ポルトガルのえんとつブログ

画家の夫と1990年からポルトガルに住み続け、見たり聞いたり感じたことや旅などのエッセイです。

K.010. ポルトガルの風車 Moinho

2018-10-16 | 飾り棚

高さ12cm

 観光地ナザレの土産物店で買った置物。

 

 本物の風車は海岸線の丘の上にずらりと並んでいる。

 我家の台所の窓からも「サン・フィリッペ城」の後ろ側に少しとアトリエの窓から「パルメラの城」の側にも見える。

 

 この風車で挽いた粉で作ったパンは粘りがあって特に旨い。

 パン屋でも普通の粉のと差別化して売られている。

 

 実物には帆柱のところに素焼きの壷がたくさんくくり付けられていて風を含んでまるでオーボエの様な音を奏でる。

 

 今では実際に使われているのは小数で、ほとんどは廃虚と化したのが多い。

 そういったものをリメイクして住まいにしているところもある。

 写真屋の「ルッジェロ」の家にも敷地内に風車がありきれいに飾り付けて家族の喫茶ハウス専用として贅沢に使っている。

 

 この風車の幌の発達と、ワインを貯蔵する樽を造る技術が合体してあの帆船の基礎になったのだ。

 ポルトガルではいろんな要素が重なって大航海時代の繁栄をもたらした、と言われているがこの風車の幌もその一因だとは面白い。

 

 ポルトガルの海岸線は殆どが断崖絶壁になっていて、大西洋から吹く西風は強く風力を利用するにはもってこいだ。

 

 サグレス岬近くの海岸線を旅すると突然巨大で現代的な風車の群れが数十機も出現して驚かされる。

 柱の上部に日本の「三菱」のマークなどが付いている。

 日本の商社「トーメン」がポルトガルのそのあたり(Vila do Bispo)に設置していると聞いたことがある。

 それまではポルトガルは慢性的な電力不足でフランスから原発で作った電気を買っているそうであるが、今はこの風力でかなりの電力を賄っているとのことである。

 

 でも三菱もどうせポルトガルに持ってくるのならあんなロボットのような無機質なデザインではなくて上のようなポルトガルの風車の形にすれば良かったのにと、私は思ったりしている。

 

 またドーデーの「風車小屋だより」ではないけれど、ポルトガルと出逢った当初から「こんなところに住んでみたい」という想いがあって VIT のホームページの「ホームへ戻る」のボタンを「ポルトガルの風車」にした。MUZ

©2018 MUZVIT

 

 


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