終わりなき旅~青年海外協力隊への道~

☆青年海外協力隊への挑戦日記☆
平成20年度1次隊でフィリピンに派遣されてます
職種は獣医・衛生です

Dinagyang!

2009-01-30 18:15:07 | フィリピンライフ
先週末、行ってきました

ディナギャンに!


ディナギャンに!!


ディナギャンに!!!!


えっ?ディナギャンってなにかって??

お祭りでぇーす

↑同期のしぶやさん

ダンスフェスティバルです


すっげぇ良かったのですが

すっげぇ感動したのですが

身震いして、涙が出そうになったのですが

なんと


なんと!!


ハイライトの日にカメラを同期の家に忘れてしまい

写真とれませんでした~ えへっ
だから、みんな、写真おくれ。

前日のしょぼいダンスの写真ならあるけど・・・


このゆるいダンスフェスタの方に

来年JOCVで出ようぜ、って同期と言ってました。

ねぇねぇ、まじで出ませんか?

踊る阿呆に見る阿呆。同じアホなら踊りゃなそんそん

って言いますし。


で、ディナギャンは日曜で終わったのですが

もう一泊して

同期の活動先を見学してきました。

「こちらでーす」

同期のえりか氏。

彼女の職業はソーシャルワーカー。
こちらの学校で、障害を持った人の就労支援をしています。

午前中は、もうすぐフィリピン内の障害者スポーツオリンピック(というのか?)ということで
彼女が担当しているボーリング競技に出場する生徒さんの練習へ。

ってか、みんな、めちゃくちゃうまいし。

このボーリング場、ピンの後ろに人がいて、倒れたピンを立ててくれます。
たまに信じられないことがおこります。
でもいいのです。
わたし、普通にプレーして遊ばせてもらいました

練習が終わったら、学校に戻っておしゃべり


で、午後は、パンデサル(フィリピンローカルのパン)作り。

こうやって社会に出る前に、学校でトレーニングするんだとか。
でもね、みんな、超プロってました。

手際いいんだよね。
わたしも一緒になってやらせてもらったんだけど
難しいんだよー!!

丸めて、端っこちょっと細くするのがさ。
何度も生徒さんからだめだしされちゃいました・・・
みんなすごいよ。
わたしに作り方教えることだってできるし
障害を持ってるなんて思えない。

お祭り中に、彼女の生徒さんにヘナをやってもらったんだけど

これまた上手で。
ほんとみんな器用で、普通に働けるよ、って感じ。

でも、ほっておくと、粉を量る時に「ちょっと多め」にしたり
ちょっと自分オリジナルにしてしまう生徒さんもいるらしく
そういう癖のある人には、こういう風にそばについて

ちゃんとレシピ通り、教えられた通り作らなきゃだめなんだよ
ってことを教えなければならないんだそうです。
なるほどな、と思いました。
ほんと、一人一人のことをしっかり見てるんですよー。
「ソーシャルワーカー」って職種の人に初めて会ったわけだけど
少しだけ彼女の仕事がわかったような。
ほんの少しだけだけどね。

ちなみに左端の人が、彼女のカウンターパートの先生なわけだけど

超超超元気な人でした。
見学中もいろいろ説明してくれたり
えりかに話したことを、わざわざタガログ語に直して話してくれたりする
気遣いさんなんだけど
あまりにも素晴らしすぎるテンションで
お調子者風味な人で
毎日一緒にいると、たまにむかつくこともあるそうです(笑
でも、あんなテンションの若い男性は、うちの職場にはいないので
わたしはとても楽しかったけどね。

わたしとは全然違う職業だし
わからないことも多い・・・ってか
わからないことばっかりなんだけど
えりかがこれからやろうと思ってることなんかを聞いたりして
ちょいと刺激もらって帰りました。
3日間、お世話になりました。

同期の任地めぐりも今年の目標にランクイン

**蛇足**

えりかの学校に貼ってあった

食事のマナーのポスター

2番目に

女性のエスコートをしなさい、と書いてあるあたりが
素晴らしいと思いました。
日本ではありえない。
NTCで同じ班だった帰国子女の子が「レディーファースト」を訴えてましたが
今になって、彼女の気持ちがようやくわかるようになってきました。
レディーファーストって素晴らしいですね。

死神

2009-01-28 00:01:24 | ホームステイ
さっきまでテレビで「ジョーブラックによろしく」をやってました。
途中から見始めたInayに「どんな話なの?」と聞かれたので説明したんだけど
どうしても「死神」が通じないの。
「だから彼がGod of deathでさー」というと

???

