たまおの星便り-星海原の航海日誌。  

日毎夜毎、船橋から房総九十九里へと繰り出し、星空を駆け巡る観測日誌。

・2022/11/22、27 夜明け前の空に乱舞する闇の飛翔体。

2022-12-08 | たまおの星便り

 11月下旬から始まる新月期の夜空は2日間しかまともに晴れなかった。軟弱な西高東低の気圧配置に冷たい北東風が流れ込み「房総前線」がしつこく居座っていた。
 22日、27日ともに気温は7℃前後、雲は遠く離れていたものの、とくに22日は深い霧が立ち込めていた。9月に変えた車にはフォグライトが装備されており、その黄色いライトはかなりの濃い霧道でも道路をはっきりと照らし出してくれた。
 観測地では地上低く垂れこめる夜霧を避けて高さ5メートル程度の砂丘の頂上近くに機材をセットした。午前3時過ぎにはオリオン座、おおいぬ座などの冬の星座は大きく西に傾き、東の太平洋からはしし座、うみへび座などの春の星座が頭を上げて昇り始めている。そうした星座を縫うように肉眼では見えないほうき星たちがひっそりと動いている。シューメーカーレヴィ第4彗星(118P)、ヴィルト第2彗星(81P)、アトラス彗星(C/2019 L3)、そして北斗七星のひしゃくの先にあるZTF彗星(C/2020 V2)を写野に収める(画像上左)。
 その後、東天の星域を薄明開始まで撮影を続けたが、最近、そうした画像
を後で精査すると写野を横切る暗い衛星の光跡の多さに気づく。上の右の画像には11月22日の午前4時過ぎのわずか40秒の露出の間に1度×2度平方の写野に3個もの光跡が写っている。特にここ1、2年の間に6~9等級の衛星の光跡が格段に増えてきた。確証はないが高度数百キロの地球上空を縦横無尽に周回、飛翔する何千ものスターリンク衛星が放つ微かな光が正体の一つかもしれない。
 電源は移動観測のキモ、ということで撮影に常用しているSPDX赤道儀の12V駆動バッテリーを最近入れ替えた。これまでは普通車に載せている車用の12Vを使っていた。満充電であれば連続5日くらいは電圧低下もなく使用できた。だが備品を含めると約10キロの重さがあって毎回、海岸に運び込むのが一苦労だった。そのバッテリーが劣化したのを機に安価で軽くて小型のバイク用バッテリーに変えた(画像下)。もちろん小型サイズなので電気容量も小さく、12V約5Wで駆動する赤道儀は計算上は約7時間、観測2日で電圧が低下して動かなくなる。そこでバイク用バッテリー2台を併用することにした。
それでもバッテリーを覆う断熱材や備品あわせて
約3.6キロと軽く、持ち運びがグンと楽になった。

 

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