goo blog サービス終了のお知らせ 

漫画の重みで床が抜けたらどーする?!

すずめ休憩室分室の漫画部屋。
歴史系漫画を中心に適当に好き勝手に語ってみるが、収納場所が目下の悩み。他の漫画も読むよん

JIN-仁- 20巻

2011年02月12日 | 漫画家(ま~も)
「JIN-仁-」20巻(完) 村上もとか


現代の脳外科医・南方仁は頭部裂傷の緊急手術執刀中、患者の頭蓋骨内に胎児の形をした奇形の腫瘍を発見、摘出する。身元不明のその患者は意識を回復すると摘出された胎児様腫瘍を盗み出し、病院外へ逃げようとしているところを南方が発見。彼と揉みあううちに階段から落ちたはずの南方が気がついたところは、なんと幕末の江戸だった。
満足な医療器具も無い中、南方は医師して江戸の民を救おうと奔走する・・・


完結しちゃいましたね~「JIN-仁」
ここ数年の漫画の中で続きを楽しみにしていた漫画のひとつなので、寂しいような気もしますが・・・
この完結となる20巻を発売をもって、4月からのTVドラマの続編開始(つまり完結まで放送)となったんでしょうね。
絶対みなくっちゃ!!

それはさておき、20巻の感想


やっと胎児様腫瘍と仁が現代から過去へタイムスリップする原因となったあの男性の正体が判りました。
ほんと、なるほど~って感じ
謎の男が何故薬と胎児様腫瘍を盗み出そうとしたのか・・・すべての謎が解けた今、こうやって読むと第一話から、このラストは決まっていたが判りました。
それを途中全く感じさせない話作り・・・・やっぱり村上さんは凄いと思った。

ただ1つだけの謎

2度目のタイムスリップの不思議
最初のタイムスリップは34歳医師の南方仁という個人がそのまま江戸へタイムスリップし、江戸で生きたけど、2度目は40才の南方は過去へ戻り咲と共に生きる南方となり、34歳の南方はそのまま現代に生きる南方となり過去へはいかなかったということ。
そうなると・・・・あああ~頭がこんがらがって来た(苦笑)
タイムパラドックスというばそれまでなんだけど

移植を受けた人がドナーだった人の生前の影響を受けるというのはよく聞く話
北条さんの「エンジェルハート」もそんなんだし
でも血や体液が生前のその人の意思を持つというのは斬新だなぁ

過去に生きた南方と咲きさんと幸せな一生を遂げたのだから、現代に生きる南方もルロンさんと幸せになってほしいなぁ


あっドラマの方は野風と未来は共に中谷美紀さん
という事は、歴史が変わった後は・・・・


うふふ、これは4月が楽しみだ~






過去のレビューはこちら
「JIN-仁」6巻
「JIN-仁」10巻
「JIN―仁―」ドラマ化 キャスト決定

星守る犬

2009年09月01日 | 漫画家(ま~も)
「星守る犬」 村上たかし

キャンプ場のほど近くの空き地で朽ち果てた車の中で寄り添うように、男性と一頭の犬の遺体が発見された。鑑定の結果は男性が死後1年。だが犬は死後わずか3ヶ月・・・この時間差が意味するものとは?人生の終着をこの地を選んだ彼らに何かあったのか?とある1人と1匹が迎えた最期の物語


今話題のこの本、選挙の前日に届き、選挙の翌日に読みました。
のちに「ハッピー」名付けられる1匹の仔犬が拾われたところから物語は始まります。
お父さんにお母さん、そしてハッピーを拾った女の子。ごくごく普通の幸せな家庭。だが仕事後の夕方に散歩に連れて行ってくれたお父さんはいつしか日中に散歩に行くようになり、ハローワークというトコに寄り道をするようになったり、あれほどおしゃべりだったのに散歩中もしゃべらなくなっていく・・・。

