ヤンバルに座る---たかえをまもれ!

ヘリパッド建設に反対する現地行動連絡会(高江連絡会)

高江座り込み活動継続宣言/第2容疑者は日米政府/全基地撤去あるのみ!

2016-05-26 16:17:45 | 日記
 すでに幾多の報道や集会によって衆知のごとく痛恨の、悲しく、悔しい凶悪な事件が発生しました。4月28日以来行方不明であったうるま市在住の女性がレイプ殺人に遭いました。沖縄県警捜査により与那原在住の容疑者(元海兵隊兵士、米軍基地内勤務の軍属)が明らかになり、目下レイプ殺人死体遺棄事件として捜査が継続されています。

 第2容疑者は日米政権(政府)であることは自明です。もたれあう確信犯たち。“第2”は順位ではありません。第2がなければ“第1”もありえない関係にあるからです。兵士に内在化された国家暴力で沖縄住民は二重に凌辱されているのです。そして、耳に心地よい欺瞞を待ち望む「国民」の良心を癒す言葉が放たれ、“ことば”もまた凌辱されているのです。

1.座り込み活動継続宣言
 議員を選ぶのは議員さんに問題を預けるためではありません。現場と連携した多様な戦線を創るためです。知事を選ぶのも同じことです。
 大きな大会開催は目的ではありません。多様なたたかいを推し進めるための手段です。現場はたたかいの原点です、大衆運動の種火です。
そして、私たちの抵抗・不服従の目下の座り込みの現場は、米軍ジャングル戦闘訓練場のあるやんばる高江です。それゆえ、私たちはこの痛恨の極みの悲しい事件に対し即時的にキャンプ-ゴンサルベスのメインゲート前に佇立して米軍に対して抗議やアピール行動をしました。
 高江現地では今後も基本的人権を守るべく座り込み運動を果敢に継続します。本日下記要請にあるように座り込み通告しました。



2.高江現地から

5月24日(火)
 昨日(23日)海兵隊の北部ジャングル戦闘訓練場(JWTC:キャンプ・ゴンサルベス)がある“やんばる”の高江では、欠陥機オスプレイパッド建設反対で県道70号沿いN1ゲート前テントに参集する人々が個々人の判断で、「レイプ殺人事件は、基地がある限り無くならない!」として怒りを胸に午前8時半から体を張ってゴンサルベスゲート前(通称メインゲート)で事件と日米政府の故意の不作為政治に対する抗議と基地撤去アピールに取り組みました。そのニュースは辺野古ゲート前で抗議活動を展開している仲間たちにも伝わり、連帯の歓声があがりました。全基地撤去以外ないのです。嘉手納基地封鎖へと続くたたかいの道です。その後ゴンサルベスゲート前での行動は、基地機能をマヒさせまいとする海兵隊から沖縄防衛局へ指示が飛んで県警機動隊が導入された午後2時半まで続きました。アピール行動を解くと、立ち往生していた大型トラック2台に続き、中から次々とハンビー(装甲車)やら兵士搬送幌付きジープやら約10台ほどが、戦闘訓練インストラクターのユニフォームを着た常駐兵らのリードで、出てきました。




ところが、その後、午後4時過ぎにはN4地区で、重装備の兵士たちが県道から基地内に入り、訓練を開始してしまいました。やはり基地閉鎖、米軍には出て行ってもらうしかありません。兎に角、重装備の兵隊は危険きわまりありません。

5月26日(木)
・住民の会主催の6.19高江座り込み9周年報告会が県民大会と重なったため、中止となりました。
・座り込み通告を行いました。(冒頭参照)
・5月23日のゴンサルベスゲート前の抗議行動に引き続き、24日、本日26日と1時間程度の抗議行動を継続しています。23日については、報告しましたが、24日はN1テント訪問の合唱団20名の方々と、本日は、県内、県外の有志で行いました。
基地に向けて横断幕「PROTECT DEMOCRACY ! NO MARINES !」を掲げて抗議!




早朝から昼食を過ぎてもN1のすぐそばの森では射撃音が続きました。時々、砲弾のような爆発音も。N4では、UHー1による兵士の吊り下げ訓練。夕方、メインゲート横のヘリパッドでオスプレイ離発着が始まりました。CH53も数回N1テント真上を旋回してました。
殺人訓練をされた殺人機械は、日常をどのような感覚で生活しているのでしょうか。



