田中 賢

ライブ情報、日々の思い、音楽と日常などを記載していきたいと思います。

12月23日(祝) デイセンター・イルカのクリスマス会にてよんでや朗読劇!

2016年12月26日 | 音楽
 これが終わらなければ年の終わりは来ない!朗読サークルよんでやの一員として朗読劇と歌、今年もデイ・センター・イルカさんのクリスマス会に参加した。
 毎年のクリスマスのお話し、今回は「サンタさんの危機!」、風邪をひいてそりを引けなくなったトナカイさんに代わって、そりを引く猫の役をもらった。猫の耳のついたかぶりもの、劇の途中で音楽を入れるのでギターを抱えつつ、セリフの語尾はたいてい「にゃん」なのだ。こんなのは初めてのことだが、以外にはまってしまうのだ。
 脚本をもらい、それを点字に訳して、仕事の合間にイメージ・トレーニング。
 そして、当日の朝、部屋で一人声に出して練習した。ギターで入れる音楽もシュミレーション、場面転換の音楽を入れるために、その直前の言葉をチェックして覚えたり、どのタイミングで音楽を入れていくかを考えたり・・・。こんなかんじかなあ~。
 現地に着いて、楽屋で出演者6人でリハーサル、初めての合わせ、これで何とかうまくいくのだから、みんなすごいものだ。
 クリスマス会も前半が終了、みなさんはランチタイム。それもそろそろおちつこうかという時、いよいよ朗読劇の始まり!
 「猫たん一族、お呼びでにゃんすか。サファイア目の猫の親玉でにゃんす!」
 「もちろんですにゃあ。これまでにお世話になったとなかいさんのお力にならにゃなあと、現れたのでにゃん!」
 などなど、なかなか発音の難易度の高いセリフたち、何とかクリアしつつ、音楽を入れていく。みんな、集中力を絶やすことなく、無事終了!
 劇のあとは、いつも数曲歌う。今回は、「赤鼻のとなかい」、「僕は君の世界一になりたい」、「どうして」を歌った。
 言葉や音ってすごいなあと感じつつ、このサークルに入れてもらって、もう10年近くになることを思いながら、良い出会いに感謝していたりする。
 知的障碍者施設の運営やら職員さんの確保やら、かなりたいへんらしい、というようなお話も聞きつつ、食事をみんなでいただきつつ、ついでにビールもいただきつつ・・・。 ステージではお母さんのピアノ伴奏で、お父さんと、彼にだっこされた娘さんが英語でゴスペルを歌ってる、平和だなあ、幸せだなあと心から感じつつ・・・。そんな午後の一時。
 そこにいてくださったみなさん、ありがとうございました!また来年、クリスマス会で
会えるのを楽しみにしています!

12月21日(水) ウェアハウス、船場のメリークリスマスライブ無事終了!