病気、失業、離婚、そしてわずかな持ち物を持っての犬と2人だけでの車の旅

読み手にはお父さんが落ちていくのが痛いほど判るが、ハッピーには判らない
それは大好きなお父さんと一緒の楽しいドライブでしかない

作中のお父さんはちょっと不器用だけどごくごく普通なお父さん。
でもそんなお父さんでさえ、一歩踏み違えばこういう末路もある。そしてこれは現実でもありうること。
この作品はただの泣かせる漫画というだけではなく、根底には構造改革の影でこういう人生を終える人達も出ているというメッセージも含んでいるようにも思える。

この本を読んだ人がどう感じたのか、もしかしたら今回の選挙結果にもちょっと影響があったのかなって考えてしまった。

タイトルの「星守る」とは犬が物欲しげに星空を見上げる姿から、手に入らないものを求める人、つまりは不相応なものを望み続けている状態を表す慣用句だそうだけど、一面の向日葵がまるで地上の星にも思え、この地で星になったお父さんをハッピーは魂になっても守っているんだなと思えた。

最期まで一緒だったお父さんもハッピーもある意味幸せだったとも思う。
でも望んでいた幸せではなかったはずだ
彼らが本当に望んでいたのは失った過去なのではないか

そして誰もその死を知らないのはやはり悲しい

そんな死を迎える人ができる事なら無くなれば・・・と切に思えた1冊だった


「毒姫」4巻

2009年08月17日 | 漫画家(ま~も)
「毒姫」 ~4巻  三原ミツカズ

最初はゆりかごの下に毒草を、次に布団の下、次は衣服の中、さらにミルクに毒を混ぜ、そうして毒に慣らされ育った赤ん坊は全身が猛毒の「毒姫」となる・・。実は「毒姫」の真の役目は暗殺用として寵姫として他国へ送られること。孤児のリコリスもそうやって育った毒姫の1人。彼女もまた女王に命じられるがまま隣国の国王の元へと送られたが・・・。



山下友美の「薬師アルジャン」も全身が猛毒の主人公ですが、アルジャンが毒見(人を救う)役なのに対し、こちらの毒姫は人を殺すのが役目・・・
「涙でさえ人を殺す」その体質ゆえに誰とも愛することを許されない毒姫の切ないストーリー。

三原さんの作品は悲しいものが多いが、反面殆どの作品にも深い奥底に希望の様な煌きがあるのだけど、この毒姫は未だ切なさ満開。この4巻ではリコリスが唯一心を許したメイドのシッカがリコリス自身の毒で死んでしまうというリコリスにとっての大打撃に加え、ハルとマオという王子たちのそれぞれの心の揺れが絶妙に絡み合う。

 何故、私は生きているのか
   愛しい人を殺してまで
 私には人を愛する資格さえない・・・

特にマオの心情は複雑
肉親への愛や忠誠の裏には「憎しみ」が、そしてリコリスへの嫌悪の裏には「愛」が見え隠れする

他人を愛す事、触れることを許されない毒姫に、忍び寄る様々な思惑、そして新たな登場人物・グランドルの隣国の王子ハオマがどう関わってくるのかも気になるトコロ

それぞれの思いが最期でどう結びつくのか・・・悲しさが満ち溢れているこの巻だけど、この持って行き方はさすがです。

三原先生初のファンタジー作品ですが、代表作の仲間入りをする事は間違いないでしょう。
次巻5巻で最終回との事ですが、どういうまとめ方をされるのか
あぁ1年後の刊行が待ち遠しい・・・

「雪月花」「大門パラダイス」

2009年05月08日 | 漫画家(ま~も)
「雪月花」「大門パラダイス」 松田奈緒子

明治時代、裕福な家庭に育った光子と喜久子の姉妹。活発で勉学に興味を持つ光子と美しく男性を虜にする喜久子。正反対に見える姉妹に或る日突然、父の自殺という不幸が襲い掛かる。家も財産も失ったふたりは互いの出生の秘密を知り、それぞれ別の人生を歩み始めるが・・・・


ぱっと見た瞬間、表紙が不思議でしょ?
この本のタイトルって「雪月花」?「大門パラダイス」??
それとも「雪月花 大門パラダイス」???

