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漫画の重みで床が抜けたらどーする?!

すずめ休憩室分室の漫画部屋。
歴史系漫画を中心に適当に好き勝手に語ってみるが、収納場所が目下の悩み。他の漫画も読むよん

花影-千葉佐那の愛-

2010年08月24日 | 漫画家(さ~そ)
「花影」-千葉佐那の愛- 里中満智子

千葉道場の鬼娘と噂されるさな子は女だてらに竹刀を振り、門下生を打ち負かす男顔負けの剣士。
そんな千葉道場にさな子の父を尋ねて一人の男がやって来た。男の名は坂本竜馬。誰よりも剣の強さに惹かれるさな子は竜馬の剣に惹かれ、そして竜馬本人にも惹かれていく・・・


NHK大河ドラマが「龍馬伝」とあって竜馬に待つわる色々が出ていますが、昭和50年に少女フレンドに掲載され、絶版となっていたこの「花影」もその恩恵を受け、再出版されました。

これね~小学生の頃、雑誌で読んだ記憶があったんですよ~
ちょうど竜馬が風呂に入っていて、風呂番をさな子だとは知らず「この家ではまだ糠で体を洗っているのか?一つお前ともう一つさな子さんにあげよう」と石鹸を渡すシーンで子供心に「糠で体って洗えるの?!」っと強烈にインプリンティング。作者が里中さんだと言うくらいしか覚えていなくて、そのタイトルが「花影」だと今回はっきり判ってスッキリしました(笑)


まぁそれはともかく・・・
当時ほとんど知られていなかつたと思われる千葉さな子にスポットを当てるとはさすがです。
今読んでも里中さんの作風そのまま(いつもの「愛とは・・・」)的な表現がさな子とお龍の2人の女性を介して表現され、この頃から一貫した筋みたいのがあった作家さんなんだなーと再認識。

さな子は竜馬から与えられた片袖だけを愛の印として、ずーっと竜馬を愛し続けて、独身を貫くわけですが、作中の「竜馬の愛し方」そして女側からの「愛され方」を思うと考えさせられますね。

肉体的に結ばれるのと、精神的に結ばれるのとどちらから幸せなのか・・・

結婚して毎日傍にいても他人の様に冷めている夫婦もいるし
たった1ヶ月の結婚期間しかなくても戦死した夫を愛し、一人で生きる女性もいる。


この間の北海道新聞に晩年のさな子が当時の足立区役所建設の為、住んでいた土地の立ち退き要請に対し、立ち退き料を請求した文書が見つかったと掲載されていました。
あの時代、女一人で生きていくのに大変だったと思うし、力強く男勝りな字を見ていると、ただ竜馬との思い出だけを胸に過去だけをみて生きていた女性ではないと思えるんですよね。

一方、もう一人の妻、お龍は仲居をしたり、再婚したりとこれまた女として全く別な生き方を選ぶのですが、どちらもなんか共通する強さを感じるのです。

結局、竜馬が愛したのはどちらだっのでしょうね??
ただの女ったらし??
乙女姉さんといい、さな子といい、お龍といい、竜馬の周りには気の強い女性ばかりの感じがするから、そういう女性が好みだったのかな~??

そんな事を考えると歴史って面白いなーって思います。

今回、復刊した「花影」には竜馬、さな子、そしてお龍の生き様を集約した年表やさな子が「竜馬と婚約した」とされる文献なども紹介されていて、お値段はちょっとお高めだけど竜馬ファンを意識した作りとなってます。

ANIMAL X

2009年05月11日 | 漫画家(さ~そ)
「ANIMAL X」 杉本亜未


鮎川裕司は施設に勤務するちょっと気弱な研究員。同僚達からはグスとか情けないと言われているが、上司である田所教授からビタミン剤の治験のアルバイトをして婚約者・恭子との将来の為に備えていた。そんなある日、都内で殺人事件が発生、その犯人とおぼしき少年・浅羽湊が裕司の部屋に逃げ込んできた。太古の恐竜一族・ダイナソーロイドの血を受け継ぐ湊は男性である裕司を「一族のメス」と認識し、裕司を連れて逃亡する。
実は裕司がビタミン剤と思って飲んでいたのは、ダイナソーロイドの力に興味を持った田所教授が開発した人間をダイナソーロイドの雌に変化させる新薬だったのだ!類をみない実験体として、そして数少ない一族のメスとして裕司は双方から追われることとなるが・・・。


現在、徳間書店より一連のシリーズ

「荒神の一族」全4巻
「大地の掟」 全2巻
「原始再来」全10巻 

が刊行されています

出版社の事情により、翻弄されていたこの作品ですが、完結していたんですね~
良かった良かった^^
私は角川書店の雑誌時代に読んでいたんですが、雑誌が廃刊。とっても続きが気になっていたんですが、友達から借りて「原始再来」を完読。