そうです。
わたしたちがよくもめるとこ。
キリスト教は一神教。
死神にGod使っちゃだめなのかね、やっぱり・・・

「だから彼がDeathでー」(←映画の中でもDeathを使ってた)

???

Deathというと、普通名詞の「死」としてしかとらえてくれない。

もうお手上げ。
たぶんフィリピンには死神はいないんだね、ってことに。
たしかにこの陽気なフィリピンに死神は似合わない。
その割には「Ghost」とか「Spirit」を信じるか、って話題にはなるんだけど。

さっきウィキペディアを見てみたら、やっぱりキリスト教には死神の存在はないらしい。
死をつかさどるのは天使である、と。
死神の代わりは「悪魔」だと言うけれど
あの映画の中のブラピは、悪魔ってのとはちょっと違うしなぁ。
わかってもらえないだろうなぁ。
死神、他には「Grim Reaper」という言い方もあるらしい。
これならわかってもらえるかな?
明日か来週か、また続きがあるんだよね。
Grim Reaperで「死神説明」再挑戦。

うちのボスはアホです

2009-01-21 20:22:08 | フィリピンでのお仕事★カラワン
「パソコンのアドレスを教えて」
年末にボスからそんなメッセージが入った。
パソコンにメールってめずらしい。
なにか大切な資料なのかな、と思った。
ところがいくら待てども送られてこない。
「メール来ないんだけど」と言うと
「写真をみんなに送ったんだけど、Aoiのだけ何回送っても戻ってくるんだ」とボス。

今週のミーティングで、メールの間違い箇所を発見。
訂正しといた。
そしたら本日、ボスからメールがやってきた。
2000KB以上のファイルが添付されて。
きっと短期隊員さんとかとの写真なんだろなと、ちょっとワクワク。
でもメールのタイトルがちょっと解せない・・・

「Hangover finalists 2008」

はんぐお~ば~ふぁいなりすつ???????



開いてみると



よっぱらいの写真が



死ぬほど



添付 ↑Winnerらしい・・・

誰かからまわりまわってきたものらしいけど

うちのボス、ほんとにアホだと思いました。
笑いました。

こんなんだからさ
「どうして南ルソンにいるの。あなた、北ルソンに行くべきよ」
なんて、セントラルオフィスのラボスタッフがわたしにコソコソ言ってくるんだよ(笑
まっ、それは別の理由なんだろうけど・・・
ちょっとお下品すぎるのも送られてきて
お下品なやつも見てみたいって人はこちらをクリック↓
でもここには2007年って書いてるんだよねー・・・?
飲みすぎるなっていういましめですねきっと

ごみは宝となりうるか

2009-01-21 00:26:32 | フィリピンでのお仕事★カラワン
昨日、ミーティングが終わってから、セントラルオフィスのラボを見せてもらった。
このセントラルのオフィスは、転々と変わり続けたわたしの要請の2番目にあたる活動先でもある。
見学させてもらった理由は、細菌検査をするにあたって、培地の入手先とか大体のお値段、それからどんな検査をどんなやり方で行っているのかを知るため。

帰りのバスの中で、一緒に見学した先輩から一言

「O林さん(←別の先輩)とも言ってたんだけど、よかったね。あのラボに配属されなくって」

ラボの機械、とてもきれいで、充実してて、すごくうらやましかった。
でもきれいなのは使ってないからきれいなんだろな、って感じ。
すげぇ暇そう。
確かにここに配属されてたら、やることなくって死んでたかも
宝のもちぐされ
そんな言葉が似合うラボ。