実は「雪月花」と「大門パラダイス」は全く別々のお話
大抵こういうのを同時に1つの本に収める場合、1つだけタイトルにして、あとの作品は小さく表記するか、目次としてかかれる場合が多いんですが、これは2つの作品を同じ扱いをしているんです。

不思議だったんですが、読んでみて納得
それぞれはまったく違う2つの作品だけど、1つの共通するメッセージ性を持っている。
連作に似ているんだけど、それよりずっと似ている感じなんですね。
舞台を変え、もう1つのバージョンに仕立てた感じ。
どちらも似通った境遇の2人の少女の生き方を光と影の様に対照的に描いているんです。

「雪月花」は何不自由なく育った光子と喜久子という姉妹がそれまでの生活をすべて失い、世間の荒波に放り出されたその後を
「大門パラダイス」では女郎屋に売られられてきた、妙とりんという2人の少女のその後を描いている。


お嬢様から下働きへと身を落としながら自分を見失わなずに幸せを掴んだ光子。
美しい自分の容姿と体を武器に男達を利用し思うがままの生活を続けたものの、最後はすべてを失った喜久子。

色白で100年に一人の逸材と女郎屋の女将に言られながらも、家族のために自分を押し殺し、挙げ句の果てに心と体を壊し、ボロ布のように死んだ妙
戸籍すらなく、厄介者同然に女郎屋へ売られながらも、女の地獄といわれるそこでも、自分の心だけは貶めめず、年季が明けるその日まで常に前を見続けたりん。


こういう女性の暗黒の時代の描き方やエグさが、なんていうか曽根冨美子さんを思い出したわ~
あの方も奇麗事じゃなく、そういう事を描かれていたけど、共通する雰囲気があるかも
まー題材が題材だからそう感じたのかもしれないけど


本当の不幸、本当の孤独とは、自分が自分を大切に思えなくなった時、自分を蔑み自暴自棄になったときにに訪れるものなのかもしれない・・・。

どんな境遇が待ち受けていようと自分の心だけはしっかり持ち続けていること、それが未来につながる・・・そんな思いが込められているような気がした

結婚しなくていいですか。

2009年04月23日 | 漫画家(ま~も)
「結婚しなくていいですか。 すーちゃんの明日」 益田ミリ

カフェで働くすーちゃんは35才、独身、1人暮らし。今の生活に不満はないけれど、「これからの人生」を考えた時、漠然とした不安も持っている。
そんな時、通い始めたヨガ教室でかつての職場の先輩・さわ子さんと偶然再会する。5才年上で独身のさわ子さんもまた色々な葛藤を抱えていた・・・。


益田ミリさん、始めて読みました~
なんか子供の落書きの様な絵で、見た目はほのぼのしていますが、結構内容はシビアというか、30代後半~40代の独身女性の心の内をザックリと抉り出している漫画です。
他の作品も読んで判ったけど、すーちゃんとさわ子さんは益田さんそのものなんですね

益田ミリさんご自身が私と同じ44年生まれにせいか、
私なんて、読んでて、あんまりにも同感で、頷きすぎて首痛いよ(苦笑)


結婚したくない訳じゃないんだけど誰でも良い訳でもない、その前に出会いも無いし
別に贅沢を望んでいる訳じゃないし、今の生活は満足しているけど
でもこのままこの職場で定年まで働ける???
このまま1人だったら、結婚しない=子供がいないって事で自分の老後は大丈夫???
節約したって貯金出来るのはたかがしれているし
自分が年を取るってことは親も同じな訳で、介護とかも考えなきゃならない訳で・・・

な~んて、考えたことありませんか??
私はすんごくあります!!(爆)

すーちゃんとさわ子さんを通して、そんな三十路過ぎの独身女の心のウチをさらけ出しているんですよね~
だからと言って、この本は「だからこーしなくっちゃ!」とか「こうしなさい」的な感じじゃない
そうなんだよね~でも悩んでいるのは1人じゃないよ。みんな同じだから~
ってな雰囲気で肩をポンって叩かれる感じ??(笑)


