ふんわりノート☆

ジャズシンガー平良亜矢子(たいらあやこ)のブログ。
日頃の“ふんわり”な出来事や音楽の覚え書き。

野瀬先生

2008-04-30 03:20:03 | Weblog
どうしても文字を書く気になれない事、たまにあるよね。
私も今回、なかなかブログを開く事が出来ませんでした。
という訳で・・・
いつも読んで下さってる皆様、お久しぶりです

ちょっと悲しい話なので、
どうぞ心に余裕がある時にだけ読んで下さいナ(長いし)。
そして、これは私の独り言です。それでもよければ、、、。

学生時代、演劇と音楽の間でまだ私の気持ちが揺れていた頃、
見かねた演出家の先輩が何かのきっかけになればと、
知り合いのパーカッショニストY氏を紹介してくれました。
Y氏は一流のジャズミュージシャン。
今思っても本当にありがたい事ですが、
Y氏は国内外のアーティストと日々共演・録音する中で、
歌手がいる現場限定で私をローディー(荷物持ち)として
呼んでくれて、沢山の刺激を与えてくれたんです。
半年も経った頃、突然私のデモテープを聞きたいと言うので、
当時活動していた友人作曲バンドのテープを
移動中の車の中で聞いて頂きました。
感想はたった一言。「僕が講師をしているスクールには
いいボーカルの先生方もいるから、興味があるなら行きなさい。
本来はジャズスクールだけど、ポップスを歌いたいにしろ
演劇をやりたいにしろ、勉強になるから。」
はっきり言ってまだまだって事だなと判ったので(笑)
お言葉に甘えて紹介を受け、後日初めて“スクール”という所へ。

数人の先生の見学をして選んだのが、野瀬先生のクラス。
唯一シンガーとしての現役を退いていて、歳もかなり上。
“先生”に徹してる方になら自分をさらけだして向き合えると、
その時思った。

それから10年彼女は、私が大学卒業後に演劇を選んだ数年間も、
どうしても音楽を忘れられずにポップスを歌い始めた時も、
自分のオリジナル曲を書いてライヴ活動した数年間も、
20代後半にジャズに目覚めた頃も、
音楽に向き合えなくなって全ての活動を辞めた1年間も、
また歌い始めてジャズクラブに出演するようになってからも、
いつも同じ姿勢で週に一度一時間、私に向き合ってくれた。
ある日私は、苦しくなった。
彼女から盗みたいものはまだ沢山あるのに、自我が邪魔をする。
歌い方を教えてもらうというレベルは過ぎたとしても、
ボイスキープの為の大事な存在だと思っていたのに。
答えは簡単。彼女の存在は必要の無い“安心”を生み出し、
私は究極には自分と向き合う事が出来ず、成長が止まっていた。

最後のレッスンの日、私はその後仕事があって、
たった30分しか余裕がなかったけど、
先生を誘ってドトールでコーヒーを飲んだ。
先生は堰を切ったように彼女のプライベートの話、それも、
かなり重く悩んでいる事を息もつかずに話して泣いて笑った。
正直、驚いた。私は何も知らなかったから。

その後、先生と会ったのは、半年後に1度だけ。
彼女が教える数校の生徒の合同発表会に遊びに行って、
皆さんの歌を聴いて、打ち上げで騒いだけど、
ゆっくり2人で話す雰囲気ではなかった。
彼女のプライベートの事、とても気になっていたのに。
あれから1年と少し。

今、私は、凄く後悔しています。
彼女の元を離れて、自分と向き合い、変化があって、
もう少ししたら久しぶりに歌を聴いてもらいたいと思っていた。
2年前からたいした成長はしてないけど、
彼女の評価を怖がらずありのままで歌える用意がやっとあった。
もし「ここがまだまだよ~」って言われたって、
凹まずに受け入れたと思う。
でも本当は、そんな再会の方法なんて必要なかった。
思った時に連絡を取って、お茶を飲めば良かった。
歌う人同士で、色々な話をしながら。
今思うに私は、レッスンを辞めても生徒気分のままだった。

