昨日、車内のラジオに匂いの専門家の人が出ていました。
匂い(嗅覚)は他の感覚器官と同様年齢とともに衰えていくそうです。
しかし、匂いと言うのは個人差が大きい感覚です。
従って言葉で伝えられるかどうかが非常に重要だと言われていました。
若い頃は匂いはよくわかるが経験が少なく匂いを言葉で表すことができませんが、
年齢を重ねるごとに匂いの経験が蓄積され言葉で伝えられるようになるといいます。
例えばバナナの匂いをどのように表現するでしょうか?
フルーティ
フレッシュ
甘い
ほんの少しスパイシー
専門家の方はこのように表現されており、私は納得がいきました。
匂いのように身体機能としての感覚は衰えていきますが
感覚と経験が結びつき蓄積され言葉として表現できるのは
感覚入力の数の多さや、それを伴う体験の多さが必要となります。
年齢に比例するとは限りませんが、年齢を重ねるたびに体験は必然的に多くなります。
バナナの匂いをフルーティと表現するには
他のフルーツも食べている経験が必要です。
匂いだけでなく、悲しいや美しいなど抽象的な表現には当てはまるような気がします。
大変美しい夕日を見て「やばい、きれい!」
だけでもいいですが
生命力
過去から未来への連続性
神秘性
活力
明日への不安
個人的に様々な経験と結びつき夕日が表現できます。
感覚が経験と結びつくことで言語化することが可能となり相手に伝わります。
写真や動画で夕日自体は共有できますが
その人にどう見えたを伝えるには言葉を使うしかありません。
また共感する側も言葉から体験を読み取る必要があり
自分自身も似たような経験があった方が共感は高まります。
使う言葉に人格が現れるのは、感覚⇨経験と結びついているからかもしれません。