あとね、時折の2人の心のつぶやきがいいのです

女からも日々こまごまとしたセクハラを受けているわけで
でも、慣れたりしない
慣れることは許すこと
こういう鈍感な言葉に
傷つくことができる あたしでいたい


もしかしたら 誰かを
キズつけている言葉なのかな
知らず知らずのうちに鈍感になってる
自分の言っていることの意味を考えなくなってる
気をつけなくっちゃ
たくさん考えて
たくさん考えたおばあさんになるのだ~


いっぱいいっぱい考えて、その結果の自分を肯定してあげる
そんな気持ちが詰まっています

LOVE SONG

2009年04月06日 | 漫画家(ま~も)
「LOVE SONG」 まんだ林檎

「僕ね、性同一障害っていうビョーキなんだけど、よろしくね」・・・高3春、隣の席に座った刀根勇治はそういった。その時は意味が判らず、波広は後で姉に「性同一障害」の意味を聞いて知ることとなるのだが、かといって波広からみて普段の刀根は「普通で面白いヤツ」に見えた。
だか、波広の無知ゆえににちょっとした言葉で刀根を傷つけしまう。
ギクシャクしたまま6月になり、波広に彼女が出来ると、殆ど刀根とは言葉を交わすことがなくなってしまったのだが・・・


またしても・・・・BLですが(汗)
BL雑誌の老舗「麗人」に掲載されていた短編集。
表題作の他「あたらしい家族」「あなたが幸せになれた日々の理」「恋をせずにはいられない」「4度目の夏」を収録

BLを好んで読んでいる訳じゃないんだけど、どうも惹かれるのは「恋で胸がキュン」じゃないみたいなんですよねー私(笑)

恋じゃなくてもいいのよね。
大人になるちょっと手前、若さゆえに味わった、感情に振り回されたほろ苦さというか、恋人だけじゃなく、友人や家族・・・そんなとりまく全てに共通する切なさみたいのが好きみたい
「LOVESONG」も歌に託した本心が切ないよねぇ・・・
あのカラオケBOXで歌ったのはまぎれもなく「告白」だったけど、後から読み返すとそれまでにも口ずさんでいた歌の中にも刀根の想いがチラチラとよぎる

だから読んでてエッチシーンがなくてもいいんだわ。結局
「恋をせずにはいられない」も、そういうシーンはないけど好きだもんなぁ・・・


これって邪道か?(爆)


まっ腐の世界も奥が深いって事で・・・





研修医なな子

2009年02月10日 | 漫画家(ま~も)
「研修医なな子」 森本梢子 全7巻

ここはK医大学付属病院。春になると白衣を着た医師が急に増える。大学を終え、国家資格に受かった医師の卵、すなわち医師とは名ばかりの研修医たちだ。杉崎なな子もその1人。指導医である外科医・緒方の元でなな子は一人前になる為に日々一生懸命に努力する。はたしてななこは一人前の医師になれるのか??


私は初めて読んだのですが、過去にドラマにもなっているんですね~この作品
こういう病院の下積み系を取り扱った漫画では佐々木倫子さんの「おたんこナース」がありますが、あちらは看護婦なのに対して、こちらは医師なので病院事情というか内情がより詳しい気がします
まー我が家はただ病院とは切っても切れない生活をしているせいか、知った知識が作中にチラホラでているので、より楽しめました(笑)

診察室に入って、担当医が年若い先生だとどう感じますか??(笑)
でもね、まーどんな名医も始めは素人な訳で、手術も数こなし、経験を積んで「名医」になるわけですが、それでもまだまだ女医というのは数少ないですね
特に外科は10時間以上の立ちっぱなしでの手術も当たり前にあるわけで、体力的に女性には厳しい世界。そして何より患者さんからの信頼もまだまだ厳しい

そんな医師の世界を奮闘するなな子を通して判りやすく書かれています

病院というと、当然暗い話題も多いのだけど、特に笑わせようとしていないのに森本さんの可愛い目の絵とコミカルなテンポで明るく読みやすい。
全7巻のウチ、恋愛に関わりそうな部分をサラ~と匂わす程度に留めておいて、最後の数ページ、10年後のなな子のネームプレートだけで全てを語らせてしまう技は見事。読後感もさわやかでした。