2016年12月23日 | 音楽
 仕事を終えて、あわただしく本町駅まで急いだ。樫本くんと改札で待ち合わせし、ライブ場所である船場センタービル10号館へ行くことになっていた。演奏開始までにもそんなに時間はない。着いたらすぐに本番だなあと気持を整えつつ。
 しかし、彼は仕事が長引いてしまったということで、ようやく職場を出て、車をとばしているところのようだった。ところが、大渋滞とのこと、結局彼は車を置いて、そこからは電車でやってくることにしたらしい。
 とにかく、現地に向かおうと、16番出口を探して僕は歩きだした。駅員さんに尋ね、歩いている人に尋ね、僕の白杖を見て、優しい見知らぬ人がいっしょに歩いてくれたり、そして、最後にはウェアハウスを聞きに来てくれたお客さんに発見していただき、無事に現地入り!
 彼はその後10分ほどでやって来た。が、何と、彼の家に預けている僕のキーボードを一人で運んできてくれたのだった。車でならまだ分かる。が、よく電車でこれを運んできたものだ!僕は現地にピアノがあるとばかり思っていたので、これにはほんとうにおどろいてしまった。一人で運ぶにはそうとう重いのです、やはり彼の、ひとつのことをやり切るというバイタリティーはすごいのだった!
 ここで、またひとつの問題が起こる。キーボードのシールドを僕も彼も忘れていたのだ。これではスピーカーから音が出せない。いつもはお店で借りてたりするので、すっかり頭になかったのだ。さてどうするか、ここでも樫本くんの頭脳はベストの解答を出したのだ。近くのハードロックカフェでシールドを借りるということで、彼は走っていった。数日前、彼らのバンドはそこでライブをやったばかりだったのだ。
 というわけで、お客さんたちが見守る中のリハーサルとなり、時間もとっくに過ぎていたため、そのまま自然に本番になだれ込んでいった。
 商店街のただなかで、空き店舗のスペースを利用して行われたこのライブ、まさか船場センタービルで洋楽カバーを演奏することになるとは思ってもみなかった。ここで演奏するビリージョエルやエルトンジョンやビートルズはなかなか面白いな、そして、僕はほんとうに落ち着いて、楽しい気分でピアノを弾くことができた。何があっても、きっと何とかなる、完全にはできなくても何とかやってみる、そういう気持ちはライブをやる時には必要なのだ。何が起こるか分からない、そして、僕らは本番を何とか乗り切らなきゃいけないのだ。
 今回はジングルベル・ロックやレット・イット・スノー、ハッピークリスマスなんかもやってみた。やはりこの季節にはしっくりくる。せっかくピアノでの弾き方を思い出したのに、今度これらの曲を弾くのはまた1年後になるのだろう。やれやれ、そして来年もこんなライブできていたらいいなあって思うのだ。
 モニターがなかったので、自分で弾いているピアノの音はぼんやりとしか聞こえなかった。それにわずかなタイムラグもある。鍵盤を押してからほんの少し遅れて音が聞こえてくる。時々、頭がぼーっとして、何を弾いているのやら分からなくなってくる。けれど、やっぱり不思議なくらい落ち着いていて、樫本くんの歯切れのよいMCに笑いながら、大切に音を出すことができた。
 1時間ほどのステージを終えて、彼と握手した時、あー、またひとついっしょに乗り切ることができたんだなあと感じた。
 12月はやたらと忙しくて、仕事上のプレッシャーも多かったし、十分にピアノを触る時間は取れなかった。それにしては、まずまずの表現ができたんじゃないかなと、ほっと一息つきながら地下鉄に揺られて、今日もありがたい時間だったなと思った。
 そこにいてくださったみなさん、いつも応援してくれているみなさん、ほんとうにありがとうございました!
 来年もウェアハウスはいろんな場所で、愛すべきたくさんの歌をカバーしているでしょう!楽しみにしていてください!そして、僕もとても楽しみ!

12月17日(土) たなかまさるソロライブPART5atかつおの遊び場終了!

