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杉ちゃんのWEB日記

国際山岳ガイド 杉坂 勉のブログ

2016-4-29~5-1 GW奥穂高岳

2016-05-02 10:04:52 | ガイド山行記録

今年もいよいよGWがやってきました!連休前半は定番の穂高。予報はかなり大荒れの感じでしたが、サイトによってまちまちなので予定通り29日に上高地入り。すると意に反して上高地から見る穂高は良い天気。でも稜線の風はかなり強そう・・・。

 

上高地~明神~徳澤と朝のすがすがしい空気の中、横尾に向かって歩みを進めていきました。やっぱ行きのこの道の雰囲気はいいですね!

 

横尾からは夏道伝いに本谷橋へ。例年だとここから沢通しにすたすたと歩けるはずが…。本谷橋付近も雪渓が割れ、水流が轟轟!!さらに涸沢へ回り込むまで夏道伝いに歩くはめに…。

 

さすがにSガレを過ぎれば通常通りの残雪期穂高。この時期の光景はまた神々しくもあり、荘厳でもあり、とても良い感じ。大好きな光景です。

 

翌日は予報通りの良い天気。稜線の風が少々気になる感じでしたが、奥穂めざし涸沢を出発。ヒュッテのこいのぼりもご覧のたなびき様!風強かった…。

 

白出のコルまではすでに点々と登山者の列が。さながら蜘蛛の糸?我々もその列にならってアズキ沢へ。ザイテンバットレス横からは傾斜もきつくなるのでアンザイレン。

 

穂高岳山荘で一休みし、体制を整えていざ奥穂へ最後のアタック。しょっぱなの岩稜帯を慎重に超えていきます。心なしか例年と比べ雪が少なく、登りやすかった。

 

岩稜帯を抜け、しばらくはなだらかな稜線歩き。案の定ここからは風が強くなってきました。左側に張り出した雪庇に気を付けての登り。途中急な雪壁を越え(所々凍っており緊張しましたね!)、最後の頂上稜線へ。

 

ちょっと時間はかかりましたが、無事に奥穂の山頂へ。このころより急速に雲が厚くなり始め、悪天の兆し。記念撮影もそこそこに下山開始。ギリギリのタイミングだった!!

予定では穂高岳山荘に泊る予定でしたが、この日の晩から明け方にかけ大荒れの予報が出ており、下山できなくなる恐れもあったので、疲れた体をおして涸沢へ下山。

 

あけて翌朝は涸沢でも10cmの積雪。稜線は依然荒れ模様。あー昨日降りてきて良かったー!

小雪の舞う中を横尾目指して下山していきました。

読みずらい天気に左右されての山行でしたが、結果的にはいいタイミングで登って、そして降りてこれました。またまた山の神様に感謝ですね。

 

 

 


2016-3-7~8 西穂

2016-03-09 10:47:07 | ガイド山行記録

3月第二週のわずかな好天を狙い、西穂に行ってきました。

入山は7日月曜日。本来の計画では8日入山の予定だったのですが、天気予報を見る限りではこの週のチャンスは8日1日のみ!予定を前倒ししての入山でした。

8日の天気も、予報では時間が進むにつれ、風が強まる感じ。去年の風敗退を鑑み、5時に西穂山荘を出発。

 

ほぼ夏のコースタイム通り、6時10分には独標へ。予報通り風は強めでしたが、さほど冷たさを感じなかったため問題なし。ルート上も適度に雪が岩やデコボコを隠し、締まっていたのでサクサクと高度を稼ぐことが出来ました。

独標で身支度を整え、いざ核心へ。このころようやく日が昇ってきました。

 

西穂へと続くトレースはちょうどいいところを狙ってついており、アップダウンを繰り返し登っていきました。目の前に目指す念願の西穂が!

午前7時45分、かなりいいタイムで西穂へ登頂。ようやく念願の西穂へ登ることが出来ました。去年は強風のために丸山で敗退。その前は入山すらできず。その前は・・・・。かなり長いことかかりましたが、その間もトレーニング山行を繰り返しようやくの登頂だったので、喜びもひとしお!私もこの感動に立ち会うことが出来、とても思い出深い山行となりました!!

