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最近の新聞記事より ~PFASを追う~

2023年02月05日 | 雑記

(↑稲城市上谷戸親水公園にて2023年2月4日@撮影 ※記事内容には関係ありません。)

 

 今回の記事は、こちらの過去記事で紹介した記事の続編です。東京の多摩地域の井戸水から発がん性が疑われる有機フッ素化合物(PFAS)が検出された問題に関する記事で、2023年1月31日付東京新聞朝刊の第一面他に掲載されたこちらの記事です。

 くだんのリンク記事で読めますが、ここにも貼りつけます(写真とその解説を除く)。

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PFASを追う

多摩地域87人分の血液分析 85%に「健康被害恐れ」

 東京・多摩地域で水道水に利用していた井戸水から発がん性が疑われる有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)が検出された問題で、住民の血液検査に取り組んでいる市民団体が30日、国分寺市を中心とした87人分の分析結果を発表した。血中濃度が米国で定める指標値を超えた住民は約85%に上り、分析した専門家は「水道水が主な要因ではないか」と指摘した。(松島京太)

米国とドイツのPFAS血中濃度の指標値 米国では学術機関の「全米アカデミーズ」、ドイツでは政府諮問機関「ヒトバイオモニタリング委員会」が設定。米国の指標では、7種類のPFASの合計値が1ミリリットル当たり20ナノグラムを超えると健康影響の恐れがある。多摩地域の血液検査では4種類だけで指標値を超えた。ドイツの指標では血中のPFOSが同20ナノグラム、PFOAが同10ナノグラムを超えると、健康に悪影響が出る可能性があるとしている。

◆専門家「水を飲んで体内に蓄積している」

 調査は、市民団体「多摩地域のPFAS汚染を明らかにする会」と京都大の原田浩二准教授(環境衛生学)が行った。PFASは米軍の泡消火剤に含まれ、全国の米軍基地内や周辺などで高濃度で検出され、問題化している。汚染源は、米軍横田基地(福生市など)との関連も疑われている。
 今回は、昨年11月から調べている約600人のうち、中間報告として21〜91歳の87人分の結果を明らかにした。血中に含まれる13種類のPFASを分析し、うちPFOS(ピーフォス)、PFOA(ピーフォア)、PFHxS(ピーエフヘクスエス)、PFNA(ピーエフエヌエー)の4種類の結果をまとめた。国内ではPFASの血中濃度に関する基準がないため、海外の指標値を参考に評価した。
 4種類の合計値で米国の指標値を超過した人は、全体の約85%の74人。特に、国内で製造や輸入が禁止されていないPFHxSの平均値が血液1ミリリットル当たり14.8ナノグラムで、環境省が2021年に全国の約120人を対象に実施した調査と比べ、約15倍の高さだった。指標値を超える人が多くなった大きな要因になった。
 また、PFOSとPFOAをそれぞれ対象としたドイツの指標値では、PFOSでは約24%の21人、PFOAでは約7%の6人が超えた。

 検査した国分寺市の65人には自宅の浄水器の有無について聞いた。付けていない42人の血中濃度の平均値は4種類のうち3種類で、付けている23人よりも高かった。水道水に含まれたPFASが体内に蓄積されている可能性があるとした。原田准教授によると、浄水器の活性炭がPFASの約9割を除去するとの世界保健機関(WHO)の研究があるという。

 多摩地域の浄水施設では高濃度で検出されたため、34カ所の水源井戸での取水が停止された。それでも高いことに原田准教授は「過去の汚染状況はより高かった可能性があり、水を飲んで体内に蓄積している」と分析。取水停止により多摩地域の水道水は暫定目標値を下回っているが、「都の検査の数値に注意する必要がある」と話す。
 健康影響については、急性に影響が出る数値ではないが、将来的に腎臓がんや、妊娠中の場合、子どもが低体重児になる恐れがあるとした。
 会は、今回の結果を検査を受けた人に伝えた。今後も、羽村や立川、昭島、府中、清瀬市など多摩地域の広範囲で検査し、5月以降に約600人分を取りまとめた最終報告を公表したいとしている。
 