ちなみにドラマの方では
なな子役が佐藤藍子さんだったそうで、ちびっと見てみたいな~なんて思いました

ラッキー ~Are you LUCKY?~

2008年07月27日 | 漫画家(ま~も)
「ラッキー ~Are you LUCKY?~」 村上かつら

日置祐太 小学5年生。幼い頃に母を亡くした彼は父と二人暮らしをしている。
大人しい性格が災いしてか、学校ではいじめられっ子の部類に入る。
或る日、逃げ込んだ自宅押入れで箱にしまわれた初期型の犬のロボットを発見する。それは祐太が生まれる前に母が「ラッキー」と名づけ大切にしていた犬ロボで主人を模倣する機能があり、ラッキーは祐太には覚えていない母の記憶を宿していた・・・。


今はもう発売されていませんが、昔、AIBO(アイボ)という犬型のペットロボットがあったのを覚えておいででしょうか?
この作品はそれと似たようなロボットとその持ち主となった少年の心の交流と成長していく姿をかいています。

ラッキーの言葉や動作の中に亡き母の思い出だけを追い求めていた孤独な少年が、他人のことを考えるようになった時、すこしだけ大人の階段を昇るというんでしょうか。
1つの言葉、一つの行動がもたらす意味を自分で考え、使えるようになっていく・・・

人であろうと物であろうと、子供が成長していく段階において、どんなこと、どんなモノでも無駄な出会いはないのかもしれません

でもそんなラッキーと祐太にも別れの時が来ます
そうです、機械であるが故の宿命「バッテリーの劣化」です
成長した祐太の選んだ職業にちょっと涙・・・
一時期ネット上で「ドラえもん」最終話というのが話題になっていたけど、なんかあれを読んだ時にこみあげた感情がここにもあるなーと言う感じ


この本の表紙に無数の言葉がかかれています。
「うれしい」「だいすき」「おかえり」「あそぼう」「そばにいる」「だいじょうぶ」・・・そして「ありがとう」

初期型の犬ロボのラッキーは液晶モニタにたった5文字分しか感情を表現できませんが、たった5文字でも伝えれる言葉はたくさんある・・・そんな作者の気持が込められている様に感じました

ラストは少し目頭が熱くなるけれど、それ以上に心が温かくなる1冊です

コンプレックス

2008年07月21日 | 漫画家(ま~も)
「コンプレックス」全3巻(文庫版) まんだ林檎

達也と淳一は幼なじみで自他共に認める大親友。しかしお互いを意識しはじめた二人の関係はいつしか恋人へと変化してゆく・・・果たして2人の人生はどう重なるのか?!少年期、青年期、そして老年期と2人の一生の愛をつづったボーイズラブヒストリー


今は無きビブロスから刊行されていたものが朝日ソノラマ文庫で再登場(でもこちらも無くなったけどね・汗)
生生しいBLはイマイチのめり込めない私ですが、BL読んでて初めて泣いたのがこの漫画。
もうね、BLという固定概念が覆されました。
ヒューマンドラマですよ、これ。
人物伝とか以外で、人の一生を描ききった作品って少ないんじゃなかろーか。

最初の1話だけ読むと、絵もあまりに古くて、内容も浮きまくってますが、回を重ねるごとに絵が変わって行きますね。彼らの成長と共に作者も成長しているというか・・・
漫画の紹介をする時、たいてい1巻の表紙を使うことが多い私ですが、今回はどうしても3巻を使いたかったの。この老成した2人の表情がとってもいいでしょ?

