「平家の郷」常務 朽木敬之のブログ

宮崎創業1983年 
ハンバーグ専門店「平家の郷」
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コピーライティングのセンス

2009-03-17 01:50:11 | Weblog
 今日は気軽なテーマでお伝えしようと思うが、この時点で何を書くか決まってない。4分が経過した。

 はい、決めました。今日はキャッチコピーについて。昔からキャッチコピーには興味があった。どんなキャッチコピーがいいのか。俺はキャッチコピーをつけるのが下手だ。なんというかインスピレーションというのが弱いというか、頭で考え過ぎてしまうのか。でも好きなんだ。だから、普段よく考えてる。

 10年以上前は、強いインパクト性を狙ったものが多かったように思う。語尾に「!」マークがつくようなキャッチコピー。脳を刺激するようなコピー。それがある頃を境に、心を打つコピーに変化した。語尾には「。」が付くコピー。文章でも、心を打つ文章が多くなってきた。俺は個人的にはそっちの方が好きなんだけど。

 ある意味、視覚に訴えるものが、感じ方を大きく変えるものであることが分かる。下の二つの文言を見て欲しい。

 この春、世界が変わる!

 この春、世界が変わる。

 この春、世界が変わる?

 句読点以外は同じ文言であるにも関わらず、心の中での読み方が違い、捉え方が違い、イメージが違ってくる。これがキャッチコピーの醍醐味ではないだろうか。どんなメッセージを伝えたいか、その奥にあるのは、どんなイメージを描いて欲しいのか。写真や絵があるとどうしてもそれ自体が視覚的に訴えてくることが強いが、コピーは人によってイメージが異なると思う。それが楽しい。でも、「答えはそれぞれが決めていいですよ」的なコピーは好きじゃない。そのコピーライターがどんな想いで作ったのか、何を意図して作ったのかをちゃんと伝えて欲しい。

 今日は、こんなとこかな。思いつきにしては、良い内容だったと思う。調子に乗って。新聞の広告を切り抜きしたものを紹介しよう。キャッチコピーではないが、なんかイイ感じであった。

「二人」

二人が睦まじくいるためには

愚かでいるほうがいい。立派すぎないほうがいい。立派すぎることは長持ちしないことだと気付いているほうがいい。

完璧を目指さないほうがいい。完璧なんて不自然なことだとうそぶいているほうがいい。

二人のうちどちらかがふざけているほうがいい。ずっこけているほうがいい。

互いに非難することがあっても、非難できる資格が自分にあったかどうか、あとで疑わしくなるほうがいい。

正しいことを言うときは、少しひかえめにするほうがいい。正しいことを言うときは相手を傷つけやすいものだと気付いているほうがいい。

立派でありたいとか、正しくありたいとかいう無理な緊張には色目を使わず、ゆったり ゆたかに光を浴びているほうがいい。

健康で 風にふかれながら生きていることのなつかしさに、ふと胸が熱くなる。そんな日があってもいい。

そして、なぜ胸が熱くなるのか黙っていても二人にはわかるものであってほしい。

ジューンブライド!結婚式の贈り物にこの詩を。二人に読んであげるのはいかがでしょう。

やさしい味の白岳「しろ」を二杯分用意して。

(2006年6月7日の日経新聞32面 「米焼酎 しろ」の広告)

 この文章のポイントは、漢字が少ないことかな。「方が良い」を「ほうがいい」とか、「控えめ」を「ひかえめ」とか、「優しい」を「やさしい」とかの平仮名にしてるとこに、伝えたいトーンが隠されてる気がする。イイ文でしょ!? 勉強になります。

 ちなみに、オバマのスピーチコピーライターは27歳。あれだけ心を打つスピーチを作るセンスと能力は凄い。俺の一個上かぁ。正直、ちょっと悔しいな。ただ、それはそれ。俺は心を伝え続ける。

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