現在の生徒さん達が最近の先生の事を色々教えてくれました。
あの時の先生の悩みはそれなりの解決を向かえ、
引っ越して再出発しようとした矢先だったそうです。
昔私が紹介したピアノの調律師さんも電話をくれました。
彼が新居に出向き、翌日から始まる自宅レッスンに備えて調律、
ベランダで彼女の花に囲まれながらお茶を飲んだのが最後。
恐らくその夜、彼女は大好きなワインを飲み、
新しい未来に思いを馳せながら、目を閉じたようです。

無宗教の音楽葬でした。参列者が花を手向ける間ずっと、
彼女が愛したミュージシャン3名による演奏にのせて、
現役生徒だった方々がジャズスタンダードを歌っていました。
私はただ、聴いていました。
先生の写真を見つめていました。

先生。あの後、皆と沢山話したヨ。
先生は、わがままだったってサ!(笑)
だけど皆、先生の事が大好きだって!
私は、本当に可愛がってくれたのに、親不孝だったね。
よ~く分かってます。だから、
これからも私の音楽をちゃんと聴いていて下さい

野瀬美代子 先生へ


'08,4,17 赤坂kei

2008-04-17 00:00:00 | Weblog
with 神村晃司(p)小川誠(B)水沢花音子(Vo)
   3セット目飛び入りゲスト・川村成史(Ds)

初出演楽しかったでーす。
ご来場頂いた皆様、ありがとうございました!
落ち着いた温もりのある照明、居心地のよい赤いソファ、
思ってたより近いお客様との距離、とても素敵なお店でした

赤坂は去年まで12年間通い慣れた街。
やはり私にとっては特別な場所なんだな~と実感。
だって、初出演のお店におジャマさせて頂いてるというのに、
なんとなく懐かしい感じがするんです。
通りに面した窓から街並みを見下ろしていると、
雨が降っている景色の色や、
そこに行き交う人々の傘が作り出す模様までもが、
よく知ってる映画のように見えてきて、不思議。
お陰で、ひどく緊張したりせず(笑)、
初共演のメンバーの皆さんとも打ち解けながら、
穏やかな気持ちで歌う事が出来たヨ

今回は、私の大好きな曲、コールポーターの“Love for sale”を
初めてスローで歌ってみました 普段は、
かなり速いかミドルテンポのラテン調リズムで歌ってる曲。
以前、彼の伝記映画でバラードで演奏されてるのを観て、
私もいつかそうゆうフィーリングでやってみたいな~と、
時々スローで歌う練習をしてたんです。
今回はベースがいる編成だったので
元々チャレンジしてみようと思っていたところ、
何と3セット目の直前にドラムの川村さんが遊びにいらして
特別参加してくれることになり、思わぬ理想の編成に
そうなんです。この曲のスローバージョンは
かなり前から人前で歌える状態に仕上がってはいたんだけど、
どうしてもベースのゆったりとした低音がイメージにあって、
そして出来れば、ドラムの微かなリズムが入ってて欲しかった。
なんと望みが叶っちゃったわけです~
お陰で歌もいいイメージで歌えたし、
あ~これを録音してたら良かったな~と思う程、幸せ(笑)
なんとも素敵なおまけを貰えたライヴとなりました

来週の月曜(21日)は、元赤坂「カナユニ」に出演します。
今度はピアノと2人で、バラードで演奏してみようかナ。
皆様、是非聴きにいらして下さいね!

FC東京 1-1 ジュビロ磐田

2008-04-16 00:00:00 | Weblog
ナビスコ予選第3節
待ちに待った、栗澤先発

羽生が怪我で欠場だし、ここは間違いなく
かつてのジュビロ・キラーの出番!と、
各紙のプレビューを賑わせていた栗澤。
予想通りのスタメンでした嬉しかったな~。
おのずと応援に気合いが入ったヨ
序盤からボールに良く絡み、良く動き、FKも任されて、
決定的な瞬間も何度か演出する上々の出来。
もう少しキックの精度があればなお良かったけど。
今後の起用・活躍に繋がりそうな気配はあり。