細菌検査には、なんとペトリフィルムを使ってた。
こんなやつなんですが

これね、うちの工場のラボでも、スターバックス出荷用の牛乳の検査に使ってるんだけど
お一つ180ペソなり。
1袋180ペソではありませんよ~
1フィルム180ペソなの!
たっかいの
しかもこの写真のフィルムだったら大腸菌しか検出しないの。
他の菌を検出させたかったら、また違うフィルムを使わないといけないのです。
金がかかってしょうがない。
だからうちの工場長は自分で買わない。
スターバックスに牛乳を売っている「ミルクジョイ」っていう会社に買わせてる。
スターバックス用の検査をしているスタッフに「なんでミルクジョイが買ってるんだ?」と聞くと
「ボスが買いたくないって言ってるから仕方ない」と答えてた。
高すぎるからねー、これ。
検査をすることを求めているミルクジョイが買え、という理論らしい。
もちろん生乳なんかには使わない。
出荷する直前、最終検査に1週間に1度、抜き打ちで使うだけ。

でも、どうしてこのセントラルオフィスでこんな高いものを使うんだろう?
日本でもこんないいもの使ってるとこ少ないんじゃない?
もっと安い方法あるでしょ。
そしたらさ「検査、ほんの少ししかやらないから、こっちの方が安上がり」だって。

ほんっと検査しないんですね、あなたたち・・・
ほとんど検査しないから高い検査キットを使えるのか
検査キットが高いから、あんまり検査できないのか・・・
本音はどっち??

「それにこっちの方が鑑別簡単だし、手間かからなくて効率的」

この考えって、日本の大きなラボラトリーの考えに似てる。
「効率のこと考えると、多少金かかってもいい」
社会人になった時、軽くカルチャーショックを覚えたこの考え。
大学の研究室、貧乏だったからね。
でもまさか、フィリピンでこんなこと言われるなんて。
ってかお前たちが言うなよ

こんなもの買えない、という目でみるボス。
「もっと安い方法があるんだって」と言いながらカタログをめくるわたしを
哀れむような目でみる、セントラルラボのスタッフ
「血液寒天培地だったらもっと安いはず。それにこれなら一度にいろんな細菌が生えるでしょ?」と言うと、わたしを見る目がもっとかわいそうなものを見る目に。
そして、「それならあるけど」と言って、棚から取り出してきたのは

期限切れの血液寒天培地。
期限切れのマッコンキーもあったよ。
なんと

2005年にきれてるんだよ、わーお
ペトリフィルム使い始めて、こちらは全く使わなくなってしまったんだろう。
それを見て、うちのボスは
「それでやってみなよ。どうせそいつはゴミになるだけだ!!」
その言葉で、さらにさらにラボのスタッフの目に哀れみが増してくる。
結局そのゴミいただいて帰ってきました。
「宝のもちぐされ」なラボから、ほんとに腐った(腐りかけ?)のものをもらってしまった。

「これを使って有益な結果を出してみろ。そしたら工場長がきっと新しいものを買ってくれる。だろ!?」

試されてるのかな、と思った。
ボスだって、お金かけてまでこんな検査をやる意義があるのかとまだ疑ってる。
これでボスの興味をひきつけるような結果を出したら、いくらでも協力してくれる思う。

でも、うまくいかなかったら・・・

たぶんわたしの活動の中で細菌検査はやらせてもらえないだろうな。
この、使用期限4年過ぎた培地で、どんな結果を出すことができるか。
「未開封だから大丈夫大丈夫」ってボスも先輩も言うけれど。
不安なのはわたしとセントラルのラボスタッフだけってか。
でも、一か八か、やってみるしかない。
「ごみ」と呼ばれたこの培地で。

さーて、明日から博打実験の準備開始なり。

スペインって素敵

2009-01-20 00:19:38 | フィリピン・マニラ生活
本日は配属先の人とランチを食べに行ったので、すごくおなかいっぱい
夜ごはんはいらないな、って思ってたのに
「スペイン料理食べに行かない?」の先輩の一言につられて
今日も外食してしまった。

こちらがそのお店。

先輩も初めて来たらしいんだけど、そこがさ、大当たり~
2人で3品食べたんだけど、どれもはずれなし。超うまいの。

パエリア、超絶品。


なかなか素敵な店構えのお店で、一応ドレスコードもあったりしますが
(まっ、サンダル禁止くらいだけど)