◆「烙印を体に押された」報告会でショックの声

 東京・多摩地域で、有害物質PFASの住民の血中濃度を調べている市民団体が30日、立川市内で報告会を開いた。「高濃度と予想はしていたが、現実になってしまった」。血液検査に協力した国分寺市の中村紘子さん(80)は会場でマイクを握り、驚きをそう表現した。
 中村さんは国分寺市に住んで45年。検査結果は、環境省の全国調査の平均値と比べて、PFOS(ピーフォス)が6.6倍、PFOA(ピーフォア)が4.5倍。4種の合計値は、健康被害の恐れがあるとされる米国の指標値の3.5倍を上回っていた。
 「健康診断では、腎臓の数値が悪かった。関連性はどうなのか。身に覚えのない有害物質によって、烙印らくいんを体に押されたような感じだ。いつから、どれくらいの量が流れ込んだのか、汚染物質、量、経路を調べてほしい」と訴えた。
 市内在住の高木比佐子さん(75)の検査結果も米国の指標値の3倍に迫る水準だった。「国分寺の水を使って、お茶を飲んだり、コーヒーを飲んだりしてきた。水は命を守る物。(行政には)しっかり解明、対応してもらいたい」と求めた。
 調査結果を報告した京都大の原田浩二准教授は「今回の数値は高く、沖縄の結果に近い。まだまだ見えていない汚染をしっかり捉えていかないといけない」と指摘。市民団体共同代表の高橋美枝子さん(81)は「(国分寺では)都の調査によると、2011年から浄水場の水で高い数値が出ていた。(国や都は)横田基地の周辺の土壌をもっと熱心に調べるべきだ」と述べた。

 
【関連記事】
PFAS規制 知見不足、腰重く「国は先回りして対策を」
 
 東京・多摩地域の住民を対象にした有機フッ素化合物(PFAS)の血液検査の中間報告は、多くの住民の将来の健康への影響が懸念される結果となった。国は新たな規制の議論を続けるが、知見が少ないとして即座に強化することには消極的だ。識者からは「海外の例を参考に、先回りし対策すべきだ」との指摘もある。
 
◆調査結果 多摩地域は沖縄県内より「深刻」

 「水道水の汚染がより強く起こっていたと言える。明らかに高い数値だ」
検査を分析した京都大の原田浩二准教授は30日の報告会で、そう評価した。
 多摩地域が「高い数値」と言えるのは、沖縄県で実施した検査との比較でも裏付けられる。原田氏らは昨年、沖縄の在日米軍基地からPFASの漏えいが続いたことから、沖縄市や嘉手納町など6市町村で、住民387人を対象に同じ血液検査をしている。
 この時は、約7%がドイツの指標値を上回っていた。多摩地域では、87人のうち約24%に当たる21人が指標値を上回っており、より深刻だという。
 PFASに詳しい順天堂大の伊藤弘明助教(環境疫学)は「健康影響が出るかはまだ分からないが、数値が高かった参加者は、生活習慣などにより注意を払った方がよい」と話す。