それにしても、今回も長友が脅威の運動量、凄かった
と、思ってたら翌日、なんとA代表合宿に選出されちゃった
そうなんです。この試合、A代表監督の岡ちゃんと
U-23の反町監督が偶然2人とも視察に来ていて、
各候補選手はかなりアピールに気合いが入っていたのは事実。
長友も「五輪に出たい!」と意欲満々で頑張ってたみたい。
それがなんと、岡ちゃんの目に留まっちゃった
元々は全くのノーマークだったみたいだけど、
何度もUpDownするスタミナに感心したようです。
短い合宿とはいえ、A代表の中に入って得る物は大きいハズ。
掴んだチャンス活かして、もっと大きく成長して欲しいナ

とは言え今回は、後半ロスタイムに決められてドロー。
苦~い思いを残した終わり方・・・。
よーく反省して、明日の川崎戦は去年の大敗の借りを返すべし

FC東京 2 -1 東京ヴェルディ

2008-04-12 00:00:00 | Weblog
東京ダービー
今年J1に再昇格した、
同じく味の素スタジアムをホームに持つ
東京Vとの3年ぶりの対決!

Jリーグに数々のダービーあれども、
同じ本拠地(スタジアム)同士の戦いは
東京ダービーだけなんだって。否が応でも盛り上がる~
それに相手チームのキーパーは、去年まで長年FC東京の守護神
で戦力外通告を受けてVに新天地を求めた土肥ちゃん。
塩田との師弟対決でもあるわけです。

今回は、Vのホーム戦。
味スタのアウェイ側がFC東京サポーターで埋め尽くされるのを
初めて見たっ なんか、不思議~(笑)

互いの“負けられない”という気持ちがぶつかる白熱した
試合展開に90分間ハラハラドキドキでした。
Vの凄技ワンマンFWフッキを押さえまくった大学生Jリーガー
長友が大活躍で、まだ若いのに強い体に感動!
そして、羽生の移籍後初ゴール
既に広報上ではチームの顔だしキャプテンでもあるだから
活躍しなきゃってプレッシャーはあっただろうけど、
普段は頭脳系イメージでインタビューに応えてる羽生が
ゴール後ビックリする位はしゃいでてカワイかったヨ
両腕をグルグルまわしてピョンピョンしてた(笑)
試合は最後の最後まで応戦に次ぐ応戦でヒートアップ
なんと、後半ロスタイムでの決勝点でFC東京の勝利でした~。
ドラマチック
栗澤は出番こそなかったものの、ようやくベンチ入り!
どんどん頑張って欲しいナ。

勝利を信じて後半は一瞬の休みも無く歌い続けたFC東京サポが
幸せに包まれながら深い眠りについた事間違いなし・・・

'08,4,8 あ・うん

2008-04-08 00:00:00 | Weblog
with 吉田桂一(P)竹内直(Ts&Fl)上田裕香(Vo)
鼻の調子がまだ良くないけど、
先週よりは多少マシな感じで、ちょっと安心。
気にしない、気にしないっ。

もう何年も歌ってなかった“Over the rainbow”を
ここのところずっと練り直してたんだけど、
花粉のせいで調子が狂ってしまって
なかなか思い切れない日々が続き、
今回やーっと歌う事が出来ました
出来は・・・まずまずかな(笑)
本番中、吉田さんと竹内さんのの演奏から、
一人でピアノに向かって練習してる時と
随分違うイメージを色々ともらえて、
今後まだまだ変わって行ける気がしたから。
ルルルン~。

それにしても不思議なメロディー。
ふわふわしてて夢心地。その上、この歌詞。
コードは弾く人によって様々だったりするけど、
それもまたこの曲ならではの不思議さというか、楽しめちゃう。
日常の感情の小さな起伏のように、自然に

Somewhere over the rainbow, way up high
There's a land that I heard of once in a lullaby

Somewhere over the rainbow, skies are blue
And the dreams that you dare to dream really do come true

Someday I'll wish upon a star
And wake up where the clouds are far behind me
Where troubles melt like lemon drops
Away above the chimney tops that's where you'll find me

Somewhere over the rainbow, blue birds fly
Birds fly over the rainbow, why then, oh why can't I

If happy little bluebirds fly beyond the rainbow,
why, oh why can't I

「幸せの青い鳥達が虹をこえて飛べるのなら
 わたしだって きっと きっと・・・」

ん~、優しいネ大事に歌って行きたいです。


10日(木)は、六本木チャーリーズ・クラブに出演します
また「Over the rainbow」を歌いたいナ!
お客様もオーナー西村さんのピアノに合わせて歌える、
楽しいお店です。是非遊びにいらして下さいネ