かと言ってフォーマルすぎず
店員さんもとても気さくで、冗談言い合える感じ。
「バター超うめーよ、どこで買ってるの?」なんて聞いてたら
バターにグリッシーニ、もう1つずつ出してきてくれたりして。

ステキなおじさま達の生演奏つき。

しかもこの日はお客さんも素敵で
生演奏に合わせて歌い始める女性が現れる。
これまたとてもうまくて、そこにいたお客さん全員で拍手拍手
生演奏してたおじさまの1人が「リクエストどうぞ」なんて日本語で話してたくらいだから
日本人のお客さんもけっこうくるんだろう。
実際この日も3-4グループはいてた。

3品+赤ワインハーフボトルで1人850ペソ。
安くはないけど、これだけうまかったらわたしは全然OK。
次は生ハム(←超高かった)やらにも挑戦しようね、と先輩と約束。
フィリピンの大好きうまい店、ベスト5には絶対ランクイン。

作ってんのはフィリピン人じゃないな、と思ったら
「スペイン人シェフが1人いるけど、パエリアはフィリピン人シェフが作ってるのよ」とのこと。
フィリピン人、まじ見直したぜ。
次は同期のみんなで来たいなぁ

非常にうれしい

2009-01-19 20:39:10 | フィリピンライフ
最近フィリピンはめっきり寒くなり
水シャワーはほんとにつらい。
先日、先輩の家に泊まりに行った時
お湯を3杯もバケツに入れてもらったのに
出てきたとき、歯をがたがた言わせてしまった。

そんな先輩が、こんなものをとうとう購入。

水にジャポンと漬けると、5-10分でお湯が沸くというすぐれもの、らしい。
お値段約350ペソ。
最近の寒さにフィリピン人もまいってるらしく
マカティでは売り切れだったというこの品。
本日ミーティング終わりにSMメガモールに立ち寄ると
なんとまだまだいっぱいあったのです。
先輩大喜び。

わたしも活動上、先輩のうちにはよく泊まらせてもらってるので
実はすんげぇうれしかったり。
歯ぁ食いしばっての水浴びって「The・協力隊」って感じだけど
もう無理して老体に鞭うたなくてもいいよね・・・
わ~い、次からお湯浴びだぁ

今日もマニラを満喫した

2009-01-18 23:30:32 | フィリピン・マニラ生活
明日、NDAでミーティング。
2月の初めにミーティングやるから、今月はなしってつい数日前まで言ってたのに
それを聞いてなかった先輩が「やるぞー」って言い始めたとか。
ミーティングミーティングミーティング・・・
2週間後にまたミーティング。
正直多すぎミーティング。
この前会ったばっかだし、先月は顕微鏡壊れてたしで、レポートすることないし。
ま、レポートは先輩にまかせよ。
いっつもわたしばっかやってるし、たまにはいいよね。
わたしは明日、セントラルのラボを見せてもらえればいいや。
細菌培養について、ラボの人にアドバイスをもらいたい。

そんなわけで今日はマニラに上がってきてて
マニラ満喫しておりました。
昼にちらし寿司とビール頂いて
もうすぐ誕生日のホストマザーその他のギフトを選んで。
最近すこし余裕がでてきたせいか、こういうプレゼントを選んでる時間が楽しい。
何がいいかなーってその人を思ってる時間がすごくいい。
でも、どうしても見つからないものがあって。
いったいあいつはどこに売ってるんだろ・・・

夜は先輩と中華食べて、そのあとお風呂に入りに行く。
マニラには湯船につかれる場所がある。
初めて行ったけどジャグジーにサウナ、それにマッサージ。
今日のマッサージの担当の人は大当たりで、すごくうまかった。
最高だった。
やっぱりフィリピン、楽だなぁ

巡回で気づいたこと -その2-

2009-01-17 22:17:20 | フィリピンでのお仕事★カラワン
でも、考えさせられることも多かった巡回。
それはデータのフィードバックのやり方。

St. Franciscoのテクニカルミーティングにて。
テクニカルミーティングは、その組合に属する農家さん全員を集めて行われる、月一のミーティング。
先輩隊員さんが行っている。