2016年12月19日 | 音楽
 ボブ・ディランはノーベル賞を取ったが、彼自身にとってそんなことはどうだっていいんだろう。彼は日常的に言葉で遊び、敏感に世界の風をキャッチし、詩を作り、何度も書き直し、曲にして歌い、それも歌う度に形を変えていく・・・、歌を作り歌うことに貪欲な人、別に人が何と言おうが、彼は彼のスタイルを貫くだろうし、だからノーベル賞がもらえたことすら気にもせず、歌のことを考えているんじゃないかなあと僕は想像して楽しい気分に勝手になっている。
 僕はディランみたいに歌を作ることはできない。日常的に言葉遊びをするほどの才能はないし、世界の風をあんなにも敏感にキャッチできる能力もない。ただ、たくさんのことをこの身で経験して、感じたことを歌にしていくことが僕には合っていると思う。経験して初めて歌になる。僕はそれほどに鈍感なのかもしれない。でも、そうやって歌を作ってきた。ディランはあこがれ、しかし、僕はディランにはなれないと分かっている。
 大学を卒業してから数年間、歌を作り歌うことに集中するための時間を取った。今思えばそれだけたっぷりの時間なんて夢のようだ。その過程で、僕は自分自身とゆっくりと向き合うことができた。そして、たくさんの歌はできたけれど、その大半が何か借り物の言葉でできているように感じてしまったのだ。からっぽな時間の中で、あれこれと苦労しながら、言葉をひねり出し、結局からっぽな歌を作っていると感じてしまった。最後には、僕にはたくさんの経験こそが必要なんだと気づくことができた。ただピアノに向かっていれば幸せなのか?ただギターを持って歌っていれば幸せなのか?そういう才能に溢れた人もいるだろう、ディランみたいな。でも、僕は違う。いくら歌いたくても、自分の人生がからっぽならば、歌うことさえ見つけられないヤツなのだ。
 人生は動き出した。それ以来、多忙な毎日を今も過ごしている。たくさんの経験がここにある。そして、僕は今も歌い続けることができている。
 そんな思いでステージに立った。最近突然にやって来てくれた歌がいくつかある。1日で4曲もできたのはいつ以来だろうか。忙しい最中のほんの一時、夢中で歌を形にした。そのうちの1曲をライブの1曲目に歌うつもりでいたのだが、リハーサルをやってみて、すっかり怖気づいてしまったのだ。ここはやはり慣れた歌からということで、「未来の言葉で」からスタート。2曲目に念願の新曲披露!どきどきするけど、うれしいものだ!
 ひとつずつの歌は僕の分身みたいなものだ。作ろうと思ってできた歌はそんなにない。その時々に僕が必要としたからやって来てくれた気がする。だから、みんな僕の命や人生の一部なんだと感じている。とはいうものの、重くなりすぎないように話しながら歌っていく。
 恋愛、夢、欲望、煩悩、葛藤、出会い、仕事で感じたこと、マラソン、そして今年は何といってもアメリカ旅行・・・。いろんなことからインスピレーションを受けてできた歌を聞いてもらえることはやっぱりうれしい。そして、ありがたいのだ!
 これからもおそらく僕は右往左往と動き続けるんだろう。そして、そのめまぐるしい時間の中で、歌を作り、歌い続けていたい。
 ただ今回は、歌詞がふと頭からぬけそうになることが多くて、声や楽器演奏の銚子良さとはうらはらに、内心はほんとうにはらはらの連続だった。練習時間が十分に取れていないことは明らかだ。いつまでこんなライブを続けていられるだろうかと不安にもなってしまう。でも、これが今日の自分の精一杯だなと思えた。だからそれでよい。
 それぞれの人には、その人なりに、天から与えられた能力があるのだと思う。もちろん僕にも与えられた能力がある。それらをすべて使い切って、やがて死んでいきたいと、若いころから考えてきた。そして、その考えは今も変わらない。ただひたすらに精一杯、その時にできることを、やりたいことをやってみる、そうすれば、おのずと進むべき方向が分かってくる。たどり着くべき場所に、いつかはたどり着く。どんなに頑張っても他人にはなれない。僕は僕として進んでいくだけのことだ。
 何だかディランのことを思いながら、アメリカの両親におくった歌を歌う時、やはりハーモニカで「風に吹かれて」を吹いてしまったのだ。お父さんが教えてくれたディランの歌は、僕の深くでいつも流れている。
 そこにいてくださったみなさん、ありがとうございました!心から感謝します!
 さて、次は12月21日、ウェアハウス、23日は朗読サークルよんでやさんとともに朗読劇と続いていきます!

1.未来の言葉で
2.どうして
3.幻のメロン
4.りんご
5.夢がかなう時
6.君のそばで息をしよう
7.嘘は簡単
8.あなたは僕のはじまり
9.幸せのボール
10.なみだがきらり
11.みみず
12.無題
13.サボテン
14.歩く
15.情熱
16.この雨の向こうにあなたがいる

アンコール
17.僕は君の世界一になりたい

12月8日(木) 京都梅津中学校にてHARU歌う!

