たまおの星便り-星海原の航海日誌。  

日毎夜毎、船橋から房総九十九里へと繰り出し、星空を駆け巡る観測日誌。

・2022/1/2~1/15 静かなしぶんぎ座流星群と未明の彗星たち。

2022-01-20 | たまおの星便り

 2022年は年初から新月期に入った。大晦日から元旦にかけても快晴夜となったが自宅で過ごした。例年、九十九里の海岸は初日の出を見に来る人の波で朝まで車の明かりが絶えず、到底落ち着いて星を見ることはできないからだ。
 それもあって初星見は1/2の未明になった。強い冬型の気圧配置のために黒い雪雲が時折通り過ぎていった。海岸では珍しくマイナス4℃まで気温が下がった。初日の出の見物人は2組くらいしかいなかった。
 1月初めは一年のうちで日の出が最も遅く、午前5時20分くらいにやっと薄明が始まる。1/4の未明は絶好の条件のしぶんぎ座流星群を見るために午前2時前から早くもスタンバイした。ポータブル赤道儀のSkymemo-sに14㎜F2.8超広角レンズ付の一眼デジカメを載せて放射点のあるうしかい座の北側に狙いを定めた。空が明るくなるまでの3時間半以上、放射点を追いながら自動で露出をするようにセットした(上左画像 しぶんぎ座群の流星を合成)。
 その傍らではいつも通り15㎝の反射望遠鏡をセットしてほうき星を追っていた。時々、空を見上げチェックしたが明確に群流星と見えたのは3~4個くらいだった。12月のふたご座流星群の時とは比べ物にならないくらい静かな一夜だった。
 その後数日は冬に特有の富士山南面から駿河湾沖で発生する雲が房総を覆ってしまったが、12日からまた晴夜が戻ってきた。見事な尾をたなびかせたC/2020A1レナード彗星が夕方の空に移った後、未明の空には67Pチュリュモフ-ゲラシメンコ彗星(上右画像)をはじめ、控えな彗星がいくつか点在している。ひっそり輝くほうき星たちを追って、暗夜がわずか40分しかない月が満ちる間際の15日未明まで海岸に通った。

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