◆「国内研究が少ない」から 

  健康影響の懸念から、欧米では規制強化の動きが強まる。米環境保護庁は昨年6月、目標値で水道水1リットル当たりPFOS(ピーフォス)は0.02ナノグラム以下、PFOA(ピーフォア)は0.004ナノグラム以下とする新基準を発表。米疾病対策センターなどは、(1)免疫力低下(2)脂質代謝異常(3)胎児や子どもの発育障害(4)腎がん—の4項目で悪影響を及ぼす十分な根拠があるとした。
 一方、日本の動きは鈍い。暫定目標値はPFOSとPFOAの合計で50ナノグラム以下と米国よりも緩いのに、国は規制強化は見送った。国内研究が少なく毒性評価が定まっていないことなどが理由だ。1月末には内閣府の食料安全委員会が、食品から摂取時の影響を調査する方針を決めた。ただ、結論がいつ出るかは分からない。
 PFOSとPFOAは環境残留性が高いとして既に日本でも製造・輸入の禁止をしている。今回の検査で、高い数値を示したPFHxS(ピーエフヘクスエス)はその代替品として泡消火剤などに使われるが、来春以降に同様の規制を検討中だ。ただ、PFASは数千種類あるとされる。公害問題に詳しい中下裕子弁護士は「一つ一つの物質を個別に規制していくと、いたちごっこになる恐れがある」と先回りの対策を求める。

◆「自分たちが基準を作っていこうという姿勢が弱い」

 今回の結果に、東京都環境保健衛生課の担当者は「血中PFAS濃度の国内基準がなく、血液検査をしてもそれが高いのか低いのか判断できない」と語った。
 小池百合子都知事も6日の記者会見で、住民団体が求める都主体の血液検査の実施について「国が全国的な調査をしている。国とも連携し、都民の健康と安全を守るために適切に対応する」と明言を避けた。
 知事が言及した「調査」とは、環境省が10年度から全国10万組の母子を対象に、血中のPFASを含む化学物質と子どもの発育の関連を調べる「エコチル調査」だ。
 しかし、調査は27年度までの予定で、調査対象には都民は含まれない。主に発育への影響を調べるため、成人の健康リスクに関する知見は集まりにくい。
 分析結果の評価を担当した京都大の小泉昭夫名誉教授(環境衛生学)は「PFASに関するエビデンス(科学的知見)が少ないのは行政の不作為。自分たちが基準を作っていこうという姿勢が弱い」と批判した。(松島京太)

◆環境省は対策へ初会合 国民向け「Q&A集」

 環境省は30日、PFASへの対応策を検討する「総合戦略検討専門家会議」の初会合を開いた。国内各地の河川や地下水などで暫定目標値を超えるケースが出ていることから、国民向けに「Q&A集」をつくり、健康への影響など現時点で分かっている情報を発信していくことを決めた。
 会合では、小林茂樹環境副大臣が「最新の科学的知見などを踏まえ、対応の方向性を議論してほしい」と求めた。PFASは泡消火剤や金属加工など広く使用されてきたため、委員からは「濃度が高い場所でも、まだ調査が行われておらず、見つかっていない所があるのでは。経済産業省と協力して特定すべきだ」などとの意見が出た。
 環境省によると、PFASの一種である「PFOS」と「PFOA」については、2021年度の31都道府県の調査では、13都道府県の河川や地下水など81地点で暫定目標値を超過した。Q&A集では、PFOSとPFOAを中心にまとめ、その他のPFASについては研究データなどが集まってきた段階で加える方針。(榊原智康)
 

    

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 長い記事を最後までお読みくださり、ありがとうございますm(__)m
 
 

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2 コメント

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日本は綺麗な水が取り柄なのにみ (ボッケニャンドリ)
2023-02-06 23:03:48
> 長い記事を最後までお読みくださり、ありがとうございますm(__)m
どういたしまして(^^;;;

ワクチン打って直ぐ亡くなっても因果関係不明なお国柄にですからねぇ。

上流に半導体工場でもあったんですかね。
それとも他の原因が(?_?)
ボッケニャンドリさんへ:米軍基地 (takuetsu@管理人)
2023-02-07 17:14:14
ボッケニャンドリさん、こんばんは。

たとえ今回の汚染が限りなく米軍基地と関係がありそうであっても、手も足も出せないのが日本政府であり日本国民であり...何十年もあれこれ忍従させられてきた沖縄を考えても、この問題は簡単には解決できないでしょうね(^^; あぁぁ...どんな問題も、行き着く先にアメリカ支配がある...(^^ゞ

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