わたしはこの日、みんなの前でデータをフィードバックすべきかどうか迷っていた。
他の農家さんの結果や、その中の自分の位置を確認することで
競争心を生むというのも一つの方法かもしれないけど
それが果して効果的な方法なのか?
まずはデータを基に、1軒ずつ農場や搾乳を見せてもらって
データとともに、ここを改善してみたら、という1人ずつアドバイスを渡してみようかな、と思ってた。
でもこの日自分の結果を聞くのを楽しみにしている人もいるかもしれない。
聞かれたら、聞いてきた人にだけその人の結果を教えよう、と
自分の手帳にこっそり書き写して持って行った。
ところが、ミーティングが始まるやいなや

「で、結果は?誰が一番悪かったの?」
「誰よ、誰なのよ」

・・・

なに、この雰囲気

意外にもみんな結果を気にしてくれたわけだけど
自分の結果が前回からどう変わったかではなく、誰が悪いのかを知りたいらしい。

ま、ね。わからないこともない。
農家ごとに乳価を決める日本と違って
フィリピンでは組合ごとに乳価が決まる。
誰かが悪いと、乳価が下がる。
だから乳質の悪い人は嫌がられるだろう。

でも、今のところ、体細胞や細菌数は乳価には関係ないし。
だったらみんなで頑張って乳質をあげよう、という考えはないんだろうか。
このつるしあげのような雰囲気。
なんだこれ。

結局ひとりずつデータをフィードバックしたものの
成績の悪かった農家さんはまるわかりに。
今回ワースト1はウィリーさん。
彼は前回ベスト1だった。

ウィリーさんところは2頭しか搾乳していない。
そのうちの1頭、もしくは2頭ともが乳房炎になってしまったんだろう。
彼は他の農家さんの牛の搾乳も行っている。
他の農家さんの牛が伝染性の乳房炎を持ってたとしたら
容易に自分のとこの牛も乳房炎になってしまうリスクをもっている。

協同の搾乳場を使っているこの組合。
そして細菌検査ができない(しない?)このフィリピン。
1頭乳房炎になると、全頭乳房炎になるリスクをもっている。
これがこの組合の問題点。
だから、乳房炎は1人の問題ではなく、全員の問題点なのだ。
でもそれをみんな、わかってるのかわかってないのか?
まるで1人が悪いかのような雰囲気になってしまってる。
まず、この意識改革がこの組合には必要かも。
それからやっぱり、細菌検査を立ち上げよう。
せめて黄色ブドウ球菌くらいは同定できるように。

でも、良かったことは
意外とみんな結果を楽しみにしていること。
一人ひとり説明してる時も「で、うちはどうだったのよ」と早く結果を聞きたがる人も。
特に前回結果の悪かった人、今回みんな改善してくれてて
それを褒めるとみんな嬉しそう。
「こんなことをしたんだ」と説明してくれるおじさんもいた。
「ここの人は素直だからね。言ったことはやるんだ」と先輩。
そして「こうやって褒めて伸ばすようにしていきたいね」って。

それにしてもウィリーさんが気になる。
ミーティングが始まる前は「さむ~い」と言って寄り添ってくれてたのに
ミーティングが終わるころには、みんなの話に加わることもなく、ちょっと離れたところにいたりして。
「ウィリーさん、難しい話になるといつもあんなだから気にしないで」っと先輩。
とはいえ、「やっぱり結果は気にしてるとは思うよー」と。
ま、そりゃそうだよね。
でも気にしてるということは、きっと今後言ったことはできる限り頑張って取り組んでくれるはず。
「これでいいんだよー」と開きなおる人は無理だけど
ちょっと落ちこんでくれるくらいの人なら、一緒にがんばれる。
で、次は笑顔を見せてもらえるように、わたし全力でがんばる。

ということで、しばらくこの人、ターゲットにしちゃおっかなぁ
うまくいくかわかんないけどね。

巡回で気づいたこと -その1-

2009-01-15 23:39:31 | フィリピンでのお仕事★カラワン
大学時代、先生が言ってました。
獣医師には2つの役目がある、と。

動物の健康を守ること
それから、人間の健康を守ること。

動物の病気を治したり、予防することで、動物を守る。
それから、動物の病気の中でも人にうつる病気-人畜共通伝染病を防いだり
安全な畜産物を提供することで、人間を守る。

