忖度

 阪神大震災頃の朝のラジオに「榎さんのおはようさん」という榎本勝起氏がパーソナリテーをつとめる番組があり毎朝楽しみで聴いていた。古今東西の、いろんな格言が取り上げられたり、心温まる逸話などが早朝の清新な頭脳に浸透して気分良い一日のスタートを切った思い出がある。
そこで忖度についてその意味を知ったのが初めてだった。
　日本人の奥ゆかしさが滲み出る良い行為だと感心した記憶がある。その言葉が安倍首相のもりかけ問題で汚らしい言葉に染まってしまい残念でならない。本来の忖度とは自分自身への見返りを期待しない純粋な心遣いであるはずだが、いつの間にか下心を持って気に入られようとする行為（ゴマスリ）にすり替わってしまったようだ。
　日本古来の伝統的なさりげない思いやりの心が、マスコミの曲解によってイメージを悪くしてしまった事に残念でならない。マスコミはその意味を良く調べて使ってもらいたいものだ。