ソウル・フォト Soul Photo

魂に響く写真を届けたい・・・。

あしたのために その31

2008-12-31 23:23:45 | あしたのために
写真:Canon EOS-3

 そろそろ2008年が暮れていく
 海の向こうの暗雲を気にしつつも
 穏やかに秋を迎えたはずが
 瞬く間に雲が全天を覆い
 とんでもない突風が吹き荒れた
 この風はいつ止むのだろうか

 まもなく師走というころ
 このカメラを手に入れた
 3年前事情があって泣く泣く手放したカメラだった
 道具として大きな信頼を寄せていたカメラだった

 発売はちょうど10年前
 フィルムカメラが全盛を誇っていたころだった
 デジタルカメラ全盛の今でも
 このカメラの魅力は衰えない
 今回中古で入手したのだが信頼も揺るがない

 それはひとえにこのメーカーの志しであろう
 どんな人たちが開発し
 どんな人たちが製造し
 どんな人たちが売り歩いたかは知る由もない
 ただ
 一人の顧客を満足させる製品を提供してくれた
 もしかしたら
 「お客様のために」なんて
 これっぽっちも考えていない人が携わっていたかもしれないが
 それでもいいのだ
 その人自身が生きるために
 家族と生きていくために
 汗水を流してこのカメラを作り上げてくれたのだ
 生きるために一生懸命作り上げてくれたのだ
 その想いその誠がこのカメラに宿っている

 あれから10年
 このカメラはすでに生産していない
 時代が変わった
 カメラもフィルムからデジタルへ
 雇用形態も多種に渡る
 今市場に流れているこのメーカーのカメラは
 どなたが造り上げているのだろう
 10年前と同じ志しを携えているだろうか

 モノは人が造る
 けれど
 人はモノから造れない
 人は人が育てて造る
 人も財産だ
 このメーカのカメラを造り上げる誰もが財産だ

 このメーカに限らず全てのメーカーには
 人の価値をもっと見つめなおしてほしい
 人が関わらずにはモノが造れないのだから

 まもなく年が変わる
 誰もが暖かい新年を迎えられることを心より祈る
 あしたからの新たな希望のために

 止まない風はない
 冬の次は必ず春だ