さてさて、賛否両論がある第一話(コンプレックス11)ですが、う~ん、絵柄はともかく、私はこれは外せない部分なんだろうと思ったのよね。作者自身が一話完結で続きを書くことになるとは思わなかったといってますが、あえて外さなかったのはやはり必要だからだろうと。もしこれがもしなかったらどうだったのだろうとちょっと想像してみたんですね

もしかしたらあの性的虐待がなかったら、達也は恋愛に対してコンプレックスを持たなかったかもしれないし、淳一に対しての執着心もただの友情で終ったのかもしれないなーなんて。


それにしてもね、泣かせるトコいっぱいだったわ

「俺はゲイなんかじゃない、達也が好きなだけなんだ」


まぁ男と女、続にいうノーマルな恋愛でも順風満帆に行くということは少ない
まして同性同志ならなお更
それにしても達也の結婚にはビックリしたけど(笑)
話の流れからすると、途中で裏切るのは淳一のほうだと思っていたから余計にビックリ!!
そしてよく復活したなーと
一旦、裏切られた相手を受け入れるというのは中々大変なことだもん

3巻なると、2人が年を重ね、子供の世代のお話も出てきますが、自分の恋愛と子供の恋愛とで葛藤する姿をみて、まだウルウル
自分達の恋は親の反対を押し切っても貫いた恋だけど、自分が親になるとまた違う。
それは自分勝手のように見えて違うんだよね、そこは親としての愛なんだよね


でもラストの走馬灯のようなアルバムの写真を見てて、こんな人生もアリだよな~って。
一生共に居たいと思える人と出会えたんなら、そしてその思いを貫き通せたんならそれは幸せなことだよなって

恋愛とか、家族愛とかというより、もっと深くて広い人間愛・・・


一生傍にいたいと思える人と出会えるということは、なんと幸せなことだろう

BL読んで、ちょっとしみじみ・・・(笑)

夏目友人帳 6巻

2008年07月15日 | 漫画家(ま~も)
「夏目友人帳」6巻 緑川ゆき

夏目は何故か妖怪が見える高校生、見えるだけでもうんざりしているのに何故か最近は妖怪に追われる事が多々ある。ある日、妖怪に追われある祠の結界を破ってしまった。そこに封じられ出てきた招き猫(ニャンコ先生)の妖怪に夏目が追われるのは夏目の祖母・レイコの遺品である妖怪との契約書「友人帳」というものに妖怪たちの名前が封じてる為だと聞かされ、妖怪たちに名前を返す日々をおくることになるのだが・・・。


お待ちかねの第6巻です
今回も良いお話ばかりでした~!
短いお話が多いですが、今回は3回分で一話の「タカシの友人」を始め、「夏目観察帳」「レイコ懐古帳」、その他として読みきり短編の学園モノ「まなびやの隅」を収録

相変わらずニャンコ先生、素敵です
半月の形の目も可愛いけど、実はあの線のような爪が好き・・・こんなの私だけか?(爆)

「タカシの友人」では夏目と同じくアヤカシに狙われる小学生・カイが出てきますが、実は○○○だったりする~(内緒・爆)
色んなことがあるけど「寂しさ」というのが一番の心の「毒」なんじゃないかな・・・って、そしてその解毒薬は「信頼」なんじゃないかなって感じましたね

6巻の大半はこの「タカシの友人」が占めますが、私的にお気に入りだったのが「夏目観察帳」。子狐ちゃんがメッチャらぶり~です
寂しいと思ったら、行動する勇気も必要よね
もう小さな冒険がいじらしくて、ちょいウルでした


さてこの「夏目友人帳」ですが、7月からアニメになっているのは皆さんご存知ですよね??
私も拝見しましたが、緑川さんの柔らかで、透き通るような雰囲気がとても良く出ていた感じがしました。やっぱり漫画のアニメ化やドラマ化ってファンがそれぞれにイメージするものがあって、ガックリすることも多いんだけど、今回はきっとこのファンの人が製作に携わっているんじゃないかしら?と勝手に思っているんですが・・・


アニメ化を記念して現在発売中のLala8月号には「ニャンコ先生ストラップ」がついているそうな。そしてWプレゼントではニャンコ先生のぬいぐるみも!!(ただしこちらは送料が1200円かかりますが・・・)
ニャンコ先生ファンの皆様、お買い逃しなく~~!!