DASHとは、血圧にストップをかける食事の新しい方策（Dietari Approach to Stop Hypertension）の略で、現代の食事で不足しがちな成分であるカリウム、カルシウム、マグネシウム、植物繊維、良質のたんぱく質を多く含み、逆に脂肪、コレステロール、飽和脂肪酸を減らした複合的な食事プランです。米国国立衛生研究所の主導でアメリカ人に向けて実施されたものですが、高血圧だけでなく生活習慣病全体に効果があると思います。DASHで増やす食品は果物、野菜、木の実（ナッツ）、魚 、肉は鶏肉、小麦、低脂肪の牛乳・ヨーグルト・チーズなどです。DASH食は、天然の降圧利尿剤と考えられ、食事のあり方が血圧のコントロールにたいへん重要であることを示しています。日本人が摂っている栄養組成は、DASH食に比べてカリウム、マグネシウム、カルシウムが少なく、ナトリウムが多いなどの違いがありますが、脂肪・炭水化物・たんぱく質の摂取割合などは、DASH食に似ています。日本人は、高血圧になりやすい傾向があるといわれる一方、塩分を多めに摂っていても血圧の水準は、現在、アメリカやイギリスに比べて高くない水準となっています。その理由として、米、野菜、豆類、魚介類、海草、その他にも多様な食品を摂る日本人の食習慣が影響していることは間違いないでしょう。足りないものは果物、ナッツ、低脂肪乳製品くらいかな。