2016年12月12日 | 音楽
 すぎたじゅんじくんとHARUというアコースティック・ユニットとして京都で活動し始めたのは、もう26年も前になる。大学のアメリカン・フォークソング・クラブで出会った時、彼は僕の視覚障害についてどう思っていたんだろう。何となくユニットを組み、何となく音楽の趣味も合ってて、オリジナルをやってみようという流れもほんとうに自然だったし、ライブハウスやらストリートやら、その活動も自然に広がっていった。「障害があるからいっしょにやってるわけじゃない、いっしょに歌おうと思う人がたまたま目が見えづらいというだけ」なんて彼はいう。
 子供たちに障害者がその障害について語る授業はいくつもあるけど、障害者側と健常者側からの両方向から、どんなふうにいっしょにやってきたかを語るなんて、あんまり聞いたことがない。だから、この企画はなかなか良いと思う。
 中学校1年生150名の前に立ち、いろんな質問も飛び出しつつ、道を歩く時はどんなかんじなのか?買い物は?テレビはみるのか?死ぬまでに行ってみたいところは?恋愛はしますか?声を聞いて何部に入っているかわかるか?バスで席をゆずりたいがどうすればよいのか?絶対音感があるらしいが試してみたい!などなど、みんなピュアな質問をいっぱいしてくれたのだ。
 この企画の打ち合わせの時、僕はその場にやって来た先生たちの声を聞いて、何の科目担当かを当ててみたら、これがよい確率で当たったのだった。で、本番では生徒さんから、さてわたしは何部に入っているでしょうか?っていう質問がきたのかもしれない。声が少しかすれぎみな人だったから「バスケット部かな?」っていうと、その辺りに騒めきが起きた。「前に入っていた」という。じゃあ「バレー部?」ときくと、残念ながら陸上部だった。やれやれ、やはり僕は凡人、カリスマにはなれそうもないな。
 絶対音感を試すべく、ピアノの前に男の子、彼が押した鍵盤はドとミだった。そう答えると彼は驚いて走り去っていった。それにしても、なんて優しい男の子だろうか、もっと複雑な和音だったらどうなったのやら・・・。
 ともかく楽しく時間は過ぎて、演奏タイムとなり、翼はなくても、サボテン、君のそばで息をしよう、僕を救ってくれたのは、を歌った。
 目が見えづらいってことは確かに不便だ。いろんな工夫がいるし、人にも手伝ってもらわなきゃいけないことも多い。できないこともいろいろある。けれど、僕はつらいわけじゃない。悲しくもない。いろんな挑戦をしながら、僕は楽しく生きている。ひょっとしたら、見えている人たちよりも楽しんでいるんじゃないかなあと思える時も多いくらいだ。
 それに、障害があるからといって、だからこそ心がきれい、なんてこともない。みんなと同じで、まっすぐな気持ちもあれば、汚いところだっていっぱいある。目が弱いだけだ。あとはみんなと同じだ。みんなにだってそれぞれに、弱いところはあるはず、だからけっきょくそんなに違わない。そんな感覚が伝わっていたらいいなと思う。難しいことなんかどうでもよくて、ただ、このひとつの小さな出会いが、今後につながっていったらいいな、街で困っていそうな視覚障害者を見かけたら気軽に声をかけてくれたらいいなあ、そう願っている。
 有意義な一時、みなさんありがとうございました!そして、すぎたくんをはじめ、たくさんの大切な出会いにあらためて感謝する!

★2016年たなかまさるソロライブPART5

 今年ももうこんな季節、いろんなことを乗り越えてきた、そして、また新しい始まりの時です!突然にやって来てくれた新しい曲たちも歌います!

日時:2016年12月17日(土)
場所:大阪道頓堀、表現者バー「かつおの遊び場」
http://catooo.iinaa.net/
オープン:18時30分
スタート:19時00分
チャージ:1500円(1ドリンク付き)
出演:たなかまさる

かつおの遊び場
大阪市中央区宗 右衛門町4-5
宗右衛門町センタービル2F

 まだまだご予約お待ちしていまーす!