 

山頂からの眺めも、強風で一部ガスがかかってはいたものの、たなびく雲の向こうに奥穂の勇姿が。振り返れば今辿ってきた稜線も。

 

下山もトレースはあるものの、油断は禁物。これまでのトレーニング山行を生かし、慎重にクライムダウン。

だんだん遠ざかっていく西穂に、一抹の寂しさを感じながらも無事に西穂山荘まで下山。

さて次の目標はどこにしましょうか?

 


2016-2-5 八ヶ岳・阿弥陀南稜

2016-02-06 11:46:42 | ガイド山行記録

天気の心配も何のその。5日の阿弥陀南稜は最高のロケーションでの登攀でした。

4日の夜に美濃戸口に前泊し、5日は3時起床の4時30分に船山十字路を出発。立場川沿いの林道は寒いのなんの。これぞ八ヶ岳といった感じの寒気を感じながらのアプローチ。

旭日小屋で身支度を整え、立場山へ至る南稜末端へ取り付き。道はご覧の通りの雪の少なさ。

2200mを越える頃から積雪の量も徐々に増加。やがて朝日が権現、旭岳あたりから顔をのぞかせました。気温はマイナス10℃と低いものの、風もなく穏やかな感じ。日の当たる面ではポカポカ陽気でした。

 

青ナギを越え、無名峰が間近に。風が少し出始めてきました。顔に当たる風はやはり冷たい!

 

無名峰の手前でロープを付け、いよいよ核心部に突入。慎重に通過していきます。

 

核心のガリ―はご覧の通り。雪が少ないと言われている割には安定した着雪。キックステップでサクサクと越えていくことが出来ました。

最後、阿弥陀の山頂へ抜けるあたりも雪がべったりと着き、割と不安定。例年になく悪く感じました。

さすがにここはスタカットで慎重に通過。

12時少し前、快晴の阿弥陀岳山頂に。標高差1000m以上の快適な登攀でした。

 

山頂からの展望も最高。穂高もバッチリ見えました。

下りは中央稜経由で広河原沢へ。行動時間11時間のロングラン。広河原の林道からは今日たどってきた南稜から阿弥陀の山頂そして中央稜が一望。手ごたえを十分に感じながら、充実感に浸って船山十字路へ帰ってきました。

さあ、次回はいよいよ大一番。頑張りましょう!!


2016-1-30~31 八ヶ岳・赤岳

2016-01-31 20:43:06 | ガイド山行記録

本州に戻り、最初のガイドは八ヶ岳。ステップアップとして今回は主峰赤岳に挑戦してきました。

これまでに何度か足慣らしをしてきたので、満を持しての挑戦です。

 

快晴の空の中、文三郎から登山開始。ずっと北海道にいたので、3週間ぶりの八ヶ岳の変貌ぶりにビックリ。まだまだ例年と比べ積雪量は少ないものの、すっかりと雪山に変貌していました。

 

阿弥陀への分岐を過ぎるといよいよ核心部に突入。岩場交じりの雪壁をロープを付けて慎重に通過していきます。

 

キレットからの分岐を過ぎるといよいよ赤岳山頂はまじか!

快晴の青空に迎えられ、赤岳山頂に到着!今回もやりました!!

そして下りは地蔵尾根へ。

今回も実りの多い山行となりました。


今日も

2016-01-24 21:17:26 | ガイド山行記録

北海道でのスキーツアーも2日目。ニセコは全然といっていいほど雪降ってません…。

僅かな望みをかけてチセのシャクナゲ岳へ。

この晴天に皆さん楽しそう。

そして長沼への斜面にはまだパウダーが残っているではありませんか!

パウダーを滑り終わり皆さんご満悦。口々にお礼を言われたが、でもそれは雪を恵んでくださった神様のご加護ですね!山の神様に感謝です。


2016-1-7~8 八ヶ岳・大同心稜~赤岳縦走

2016-01-09 18:29:54 | ガイド山行記録

今年はどこも雪が少ない!!