だから獣医師の仕事は多岐にわたっていて
動物病院で犬猫の治療をしてる人もいれば
牛等の大動物を見ている獣医もいる。
保健所に勤めてる人もいれば
食肉検査場でお肉を検査している獣医もいる。

で、わたしのフィリピンでのお仕事は
「乳房炎の予防啓蒙活動、乳質改善指導」。
乳房炎って牛の病気だから、動物の健康を守ることなんだろうけど
安全な食品を人に提供するという意味では、人の健康を守るって意味も含まれるんだろう。
そして医療行為をしていない身としては
わたしのJOCVとしての職種、「獣医・衛生」の
「衛生」ってところにかなり重点を置いた活動だと思ってます。

ところで乳房炎って何かと申しますと

乳房炎 ― 牛の乳房がバイ菌に感染することによっておこる病気
     
平たく言うとそんな感じ。
要は乳房の中に細菌が入りこまなければ起こらない病気。
クリーンな環境を作り、正しい搾乳をすれば、
乳房炎にかかるリスクは各段に下がるのです。

ちなみに乳房炎になっちゃうと、牛乳の量が減っちゃうから農家さんにとっても損。
牛乳の中に細菌や白血球がたくさん混ざっちゃって、質も落ちるから牛乳工場にとっても損。
もちろんそんな牛乳、消費者も飲みたくないでしょ?だから消費者にとっても損。
みんなにとって損になる病気。

だからわたしはみんながどんなところで、どんな搾乳をしてるのかを知るべく
今回巡回に出かけたのです。
これ、日本でも同じね。
もし、体細胞(牛乳の中の白血球)が高い農家さんがいたら
NOSAIの獣医さんや、家畜保健所の獣医さんや普及員の人たちとチームを組んで
搾乳現場をチェックしに行くわけです。
わたしはチームなんて組める人いないから、NDAの人とチェック。
ま、結局NDAは他の仕事があったから、チェックしてたのはわたしだけだけど。

ちなみに正しい搾乳手順は以下の通り。
1.まず手袋をつける
  いくらきれいに見える手でも、バイ菌がいっぱい。
  特に手のしわ。
2.すべての乳頭(要は乳首)から前搾り
  前搾りとは、ユニット(搾乳機械)をつける前に手で搾ること。
  これにより、あらかたの細菌を排出させることができる。
  また、これが刺激となって、オキシトシンという乳腺を収縮させるホルモンがでるのです。
  そして牛乳の異常を発見するため。
3.乳頭を殺菌
  消毒液を浸したタオルをしっかり絞って、乳頭、乳頭口(牛乳が出る穴)をきれいに拭く。
  タオルは1頭につき1枚が理想。
  なぜなら他の牛が乳房炎にかかってた場合、そのタオルを介して他の牛に伝染してしまう可能性があるから。
  また、乳房は拭かない。
  なぜならユニットをつけるのは乳頭のみだから。
  乳房を洗ったりしてもだめ。
  乳房から乳頭に水がしたたりおちることで、ライナースリップ(搾乳の機械が滑る)が起こり、乳頭を傷つける。
  またしたたり落ちる水の中には、きっとバイ菌いっぱい。
  乳頭のみ!!これキーワード。
4.乳頭を乾かす
  乾いたタオルで濡れた乳頭を拭く。
5.ユニットを正しく装着
  前搾りから60-90秒後に装着。
  これはオキシトシン分泌のメカニズムによる科学的根拠に基づく数字。
6.ユニットを正しくはずす。
  ひっぱがして乳頭を傷つけないように
7.ディッピング
  消毒液を乳頭につけてあげる。
  これで搾乳中開いた乳頭口への新たな細菌の侵入を防ぐ。
  ディッピングは搾乳後すぐにしてあげること!
  じゃないと、乳頭口は時間が経つとともにまた閉まっていっちゃうから。

単純に見える搾乳も、いろんな根拠があるのです。
ま、わたしえらそうに言える立場じゃないんですけど、
ここ、フィリピンではたまにえらそうに言わなきゃいけない場合もあるのです。