3.怒りを胸に振り返ること
 日本政府はあらかじめ米国政府の許しを得てのことだろう、沖縄県民の怒りを代弁するかのように米国(大統領)に向かって在沖米軍の綱紀粛正、再発防止の「強い要求」を行うという県外「国民」向けのパフォーマンスを行いました。もちろん日米地位協定の抜本的見直し改定には一切触れないことが前提です。そして、集団的自衛権行使容認戦争法をテコにした新たな日米軍事同盟の強化と進化を国際的に、とりわけ米国国民向けにアピールするのです。
 これには既視感があります。2000年7月の沖縄サミットにおいて、クリントン大統領は平和の礎(いしじ)慰霊公園でのあいさつで、県が米国の意を忖度し用意した未来志向祝福の女子高校生のあいさつを受けて、あろうことか“命どぅ宝”ということばを織り込んで、良き隣人を謳い、強固な日米軍事同盟再編を世界に、とりわけ自国民にアピールしました。1995年の少女暴行事件に対する沖縄住民の怒りに応える(逸らす)形で負担軽減を装ったSACO合意の推進を、すなわちその最たるものが辺野古新基地建設と北部訓練場過半の返還と欠陥機オスプレイパッド建設、訓練倍加であって、本音は基地のスクラップアンドビルドによる基地機能の強化でした。日米沖合作の「政治」は少女暴行に対する翌年1996年の県民大会における女子高校生の渾身の発言を希薄化すべく、2000年沖縄サミットでは同じく女子高校生を当てて、「沖縄イニシアチブ」と”サミット”幻惑による希望のパフォーマンスを凝らし、沖縄住民に屈辱を強いる卑劣かつ卑屈極まるものでした。
 軍事力(暴力)を後ろ盾にした「国益」追及のために他国に対峙・侵略する国家暴力は基地と軍隊に内在化される。人権、民主化を大義名分として国民を軍隊に篭絡する。かくて兵士の身体に転位された暴力が沖縄の日常に侵入する禍々しさ。敵国を必要とする選良意識の擬制の使命感を刷り込まれて派遣される兵士らは、国家の用意する“軍事基地”に取り込まれ、数々の訓練メニューによって殺人器官としてたたき上げられる。他国の見ず知らずの、何の恨みもない人々を、自分と同様に喜怒哀楽をもって酸甜苦辛の人生を味わい他者と関係し社会の一員となっている生活者らを、殺せるようになるためには自らの人格(こころ)を壊してゆくほかはあるまい。特に、殴り込み部隊とされ直接人間と対面する海兵隊にあっては他の軍隊(海軍、空軍)と違ってそうかもしれない。訓練とは心を壊すことに身体が取り込まれてゆくこと。やがて壊れゆく心の自覚は果たしてあるのだろうか、単調な器官になって戦場に送り出されるのだろう。壊れた心にすがって殺し殺される戦場の殺戮をくぐった兵士らのこころの崩壊を決定的にするだろう。心に穿たれた空洞を抱えて社会生活にもどることは、そして人々に紛れる平穏な日常は却って心の戦場をもたらし、社会復帰は難しいものになるに違いない。米国の帰還兵の夥しい数の戦争PTSDはなにをものがたるのかである。“自衛隊”は軍隊ではないというが、もはや集団的自衛権行使容認の安保関連戦争法によって、有事の際(=戦争)は米軍の指揮下に入り、個人としては恨む必然もない他国に向かい米軍の戦争に参加することにでもなれば、“自衛隊員”は米軍兵士と同様の訓練に身を投じなければならないだろう。
 沖縄はすでに70年以上も軍事植民地下にあるのです。こんな状況の地域が世界のどこにありますか。自国の一地域を周縁下して住民を差別し、自ら隷従する他国の国益のための質草として地域(沖縄)を差し出す国がどこにありますか。そして、壊れた心の兵士や元兵士らにとって綱紀の粛正、再発防止策は意味のないもの、攻撃の対象にすらなるものでしょう。軍隊ある限り今回のような痛ましく、凶悪な犯罪は防げません、そもそも自己矛盾なのですから。
 もはや日米地位協定改定を求めることは沖縄の日米軍事植民地の固定化を意味するのではないですか。日本の現状の国民意識を考慮に入れれば、ナショナリズムに大政翼賛する軌道に乗ってしまう危い方法ではないですか。今回の事件はまた、基地は押し付けたり引き取ったりするものではないことを明らかにするものではないですか。すべての軍隊の解体、すべての基地を撤去するしかありません。日本-沖縄の植民地的関係史から離脱する方法を発明しなければなりません、ジェンダーと絶対平和の理念を語る沖縄の友人たちや日本の友人たち、アジアの友人らと共に。


・・・・・
うばいかえせ
ひらかれたモノローグを
にわとりの蹴爪みたいにそびえる孤塔よ

ながれていく舌はほろびよ
しもやけの鋼を筋肉ふかく
巻きこむときに

対話とともに死んでいたモノローグ
モノローグのなかに悶絶していた対話が
脱穀機のようにけいれんする
・・・・・・・

森崎和江「シンボルとしての対話を拒絶する」1960年 より


4.深く共鳴する2つの記事
 当連絡会はこれらの記事の内容を共有し、自分たちの現場で行動します。
①元米軍海兵隊兵士の事件被害者を追悼し、十分な対応と真相究明、米軍の撤退を求める要求書(写真は5月22日琉球新報掲載。5月21日現在では36団体が賛同。当連絡会の記載はありません(呼びかけは届きませんでした)。


②特別評論 守れなかった命 第2の容疑者は日米政府 オバマ氏は沖縄で直接謝罪を  編集局報道本部長・松元剛 2016年5月22日
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-283794.html

5.最近の県道70号沿いN4ゲート付近の光景(再掲)
覇権国家に篭絡され高邁なミッションで壊れゆく(?)若者たち
Don’t be misunderstanding、We Okinawans don’t need you !
Your family and friends are looking forward to seeing you again. Baby, Go back to your homeland at once!






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