Tadanovskyのボチボチ日記

好きな事だけたらたら綴る備忘録的な日記…

自作編曲楽譜の出版が(ほぼ)決まりました!

2021-12-12 23:57:00 | 日記
前回の記事で取り上げていた編曲のお話…


続きを(一応)報告出来る事になりました。

まだ契約書でのやり取りが完了していない為(土日の郵便業務休みが響いている)正式な発表とはいきませんが、

歌劇「カバレリア・ルスティカーナ」より間奏曲(P・マスカーニ)
ベルガマスク組曲より第3曲「月の光」(C・ドビュッシー)

以上の2曲の吹奏楽編成への編曲楽譜を出版していただける運びとなりました。

どちらの曲も所謂「有名どころ」の曲ですので、さまざまな形態の編曲楽譜がある…と思いきや案外そうでもなく。

マスカーニの方は以前(2019年)私の所属している楽団で取り上げた際、昔からある洋物の編曲譜はとにかく厚ぼったい響きでボツに…
此処20年程で広まった国内の出版社による売り譜も楽団員との相性がイマイチ、となって…
「じゃあ私が書きますよ」とのいつもの流れになったワケです。
ところで、何故「厚ぼったい」事態に陥ってしまうのか?その答えは元の曲の編成に答えがあります。

木管(2Flute、Piccolo、2Oboe、2Clarinet)要はFagott抜き。
弦4部(2Violins、Violas、Cellos)こちらはContrabass抜き。
Organ
Harp

コレだけ。Bassパートはハープ任せ。暑苦しい金管はTacet扱いです。
こんな風通しの良い曲を吹奏楽編成に落とし込むのは結構大変。
中音域を如何に重苦しくならない様にするか…という事に苦労した記憶があります。
編成も最近の「ご時世」に影響されて(緊急事態宣言によるさまざまな制限で大編成の吹奏楽やオーケストラが中々組めなかった)中規模な編成(30人程度を想定)で程よく響く感じに仕上がりました。

ドビュッシーの方は…マスカーニと同じ演奏会のアンコール曲で、当時の大河ドラマ「いだてん」のメインテーマをやる予定だったのですが…オカネと権利への厳しさで定評の有るJ○Cが「勝手に編曲しちゃダメデスヨ〜」と言ったかは不明ですが、編曲楽譜が一才出なかったんです。2019年当時。今はどうなってるか知りませんが…

んで「どやんす?どやんす〜?」と混乱している中で、私が個人的に超(物凄く)演りたかったコレを
「楽譜なら書いてくるから、音出ししてみて決めて!」と、無理矢理押し通した曲なんです。

んで、この「月の光」…音楽の教科書にも載っているレベルの有名曲ですが、元はピアノ独奏曲。
コレをどう吹奏楽の形に落とし込むか…?と考えて、出てきた答えが
「もしドビュッシー自身がこの曲を管弦楽編曲したらどんな譜面づらに成る?」というモノ。

ドビュッシーは自身の幾つかのピアノ曲(独奏、連弾、2台ピアノ問わず)を管弦楽編曲していた様です。
(イベリア、春、etc…)後、後世の作編曲家によって管弦楽編曲された曲もある模様。勿論「月の光」も。
この時編曲するにあたって、本人編曲以外の演奏を全て絶って(譜面を見ない、演奏を聴かない)
まずドビュッシー本人のスコア(作曲、編曲問わず)をそれこそ「穴が開く」程読み込んでみました。

特に勉強になったのは「三つの交響的素描【海】」「ノクテュルヌ」。この2曲のスコアはどれだけ読んでも飽きません。
たくさん読み込んで「脳内ドビュッシー」を育成します。まだ真っ新の五線紙に触ってはいけません!

そんな暮らしの中、アシュケナージ演奏の「月の光」を聴いていると…


アタマの中で「脳内ドビュッシー」が書いた管弦楽版の「月の光」が流れ始めました!成功です!
(読んでいて痛々しいと思われる描写ですがホントに流れるんです)
後はソレを上手い事吹奏楽(と言うより管楽合奏)に編曲すれば良いだけ…なんですが。
其処から先ジャマになるのが元曲の譜面。



後世のヒト達による編曲譜面はコレに引っ張られ過ぎ…と思うのです。個人的な暴論です。
アルペジオの伴奏をそのまんまチェロとかヴィオラにやらせてる。これは酷い…と思うワケです。
旋律がアルペジオで駆け回っているならソレは再現すべきと思いますが、伴奏ならハナシは別。
飽くまでコード進行を作ってるモノとして捉えます。印象的なモノは当然使いますが。




そうこうして出来上がった譜面(当然パート譜も全部!)を本番直前のお篭り練習
(私達熊本ウインドオーケストラはGW最終盤に定期演奏会を開催しています…その直前、即ちGW期間は会場である熊本県立劇場の音楽リハーサル室をぶっ通しで借り上げて合宿練習が有る…のです。)で初合奏、幸いにも楽員からは好印象でそのままアンコール曲の一曲目として採用されたワケです。まぁボツにしちゃうと代わりも無かったですし。

そんな中、楽員の一人(Clarinet担当で私と大学同期)が脳内出血で倒れてしまい入院。彼女は夫婦で団員の為、夫(Horn担当…しかも1st)も抜ける事態に。

全部の曲のホルンパートを差し替え(パート内異動や他楽器への移し替え)等、かなり差し迫った合宿となりました…が。

当日になって、夫(団長でもある)が普通に楽器を持って来た!ので
「なん無理して来んでも良かってから〜」と言う指揮者に
「イヤ、奥さん命令で来ました」と!
奇跡的に回復した彼女が(入院した当初はかなり危ない状態だったそうですが)
「ちゃんと吹いて来なっせ!」と言われたそうです。強い。

そういう事があったので、「月の光」の演奏も前日に多少弄りました。
Trp主席の方の夫君が凄腕ピアニストなので、前日に急遽召喚して無茶振り。
冒頭8小節をピアノに差し戻して9小節目でバンドが合流して…と言う流れで演奏しました。
元の調で編曲していたから出来るワザです。そのままピアノには自由に弾いてもらいました。流石凄腕。
本番は全身の毛が逆立つ位興奮しました。録音で聴くとそうでも無いのですが…やはり音楽は生モノなのでしょうか…

…とドビュッシーに関しては並々ならぬ思い入れがあったので、出版してもらえるというのはこの上ない喜びなのです。
オトナの楽団にも演奏して欲しいですが、本音を言えば高校の吹奏楽部とかに取り上げて貰って「音楽ってなんか面白い」と感じていただければ、なんなら「オトナになっても音楽を続けたい!」なんて思ってもらうキッカケにでもなれば…もう最高です。

まだ契約前の状態なので宣伝等は出来ませんが、正式にリリースされたらまた紹介させて頂きたい。です。

以上のことを伝えた昨日の楽団の練習後、指揮者と話していたら「今出版事業立ち上げる目標で人集めしとるとタイ」と!
もし実現できたら「お前もワシの駒となるのじゃ」というお言葉(脚色強め)。

本当に秋口から色んな事が変わり続けています。不思議です。
「次」に繋がる様に備えていきたいと思います。



既に課題は山積みなんですが…「終わらせる」って大事ですね。塩漬けの譜面を復活させます。






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