taimuのひとり言

毎日の生活の中で感じた事を 徒然なるままに・・・。

「警察の血」 読書日記 18 今月読んだ本 10月 

2008-10-14 22:32:12 | 読書

 
 もう10月も半ばです。
 朝晩は ストーブが欲しい季節です。

 「警察の血」上・下  佐々木譲 著
 
 友人から借りた本。
 この本は かなり厚い本で上・下巻あり 読み始めるのに
 ちょっと躊躇したほどでした。
 でも読み出したら 面白くて 夢中で読んでしまいました。

 それもそのはずで「このミステリーがすごい!」2007年版で、
 第1位に輝いた本でした。(読み終えてから知ったんですけど

 ≪昭和二十三年、上野署の巡査となった安城清二。
  管内で発生した男娼殺害事件と国鉄職員殺害事件に
  疑念を抱いた清二は、跨線橋から不審な転落死を遂げた。
  父と同じ道を志した息子民雄も、凶弾に倒れ殉職。
  父と祖父をめぐる謎は、本庁遊軍刑事となった三代目和也に
  ゆだねられる……。戦後闇市から現代まで、
  人々の息づかいと時代のうねりを甦らせて描く警察小説の傑作。≫

 ミステリーというほどの謎解きはありませんが
 「警察官」という職業を親子三代にわたって描いています。

 特に私が興味深かったのは、民雄の第二章。
 生活のため 大学進学をあきらめ 警察官になった民雄が
 「命令」によって大学生として 学生運動真っ只中の時代に、
 学生として大学に潜り込み、赤軍過激派の内偵をするあたりは
 本当にあったかのような、リアルな緊張感があり、
 ハラハラドキドキしながら読みました。
 民雄がこの時に経験した ギリギリの恐怖と緊張が
 後に 彼の精神に重大な影響を及ぼし 結果的に「殉職」
 という道をたどっていってしまうのですが、
 大きな「組織」に抗えない 虚しさや憤り
 民雄と一緒に体感できました。

 こういった公安による「潜入捜査」や
 第三章での警察官による警察官の「監視、内偵捜査」
 など 本当にあることなのでしょうか。

 「組織」の内幕を描いた小説を「組織」の中にいる
 現職の「警察官」の方はどのような感想をお持ちになるのでしょうか。
 
 単純な私などは 全てが本当にあることと思ってしまうのですが・・・。