で、今回搾乳を見たのは、バタンガス州とケソン州にある、St. Francis、Salba、Palconという3つの組合に属する5件の農家さん。
そのうち2件はほとんど搾乳が終わってしまったところで行ったので
じっくり見れたのは3件のみ。
でも、少しの間でいろんな改善点を発見できた。

多かったのは
手袋をしないとか
前搾りがないとか
ユニットをつける時間が長すぎたり短すぎたりとか
ディッピング液が薄すぎとか
ディッピングをする時としない時があるとか
してても遅すぎるとか。

一番ひどかったのは、最近できた大規模農場。
ここは16台もミルカーがある。
牛の数も多い。
だから手間をかけられないのはわかるんだけど

・8-16頭の牛の乳房を一気にホースで洗い流し
・それを拭かずにユニット装着
・牛乳もうでてないのに、ずっとつけてる(過搾乳)
しかも出てない状態で5-10分。
 これも乳頭を痛める原因の一つ。
・おまけにそのあとマシンストリッピング
 (ミルカーをぎゅうぎゅう手で押さえつけて、さらに牛乳を出す手法。
  絶対やっちゃだめ)

誰が教えたのかしらないけど、正しい搾乳を知らないんだろう。
そして3人で16頭の搾乳を一気に行ってる。
1人に対して搾乳する牛が多すぎなんだと思う。
目が行き届いてない。
あと、ユニットがよく落ちてた。
牛が動いてもないのに。
ミルカーの点検が必要。
さらに搾乳中の牛の前で棒を振り回すんだよね。
牛がびびっちゃっててほんとかわいそう。
びっくりするとアドレナリンが出ちゃって、オキシトシンの分泌弱くなるのに。
従業員雇って、たくさんの牛をかってるから、牛を大切に思う気持ちが足りないんだと思う。
家族みんなで、1頭2頭の牛を大切にしている農家さんとは全然違った。

ま、この農家だけじゃなく、どこもつっこみどころ満載だったんだけど。

巡回中、見学できたのは数軒だったけど、いっぱい気づくことがあった。
抗生物質を買うお金がないなら、あとは予防に力を入れるしかない。
正しい搾乳方法を教えて、何ができるかを農家さんと話し合って決めていく。
それが次のステップ。

巡回からただいまです。

2009-01-15 23:03:20 | フィリピンでのお仕事★カラワン
2泊3日の巡回から帰って参りました。
わたしの目的とNDA側の目的が違うから
わたしは良くてもNDA側にはずいぶんと負担がかかってしまったのではないかなー。
NDAはTBテストとテクニカルミーティング参加のための巡回。
でも、わたしは農場・特に搾乳現場を見たかった。
そのため毎日早朝4時とか5時起床になってしまい
早起きのフィリピン人とは言え、50過ぎたおじさま・おばさまを付き合わせてると
さすがに申し訳なかったです。

真っ暗なうちから見学して

ココナッツ畑で夜明けを迎える。

組合には来たことあったけど
農家さんの家に行くのは初めてで、新鮮でした。
Palconという組合のあるSariayaって
とてもきれいなところだったんだってことに初めて気づきました。

ね、きれいでしょ?
牛と緑とココナッツとバナナ。すてき。
こんなきれいなところで毎日農家さんとお話してる先輩隊員さん。
ちょっとうらやましい。

↑自転車に乗ってるのは先輩隊員さん。
ここ、自転車で疾走したら気持ちいいだろなぁ

で、NDAのお仕事もお手伝いして。
久しぶりに採血したりして。
やっぱフィールドの方が何倍も、何十倍も楽しい。

そして、この風景。

仕事が終わったあと、コーヒーごちそうになりながら、そこの農家さんとお話してる、この風景。
これ、日本と全く一緒だな。
ちょっと懐かしい。

ちなみにこの変な顔してるのがNDAのボス。


しかし、この2日間、寒かった~
上着がなきゃやってられませんでした。
ボス曰く「今年は異常気象だ」って。
去年はそこまで寒くなかったそう。
これからもっと寒くなるって。
フィリピン、あなどれない。
今度もっとあったかそうな服を買おっと。

ま、楽しいだけでなく、ほんとに得るものも多かったんですわ。
いい巡回になりました。