不法行為は今年も出題されるとして、宅建受験生は、準備しておきましょう。
他の国家試験受験生も、押えておきましょう。
・・・・・
問29 不法行為に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.金銭債権を有する者が,その債務者を負傷させたことにより不法行為に基づく損害賠償債務を負った場合,当該金銭債権を自働債権,損害賠償債権を受働債権とする相殺をもって債務者に対抗することはできない。
イ.報道により他人の名誉を毀損した報道機関は,その報道が公共の利害に関する事実に係り,専ら公益を図ることに出たものであって,摘示した事実が真実であると信ずるにつき相当な理由があったとしても,その事実が真実であると証明できなかったときは,不法行為責任を負う。
ウ.子が他人の不法行為によって重傷を負った場合,その両親は,そのために子が生命を害されたときにも比肩すべき精神上の苦痛を受けたときは,自己の権利として加害者に慰謝料を請求することができる。
エ.未成年者が責任能力を有し被害者に対する不法行為責任を負う場合であっても,その監督義務者に未成年者に対する監督義務違反があり,その義務違反と当該未成年者の不法行為によって生じた結果との間に相当因果関係が認められるときには,監督義務者は被害者に対する不法行為責任を負う。
オ.使用者が被用者の加害行為につき使用者責任に基づいて第三者に損害賠償責任を負う場合,当該被用者は,加害行為につき故意又は重過失がない限り,当該第三者に対する損害賠償責任を負わない。
1.ア イ 2.ア ウ 3.イ オ 4.ウ エ 5.エ オ
・・・・・
肢アは、改正点で、○ですね。
人の生命または身体の侵害による損害賠償の債務を受働債権とする相殺は禁止されています(509②号)。被害者に現実の給付を得させる必要があるためです。
肢イは、×になります。
名誉棄損を理由とする不法行為において、公表行為が①公共の利害に関する事実に係り、かつ②公益目的でなされた場合、適示された事実が真実であることが証明されたときだけでなく、真実であることが証明されなくとも行為者においてその事実を真実と信ずるについて相当の理由があるときにも、不法行為の成立が否定されていいでしょう。
人間ですから、やむを得ない場合には、ミスは多少しょうがないともいるからです。
ここから、肢3が正解と決まりますね。
肢ウは、○です。
条文(711)は死亡したときに限定しているんですね。
ですから、それを認めないなら、「子が死亡したときにも比肩しうべき精神上の苦痛を近親者が受けた」と認められる場合なら、別角度から認めていいんではないかということです。
重傷から、711条からではなく709条・710条に基づいて、自己の権利として慰謝料を請求することができると、判例はいいました。
肢エは、○です。
監督義務者(親)の責任が発生するには、未成年者に責任能力がないことが前提なのです。
そうすると、未成年者にその能力があるときには、親は責任を負わなくなります。それでいいのかということです。
そこで、放任していたなど監督義務違反と当該未成年者の不法行為によって生じた結果との間に相当因果関係が認められるならば、監督義務者は被害者に対して独自に709条から損害賠償責任を負わせたのです。被害者保護から、この結論は文句なしです。
肢オは、×ですね。
使用者責任が発生するときにも、被用者に、709条の要件である故意過失があれば、被害者にも責任を負います。(法律による)連帯債務です。
要は、被用者に不法行為責任を負うから、使用者責任を負うのです。
被用者には過失があれば足り、重過失までは不要です。
では、また。
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他の国家試験受験生も、押えておきましょう。
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問29 不法行為に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.金銭債権を有する者が,その債務者を負傷させたことにより不法行為に基づく損害賠償債務を負った場合,当該金銭債権を自働債権,損害賠償債権を受働債権とする相殺をもって債務者に対抗することはできない。
イ.報道により他人の名誉を毀損した報道機関は,その報道が公共の利害に関する事実に係り,専ら公益を図ることに出たものであって,摘示した事実が真実であると信ずるにつき相当な理由があったとしても,その事実が真実であると証明できなかったときは,不法行為責任を負う。
ウ.子が他人の不法行為によって重傷を負った場合,その両親は,そのために子が生命を害されたときにも比肩すべき精神上の苦痛を受けたときは,自己の権利として加害者に慰謝料を請求することができる。
エ.未成年者が責任能力を有し被害者に対する不法行為責任を負う場合であっても,その監督義務者に未成年者に対する監督義務違反があり,その義務違反と当該未成年者の不法行為によって生じた結果との間に相当因果関係が認められるときには,監督義務者は被害者に対する不法行為責任を負う。
オ.使用者が被用者の加害行為につき使用者責任に基づいて第三者に損害賠償責任を負う場合,当該被用者は,加害行為につき故意又は重過失がない限り,当該第三者に対する損害賠償責任を負わない。
1.ア イ 2.ア ウ 3.イ オ 4.ウ エ 5.エ オ
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肢アは、改正点で、○ですね。
人の生命または身体の侵害による損害賠償の債務を受働債権とする相殺は禁止されています(509②号)。被害者に現実の給付を得させる必要があるためです。
肢イは、×になります。
名誉棄損を理由とする不法行為において、公表行為が①公共の利害に関する事実に係り、かつ②公益目的でなされた場合、適示された事実が真実であることが証明されたときだけでなく、真実であることが証明されなくとも行為者においてその事実を真実と信ずるについて相当の理由があるときにも、不法行為の成立が否定されていいでしょう。
人間ですから、やむを得ない場合には、ミスは多少しょうがないともいるからです。
ここから、肢3が正解と決まりますね。
肢ウは、○です。
条文(711)は死亡したときに限定しているんですね。
ですから、それを認めないなら、「子が死亡したときにも比肩しうべき精神上の苦痛を近親者が受けた」と認められる場合なら、別角度から認めていいんではないかということです。
重傷から、711条からではなく709条・710条に基づいて、自己の権利として慰謝料を請求することができると、判例はいいました。
肢エは、○です。
監督義務者(親)の責任が発生するには、未成年者に責任能力がないことが前提なのです。
そうすると、未成年者にその能力があるときには、親は責任を負わなくなります。それでいいのかということです。
そこで、放任していたなど監督義務違反と当該未成年者の不法行為によって生じた結果との間に相当因果関係が認められるならば、監督義務者は被害者に対して独自に709条から損害賠償責任を負わせたのです。被害者保護から、この結論は文句なしです。
肢オは、×ですね。
使用者責任が発生するときにも、被用者に、709条の要件である故意過失があれば、被害者にも責任を負います。(法律による)連帯債務です。
要は、被用者に不法行為責任を負うから、使用者責任を負うのです。
被用者には過失があれば足り、重過失までは不要です。
では、また。
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