夕涼みで外に出ている人も多いだろう・・・そういう何でもない光景を、さして興味深くもなく見ている・・・という場面を想像します。
確かに、月を見ているほうが高雅な詩情が感じられるかもしれませんが。
当時の絢爛、豪壮な日本画の流れのなかで、軽やかに庶民の風俗を描いた本作は、日本の国宝として早々と指定されたのもうなずけます。
久隅守景の紹介は、こちらの記事で。
続いては、岸駒。 納涼図とは180度異なる伝統的な日本画です。