FC東京 1 -0 コンサドーレ札幌

2008-04-05 00:00:00 | Weblog
やっとホームで勝った~

羽生が初キャプテン!
他の選手より年配だし日本代表だけど、
移籍後間もないのにもうチームを引っ張って
くれてるんだなーと頼もしい限りでした
19歳ルーキー・大竹も大活躍で幸先良し。
でも栗澤は今日もベンチ外・・・。
若手が活躍してMFは競争が激しい模様。インタビューで、
「「城福新監督の指揮下で)サッカーするようになって
 今までの自分は感覚的にプレイしてた事が判った。
 やっと周りが見えてきた。」って言ってたナ。
そうそう、その調子。人一倍の正確さや視野を活かす為にも、
もっと瞬時の判断力を磨いてチームの要に成長して欲しい。
生まれ変わるチャンスだゾ。ガンバレー

写真は、実は先週末のホームゲーム京都サンガFC戦。
後半に逆転され、終了前ギリギリに追いついてドローという、
なんとも後味の悪い3-3の試合だったから、
ブログアップする気にならなかった・・・。
しかもその後の水曜はアウェイ横浜Fマリノス戦にボロ負けで、
チームの格の違いを見せつけられる結果に
FC東京にもいい選手はいっぱい居るけど、
まだまだチームとして成り立ってないんだなーと痛感です

話は変わりますが、
来週のライヴは、8日(火)西新宿“あ・うん”にてありまーす
サックスの竹内直さんの渋~い演奏を、目の前で楽しめますヨ!
是非遊びに来て下さいね。

'08,4,1 あ・うん

2008-04-01 00:00:00 | Weblog
with 吉岡秀晃(P) 藍沢栄二(B)
   榊原幸子(Vo)

4月 
数年前に発症し、
それ以来潜んでいた私の花粉症が爆発・・・
殆ど忘れてた頃に襲われて、あまりに突然の事に手立てもなく、
鼻のかみ過ぎで頭痛を抱えたままヨロヨロ~っと“あ・うん”へ
楽屋で共演者のユッキー(榊原さん)に会って思わず一言、
「今日は、、、今日は、、、」

彼女は凄い! 以前にも他人にイヤな思いをさせられた時に
すごーく勇気づけてくれた事があるけれど、
今回も私の顔を見ただけで、
「・・・あ、調子悪い?そうゆう時は~△☆×~~~」って、
こっちに言葉の続きを言う間も与えず
ポジティブ思考に誘導する言葉のシャワーを浴びせてくれて、
お陰で5分も経たずにテンションが上がった
あ~ん、ありがとうっ
私だって元々かなりポジティブさんだから
これ位何だ!って、かなりヤル気で来たんだけど、
ユッキーのお陰で百万馬力
あなたは・・・一番高いユンケルのようだっ

という訳で、この日の為に用意した曲をちゃ~んと
皆様に聴いて頂く事が出来ました
久しぶりに歌いたいモードのピークに達した
「I didn't know what time it was」も
“君と出会ってからゆっくり流れて来た時間”という主題を
吉岡さん&藍沢さんと時間を共有して素敵に表現する事が出来た
ような・・・。

この「ような・・・」ってヤツは一応、今回の反省
だってやっぱり、多少意識が朦朧として夢見心地だったし、
鼻が悪い時って耳が受ける音圧に影響してピッチがズレるって
ミュージシャンAさんに先日教わったばかりなので。
でも、今回はこの経験に答えが用意されてるのですぅ
毎度聴きに来て下さるYさんがデジ録してくれたのですぅ。
後日それを聴く事になりますからぁ~(波田陽区風で)。
心してその時を待ちまする。

ライヴ後に事情を知ったY氏曰く、
「いや別に、普段とあまり変わらなかったような・・・。
 よくコンディション悪い時は力が抜けて逆にいいって言うし、
 そのパターンかもしれませんヨ。」
本気?それとも慰め?・・・いや甘やかさないタイプだから
やっぱり言葉通り?

どちらにせよ、私にとって今回の録音検証はいい経験
取り敢えず今言えるのは、「ユッキー、ありがとう」です。