本日、箏(こと)演奏家のLEO(本名 今野玲央)氏のコンサート「LEO x CLASSIC ~箏リサイタル~」を地元の「稲城市iプラザ」で聴いてきました。テレビ朝日の「徹子の部屋」で彼のことを知って注目していたところ、ほどなく地元で聴けることがわかり、早速チケットをゲット(^^)v 「徹子の部屋」効果などと言ったら失礼かもしれませんが、箏という物珍しさと新進気鋭のイケメン演奏家、さらにピアニストのロー麿秀(Matthew Law)氏とのコラボも聴けるとあって、会場は満員御礼...妙齢のご婦人方で埋め尽くされていました(^^;
LEO氏のプロフィールによると、「2017年19歳でメジャーデビュー。同年、東京藝術大学に入学」だそうで、「伝統を受け継ぎながら、箏の新たな魅力を追求する若き実力者として注目と期待が寄せられている」そうです。
箏豆知識
詳細はこちらのサイトをご参照ください。そもそも、琴との違いを引用します。
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一般的に、「箏(こと)」と呼ばれ、「琴(きん)」の字を当てることもあるが、「箏」と「琴」は別の楽器である。最大の違いは、箏は柱(じ)と呼ばれる可動式の支柱で弦の音程を調節するのに対し、琴は柱が無く、弦*を押さえる場所で音程を決める。ただし、箏の柱(箏の駒)は「琴柱」とするのが一般的で(商品名も琴柱)、箏の台は琴台(きんだい)という。
*ブログ管理人注:同じサイト内で、「弦」となっていたり「絃」となっていたりしています(^^;
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箏そのものについての解説を引用します。
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13本の絃は柱(じ)によって音程が調節されており、奏者の右手に嵌めた爪(義甲)によって絃を弾いて音を出す。
材質は本来は絹製であるが、俗箏では現在はテトロン製が主流になっている。テトロンは張力が強く、強く張ると余韻が長く、いい音色がでるからである。また、演奏中に切れる心配が無いこと、絹製に比較するとかなり安価であることも普及している要因である。しかし、絹糸の独特の響きを気に入っている奏者も多く、特に擦り爪におけるシュッという音色ははるかに絹の方が良い。楽箏では今でも絹糸が主流である。
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流派についての解説です。
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主に生田流(いくたりゅう)と山田流(やまだりゅう)がある。外見上の目立った違いは爪の形および楽器を構える姿勢であり、生田流は角爪を用い、この角を有効に使うため楽器に対し左斜め約45度に構える。山田流は丸爪を用い正面に構える。
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生田流の中でさらに流派が分かれていて、LEO氏は沢井流に属しているそうです。
箏は琴台に固定され、椅子に座って演奏していました。今日のプログラムはこちらです(↓)。
前半は箏のソロ曲、後半はピアノとのコラボの中にピアノのソロ曲も入る構成でした。演目は、宮城道雄の伝統的な曲からドビュッシーや坂本龍一までと、古今東西、多岐にわたっていました。今回はブルーノートの曲はありませんでしたが、コンサートやCDによっては入っているそうです。
コンサートの解説と感想
箏の音色は「徹子の部屋」でも聴きましたが、生の演奏は初めてでした。
まずびっくりしたのは、曲ごとに箏が替えられたこと...クラシックばかりではないので、曲ごとのチューニングが必要とのことでした。種類も最低3種類は使われていました。本プログラムはすべて13絃で演奏されましたが、アンコール曲だけは25絃のものでした。曲と曲の間に柱(じ)を動かして音程を調整することもありました。
奏法はいろいろあるようで、横に爪をはじいたり(藤倉大氏作の『箏協奏曲』で多用されていました)、絃を端から端までずっと擦り爪で移動したりと、観て聴いて楽しめました。
坂本龍一氏(こちらの過去記事にコンサートレビューを載せています)は箏の協奏曲も書き下ろしているようですが、調べたところ、今日演奏された「Andata」は元は箏用ではなかったようです。
プログラムを見たときは「ドビュッシーと箏?」と思いましたが、彼の多用する5音階の旋律が箏の曲調と似ているのですね。とてもよく調和していました。「ドビュッシーがガムランや浮世絵に影響を受けていると言われていることが、箏の曲調と似ていることとつながっているかどうかはわかりませんが...」とのLEO氏の解説がありました。
アンコールの「ディープブルー」はLEO氏のオリジナル曲で、既述のように25絃の箏で演奏されました。3月発売予定のCDに収録される箏・ピアノ・チェロの三重奏曲を、箏とピアノの曲に編曲し直して(リダクション)演奏されました。繊細で、でも爽やかで、印象に残るとても素敵な曲でした。
演奏は、ゆっくり、静かな曲もあれば、アップテンポで情熱的な曲もあればで、メリハリがあって飽きることなく聴くことができました。
演奏が終わるごとに、まるで合図のように、でもとても自然にはにかみながらニコッと笑うLEOさんはとってもチャーミングで、おばさまたちにもてるわけだなーと毎度思いながら拍手していました(^^)v LEOさんが歌いながら弾く曲もあり、顔も声も良し、箏も上手だなんて、ずるいなーとも思っていました(^^; 麿秀さんもシンガーソングライターでもあり、お二人とも才能に溢れているのですね。
このホールの響きがとても良いとの定評が演奏家たちの間にあるのは知っていました(こちらの過去記事で、このホールのバックステージツアーの様子を紹介しています)が、今日のお二人もそのことに触れ、リハーサルのときにびっくりしたと言っていました。演奏の最後にも、箏がことさら((^^;)きれいに響いていたと、麿秀さんが言っていました。市民としてはちょっと誇らしい(^^)v
また、地元だけあって、友人にバッタリ会ったり、知人に声をかけられて十数年ぶりに挨拶を交わしたり...北風の強い寒い一日でしたが、ほっこりする午後となりました(^^)v
琴の絃が絹とは初耳でした。
ギターだと古くは羊の腸
今はナイロン
琴のテトロンというのも初耳でした。
箏と琴、弦と絃、本来は絹...予備知識ゼロで聴きに行き、いろいろわかって、帰宅してさらに調べて...知らないことばかりでした(^^ゞ
歩いて行けるところでコンサートが聴けるのは、本当にありがたいです(#^.^#)