でもネット書店等のカテゴリーを見ると「BL」の分野に入れられているのが多くでビックリすることがあるけど(苦笑)
確かにそういうシーンは多いけど、なんか作者が書きたかったものはそういうトコではない気がするんですよね
私は逆に始めは「恐竜に変身する人間」という「現実にはありえない」設定にSFファンタジーというか、そういうイメージで見ていたんですが、なんか「SF」とか「BL」とかのくくりで入れられない壮大な漫画という感じがしてならない。

同性同士の愛、異民族同士の愛、国や種別、性別すらを超えた大きな愛を感じてしまうというか。

普通の男性だった裕司はへなチョコだったけど、メスとして生きざるをえなくなった時、そして湊を愛し、彼との間に子供が出来て、母(?)となった時、綺麗と感じたのはけしてBL読者ウケを狙ったものではない気がする

守るモノが出来た時、人は強くなる
そしてその強さこと人間が持つ美しさである

それぞれの思惑が交差し、味方も全てを信用できなかった時、粗暴だった湊が相手を思いやれる様になり、気弱だった裕司が芯の強さを持ち、2人がそれぞれに成長していくトコロに本質があるというか、この作品の幹のような気がするんですね

それにしても裕司、綺麗になったわ~
最初の頃と比べて別人だもん

中性的と言うかあんなに綺麗になったら、ムラムラしちゃうわなー
なんつーか色っぽくて、フェロモン出てるし(爆)

作中でも裕司の意思に反して色んな人(?)に強引にヤラれちゃっているけど、
「きゃ~やめてぇ!!可愛そう!!」とは思わずに
ついドキドキワクワク感をもって読んでしまうのは、私だけではないはず(爆)

やはり腐向けなのかのー








女の子の食卓

2008年08月01日 | 漫画家(さ~そ)
「女の子の食卓」 志村志保子

まりは中学1年の時、「サトウさん」という人の暮らしのおばあさんの家に遊びに行っていた。サトウさんは赤の他人だが、たまたまサトウさんの飼い猫を通して知り合ったのだ。家に上がると熱い甘酒を飲んで、TVを見てたわいもない会話をするのが常だったが、ある日サトウさんの家に行くとある事実を聞かさせる、それは・・・。


誰でも口にしたことのある「ある食べ物」を題材に主人公となる各話の女の子達の心情を綴ったオムニバス

今回発売された4巻では

・サトウさん家の甘酒
・葉を取らずに食べる桜餅
・すじとりしたきぬさやえんどう 
・まっ黒こげのパプリカ
・彼に食べさせてもらうアンティーチョーク
・マヤさんの手作りのところてん
・生クリームを入れないカルボナーラ
・正しすぎないタラモサラダ

の9つのお話が収録されています。

なんていうかな~
小学生でもバリバリに働いているOLでも、はたまた家庭に入った主婦でも皆「女の子の気持」って持っているでしょ??
当然、甘い、酸っぱい、しょっぱい、苦い感情もそれぞれに経験している訳で・・・
そんなことを思い起こさせてくれるんですね~

最後に主人公達がモノローグというんでしょうか・・・食べ物を通して、そういう思いを自分の心の中で再確認しているとこがね、ちょっぴり切なくて温かくて心に沁みます

何処にでもある、ありふれた食べ物や飲み物がそんな女の子達の感情や決意をまとい、ちょっぴり味を変える瞬間・・・是非体験してみてください


そんな記憶に残る食べ物や飲み物ってありますか??
私は実はインスタントコーヒーなんですよ

昔むかーしある人とお付き合いしていた頃、帰る前には必ず熱いインスタントのコーヒーを2人で一緒に飲んでいた思い出がちょっとよぎりました。
居眠り運転しないようにって意味もあったんでしょうけど、なんかね、あのテーブルを挟んでコーヒーを一緒に飲んでいる時間がなんとも言えず好きだったなぁ・・・

青春の思い出ってそんなもんなのかもね~(笑)


ファサード 15巻

2008年07月11日 | 漫画家(さ~そ)
「ファサード」15巻 篠原烏童

狼面(フェイスウルフ)、二対(ツイン)、教授(プロフェッサー)、龍(?)のナーク・・・その身のうちに不思議な生き物達を住まわせるファサード。
国を越え、時代を越え、そして次元すらを越え旅するファサードたちは待ち受ける様々な人々と出会う。
ファサードたちは今回は何処へ出没するのか・・・


1年半ぶりの新刊の15巻です
舞台となる場所が、その都度、時代を超えて変わるため、神話をモチーフにしていることが多々あるこの物語ですが、今回の15巻も「現代に伝わっている話には実は・・・」という感じ

でもただの言い伝えをなぞるだけじゃなく、ちょっと捻ってあるのが篠原流。

いつも篠原さんの書く動物の可愛らしさには鼻血が噴出しそうになるんですが、今回もやられました~(笑)
まさか、アメノウズメがヒヨコちゃんだなんて~

そして舌っ足らずのトコがなんとも可愛い

もうふわふわでポワポワです~

こんな可愛いウズメちゃんが一生懸命踊っていたら、そりゃアマテラスじゃなくても、出てくるって(笑)

読んでて和める巻になってます~