1月第二弾は八ヶ岳。今シーズンの足慣らしという事で大同心稜へ行ってきました。

冬型の気圧配置の中、7日に赤岳鉱泉へ入山。上部は濃いガスに包まれ、うかがい知ることはできませんでしたが、美濃戸はほとんど雪無し…。まさしく夏道をたどり鉱泉を目指しました。

翌8日の朝6時、ヘッドランプを付けていざ出発。良く踏まれた踏み跡は、いつになく歩きやすく、ほどなくして夜が明け、大同心基部の直下まで1時間で上がってきました。

基部手前でロープを付けいよいよ取り付き。

 

さすがに稜線まで来ると雪の量は増えますが、ご覧の通り。まあそれはそれで歩き安かったですが…。

 

写真で見ると「おおっ!!」てな感じですが、てけてけ歩ける程度の簡単な岩場を大同心の基部を回り込むように通過。

3級-程度の5mほどの岩を越えるとあとは緩い雪壁。大同心稜自体も1時間弱で抜けることが出来ました。

稜線に出たところで風をよけて休憩。後は横岳の縦走です。今日は時々突風が吹くものの、八ヶ岳として穏やかな天候。

 

東からの日差しを浴び、360度のパノラマを愛でながらの縦走。

 

横岳の通過はハシゴとクサリの連続。

赤岳展望荘で大休止ののち、11時に赤岳山頂へ!なかなか良いペースでの登頂でした!!

 

山頂からの眺めもバッチリ。ただ北アルプスには雲がかかり、白い峰々を望むことはかないませんでした。

赤岳鉱泉から見た赤岳。なんだか春の風景のようでした。

 


2015-12-31~2016-1-2 槍ヶ岳

2016-01-03 12:40:59 | ガイド山行記録

2016年のスタートは槍ヶ岳から!4年前のリベンジでもある山行でした。

 

2015年も年の瀬の31日に新穂高温泉より入山。今年の年末は予報も良かったせいか、いつになく多くの登山者が入山している模様。31日には早くも槍、穂に登頂した人たちが大勢下山してくる中の入山でした。

おかげでトレースもバッチリ。4時間ほどで楽々と槍平までアプローチできました。テントを設営後、のんびりと休息。夕食後19時には就寝。そして電波状況の悪い中、奇跡的にdocomoの電波を受信!ヤマテンによると明日1月1はまずまずの予報ではありませんか!!これに安心し、明日に備え早々とシュラフにもぐりこみました。

そして2016年の年明け。夜半まで降り続いた雪もいつの間にか止み、あたりは月明かりに照らされとても明るい中、午前3時に起床。準備を整え5時15分、槍平のベースを出発。

 

前日までのトレースはふわふわの新雪にいくらか埋もれていましたが、超軽かるの雪なので問題なし。トレースも谷間をかわしてついているので雪崩の危険もなく、楽々とタカラの木下まで。

所がやはり今年も甘くはなかった…。昨夜この付近で幕営したパーティーの話では、31日は大喰の西尾根にはトレースがなく、みんな飛騨沢を登ったとのこと。積雪もテン場を出たころよりぐっと増え、風の影響もありここから先のトレースは皆無…。一瞬「またか…。これじゃ前回の二の舞だ!」との思いがよぎる。

 

ここから大喰岳西尾根の取り付きまでは、膝までのラッセル。尾根取り付きで飛騨沢へ入るか迷ったが、トレースが無いことと表層の不安定な積雪を考えると、谷に入る気にはなれない。

結局膝上までのラッセルを強いられながら大喰の西尾根に取り付いた。するとどうだろう、上部から下りてきたパーティーがいるではないか!これぞ天の助け!!

 

その後いくらかラッセルは楽になったものの、上部に行くに従い風が強まりだした。左から叩きつけてくる強風に、煽られふらつきながら、舞い上がる雪煙に顔を背け、時折立ち止まりながらの登高は辛いの一言!なかなか高度を稼ぐこともできない。

 

それでも何とか大喰岳に達し、飛騨乗越を経由して方の小屋へ。

 

小屋の玄関前は風を防ぐには絶好のポイント。日あたりも良く折からの強風に冷え切った体を温め、仕切り直して槍の穂先へ。

そして午後1時過ぎ、念願の槍ヶ岳に登頂!4年ぶりのリベンジを果たすことが出来ました!!

 

穂先からは360度の大パノラマ!こいつあー、春から縁起が良いぜー!あきらめないで頑張った甲斐がありました。

 

一度肩の小屋まで戻り、一路来た道を戻り大喰の西尾根へ。いくらか弱まった風の中を下山の途に就きました。

 

暮れていく夕日の中の下山は絶景!まるでこの日頑張ったご褒美をもらったかのような、幸せな気分になれる光景でした!

