Takahiko Shirai Blog

記録「白井喬彦」

平壌訪問の韓国文化財庁長、歌でトラブル

2005-06-16 21:53:52 | 国際
中央日報
兪弘濬庁長「北の歌を歌って国民に申し訳ない」
2005.06.17 17:03:32

6.15南北(韓国・北朝鮮)共同行事で、北朝鮮映画の主題歌を歌ったことで議論が広がっている兪弘濬(ユ・ホンジュン)文化財庁長が、17日「国民にご心配をかけ申し訳ない」と謝罪した。

兪庁長はこの日、平壌(ピョンヤン)を発つ前に「謝罪のお言葉」と題付けられた報道資料を発表し「私のことで問題が引き起こされ、国民の皆さまにご心配をかけたことについて大変申し訳なく思う」との立場を伝えた。また「成功裏に行われた同行事と当局代表団の訪朝活動にマイナスになるようなことをし、非常に申し訳なく思っている」と付け加えた。

同庁長は、しかし「特別な意図から歌ったものではない」とし「晩さんで北朝鮮の映画について話している途中、偶発的に歌うようになった」と釈明した。兪庁長は14日、北朝鮮・朴鳳柱(パク・ボンジュ)首相が主催した晩さんで、北朝鮮スパイの活躍を描いた映画『無名の英雄ら』の主題歌『喜びの歌抱えて共に進みたい』を歌い、物議をかもした。

チョン・ヨンス統一文化研究所研究員 <nkys@joongang.co.kr>


中央日報
兪弘濬庁長が歌った曲、北の戦争英雄称賛する歌
2005.06.16 16:05:17

北朝鮮を訪問中の兪弘濬(ユ・ホンジュン)文化財庁長が15日、6.15共同宣言記念行事の一環として北朝鮮が主催した晩さんで、北朝鮮の歌謡を歌ったが、戦争英雄を褒め称えた北朝鮮映画『無名の英雄たち』の主題歌だったことが一歩遅れて分かり、取りざたされている。

兪庁長は、北朝鮮・金秀学(キム・スハック)保健相に勧められて「人知れぬ野原に/密かに咲く花/ご存知だろうか/無名の花を」という1節を歌い、続いて北朝鮮側出席者1人が2節を歌った。兪庁長は90年代末、文化遺産を踏査するため訪朝した際、北朝鮮案内者から同曲を教わったもようだ。韓国戦争(1950~53)の後半を背景にしたこの映画は、全29話で北朝鮮で大人気を博した。

李永鐘(イ・ヨンジョン)記者 <yjlee@joongang.co.kr>


朝鮮日報
文化財庁長が平壌で歌った『名のなき英雄たち』とは?
2005/06/15 19:29

 平壌(ピョンヤン)で開催されている6.15共同宣言5周年記念行事を取材中の共同取材団によると、14日夜、 北朝鮮の朴鳳柱(パク・ボンジュ)首相主催の晩さん会で、兪弘濬(ユ・ホンジュン)文化財庁長が『名のなき英雄たち』という歌を歌ったと伝えられた。

 兪庁長は晩さん会の途中で上座の席を立って2~3節を歌い、雰囲気を盛り上げたという。

 共同取材団が歌の歌詞を伝えておらず、どんな歌なのかはわかっていない。南側の学生運動歌に、こうした曲があったかどうかも確認できなかった。

 ただ、78年に北朝鮮で『名のなき英雄たち』という映画が製作されたことがある。この映画は全20話で、韓国戦争当時に南側に派遣された北朝鮮の女性スパイが活躍し、“戦争勝利”に貢献したという内容だ。脱北者のなかでは知らない人がいないほど、北朝鮮では広く上映された。

 この映画に使われた歌としては『忠誠の心』と『喜びの歌を抱いて一緒に行く』が有名だ。映画が作られる前から『忠誠の心』という歌はすでにあった。金正日(キム・ジョンイル)総書記が「この曲をテーマに防諜(スパイ防止)映画を作るように」と指示し、『名のなき英雄たち』が作られたのだ。

 兪庁長がこの映画で使われた2曲のうちの一つを歌ったのだとすると、どうやってその曲を知ったのか気になるところだ。

 主体(チュチェ)思想派だったという某氏は、「大学の学生運動時代に北朝鮮の映画を見ていたが、主に『花売り娘』や『血の海』といった抗日映画がほとんどであり、『名もなき英雄たち』のような敏感なテーマの映画は見ていない」と語った。

 一方、映画界の関係者は「北朝鮮が80年代以降、この映画を世界のさまざまな映画祭に出品しており、北朝鮮関連研究者も見る機会があっただろう」と述べた。

 『名のなき英雄たち』には、最近40年ぶりに里帰りを果たした元米兵ジェンキンスさんも米軍の情報将校役で出演していた。この映画のシナリオ作家、イ・ジンウさんはその後、「米帝のスパイ」という疑いで粛清されたとされる。

キム・グァンイン記者 kki@chosun.com
安容均(アン・ヨンギュン)記者 agon@chosun.com


中央日報
【社説】兪弘濬文化財庁長の不適切な行動
2005.06.16 18:10:52

平壌(ピョンヤン)6・15統一大祝典に政府代表団の一員として出席した兪弘濬(ユ・ホンジュン)文化財庁長が、晩さん会の場で北朝鮮の戦争映画「名もなき英雄たち」の主題歌を歌った。 兪庁長は北側の保健相とこの映画について話を交わし、「一度歌ってみてください」という北側保健相の言葉に応じたという。

この映画は、韓国戦争当時に韓米連合軍に侵入した北朝鮮スパイらの活動状況を描いている。 そのメッセージは、北朝鮮が挑発した「解放戦争」の当為性と米国に対する憤怒誘発だ。 こうした映画の主題歌を北朝鮮当局者に勧められたからといって‘ためらいなく’歌ったのは、非常に不適切な行動だった。

北朝鮮の歌という理由で無条件に禁忌視する時代は過ぎ去った。自分が好きな歌なら歌えないものはない。それがまさに自由である。 しかし兪庁長は韓国の高位公職者だ。その公職者が平壌で開かれた公式晩さん会の席で、韓国戦争当時に韓米軍をかく乱した北朝鮮の戦争英雄を称賛する映画の主題歌を歌ったということが問題である。 それなら韓国の立場は何であり、韓国戦争の犠牲者らはどうなるのか。どうしてこんな行動ができるのか、とうてい理解できない。

民間人が非公式的な酒の席で、雰囲気を盛り上げるために歌ったのなら理解できる。兪庁長もそういった軽い気持ちで歌ったのかもしれない。しかしその場はそういう席ではない。 兪庁長は政府代表として平壌を訪問中だ。彼の一挙手一投足はこの国を代表するものである。この政府は韓国戦争に対する立場が北朝鮮と同じということか。今でも前方で苦労しながら対北朝鮮警戒任務を遂行している軍人らはどう思うだろうか。こうした点について、兪庁長は釈明しなければならない。

北朝鮮に対して「歯に歯は、目に目を」式で対応するのは止揚する必要がある。 われわれがもう少し「大らかな姿勢」で北朝鮮に接近すれば、南北関係を一段階高めることができる。 しかし兪庁長の今回の行動は次元が違う。兪庁長の稚気が抜けない行為は、南北関係の進展にも全く役立たないという点を銘記すべきだ。

最新の画像もっと見る