Truth Diary

百歳で電柱に

 先週上寿(じょうじゅ)百歳の長寿を祝う会に出席した、その主役は会社の大先輩である。

 私が入社して一年足らずで、当時55歳の定年を迎え退職された。以来、現在もまだ現役で

仕事をされていると聞いていた。とにかくマメに動き、歩く仕事で、長年電気の検針員をしつづけた。何ひとつとして無駄のない、痩身は若々しく、膚艶がすこぶるつややか。何十年もの間会社から支給された作業服を大事に着続け、すごく似合っている。いつも穏かで笑顔を絶やさず気さくな人柄、楽しみは長年続くパチンコとのこと。

 司会者から紹介され、一段と高いステージに用意された席に、皆の心配をよそに、スタスタと階段をふんで席についた時、全員の視線がクギ付け、そして「おおっ」と驚きのどよめきが沸き起こった。驚きはそれば明かりでなかった。主催者から祝辞をもらい、そのインタビューで、まだ現役で仕事を続けているそうですがとの、問いかけに、あっけらかんと「午前中電柱2ヶ所に登り、切れた電球を取替えてきた、あと5年は頑張りますのでよろしく」との話に、会場全員が唖然となり、類まれな健康体と仕事をし続けるパワーに励ましの大拍手がおきた。

 皆の祝福を受けたあと、余興のカラオケの歌に合わせて、お祝いに駆けつけた女性社員とダンスのパフォーマンス、じつにほほえましい百歳のダンスだった。若い女性は長寿にあやかり、百歳の翁は若さのエキスを更に補充したので、簡単に130歳を超えるのではないかと本気で思ってしまった、是非元気な、今の生活のままで記録を更新して欲しいものである。

 よく言われることだが、身体と頭を使い、世の中の役に立っている、併せて楽しみを持つことが健康で長寿の秘訣なのだろう、類まれな”丈夫で長生き”の超人を、先輩と仰げることに誇りを感じ、いただいた紅白の餅と祝いの手ぬぐいを手に、心うれしく家路についた。

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