2016年は絶好のスタートを切ることが出来、とても思い出深い山行となりました。

遅くなりましたが、皆様、今年もどうぞ宜しくお願い致します!

 

 

 

 


2015-12-12~13 北八ヶ岳・天狗岳

2015-12-14 12:28:13 | ガイド山行記録

モンスターエルニーニョの影響で激しい暖冬の中、雪を求めて北八ヶ岳・天狗岳へ行ってきました。

入山は定番の渋の湯。相変わらずの雰囲気。しかし今年は雪が少なすぎる、というより無い…。

 

ほぼ100%夏道をたどり、稜線をめざし登っていきます。

 

前日の季節外れの暖かい雨の影響で、この日の朝は完全に道は凍結。神経を尖らせ、集中してのハイクアップ。そして最後はたまらずアイゼン装着…。いやー歩きづらいシーズンだなー。

黒ユリヒュッテの前もご覧の通り。この日は中山までアイゼンを履いての足慣らしをして終了。あたたかな小屋で愉快に夜を過ごしました。そうそう、なぜかこの日に限り、ここで複数の知り合いにばったり!山の世界ってホント狭いですね。

 

翌朝は夜半からの雪で、一面の銀世界!とまでは行きませんでしたが、小屋の前は薄らと白いものが2cmほど積もっていたかな…。

朝食を済ませ、7時15分に黒ユリヒュッテを出発。薄らと積もった雪のおかげで昨日よりは歩きやすい。

 

昨日練習したアイゼンワークを駆使し??、中山峠からの稜線を東天狗岳目指して登っていきます。

2シーズン目のお客さんはアイゼン、ピッケルワークが板についてきました!

 

山頂直下で念のためロープを使用。薄らと積もった雪の下には岩やら木やら、何が隠れているか分かりませんからね。

無事に東天狗岳登頂。風はあるものの、気温はさほど冷え込んでいるわけでもなく、快適な山頂でした。

 

小休止ののち、東天狗岳山頂から中山峠まで戻り、今度は一路高見石へ。時間降雪1cm未満の降雪でしたが、樹林の中は雪に覆われてそれなりに冬山。

中山から高見石にかけての下りは、凍った夏道に薄らと乗る新雪。デコボコした岩の間は、アイゼン履きではちょっと辛かったかも。

 

大岩の積み重なる高見石もご覧の通り。忠実にマーキングをたどって展望台へ。しかし肝心の展望はゼロ…。

それでも冬山らしい雰囲気に、大満足のお二人でした。

 

しかし、核心部はここからでした…。高見石から渋の湯への下り、だたでさえ歩きづらい賽の河原は、湿り気を増したベシャ雪の影響でとてもスリッピー!この日一番の難所と化していました!!

いやー、シーズン初めからとんだ洗礼を受けた感じの山行でした。次回は白い雪の斜面に乞うご期待!!


2015-9-26~28 東鎌尾根

2015-09-30 12:36:58 | ガイド山行記録

山もすっかり秋の模様。色づき始めた槍ヶ岳を歩いてきました。

 

26日は中房温泉から旅が始まりました。

 

合戦尾根から燕山荘へ。秋の空がとてもきれいでした。

 

燕山荘から大天井までは雲海の上。北鎌尾根の先にそびえる槍ヶ岳を眺めながらの心地よいアプローチでした。

 

翌27日は曇りがちの天気。大天井ヒュッテを朝6時に出発。喜作新道を一路西岳へ。

ヒュッテ西岳からは、目の前に圧倒的な存在感を示す槍ヶ岳を目指して登りました。

槍が近づくにつれて岩がちな道になっていきます。慎重に通過する場面も。

水俣乗越まじかのテラスよりはるかに霞む槍ヶ岳を目指して!

 

いよいよ核心部に差し掛かります。肩の小屋が見えているのに遠い!

この日は小屋に着くなり大休止。あたりは雲も多く展望もイマイチのため穂先への登りは明日にしました。

 

翌28日は快晴。風は強いものの、絶好の登頂日和。

 

槍の穂先からは立山も。なんだかやけに近く見えました。

下りはロープを付けて慎重に下降。

 

槍沢の下りは紅葉がとてもきれいでした。

 

あとはひたすら上高地をめざし行軍。

上高地からの眺めもとても気持ちの良いものでした。秋の槍穂を満喫した3日間でした!