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「調布 妖怪通信」 アーカイブ

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火事より恐ろしい妖怪の火

2015-06-06 16:07:00 | 妖怪
前回の記事で「つるべ火」をはじめ、幾つかの"火"の妖怪を紹介しました。実は日本妖怪の世界では"火"の妖怪は驚くほどたくさんあります。"妖鬼化"の収録妖怪とWikipediaの"日本の妖怪一覧"の中で、その名に「火」という文字が入った"火"の妖怪だけでも、遺念火鬼火ブナガヤ火青鷺火火車狐火不知火天火金の神の火提灯火釣瓶火野宿火野火焼火権現たくろう火迷い火姥火火前坊蜘蛛火小右衛門火地黄煎火じゃんじゃん火二恨坊の火化け火火の車ほいほい火海月の火の玉古戦場火天狗火陰火心火火取魔蓑虫火迎え火送り火老人火利根川の火の玉古籠火風呂桶の火の玉悪路神の火遊火アヤカシの怪火筬火火象金火けち火権五郎火叢原火狸火刀自待火二恨坊の火猫股の火火魂火をかせふらり火亡霊火亡者火分部火 と60種近くも拾い上げられます。その他にも"火"の文字がはいってなくとも「人魂」や「輪入道」のように火に所縁にある妖怪を含めると、100を下らないかもしれません。そんな"火"の妖怪を、今回はレトロな妖怪図鑑からピックアップしてみます。先ずは「青鷺火」。別名「五位の光」とも呼ばれますが、「青鷺火(五位の光)」は江戸期の妖怪画の巨匠、鳥山石燕の一連の妖怪画集と竹原春泉による妖怪画集(絵本百物語)に唯一、併載されている当時のメジャー妖怪であります。で、下図は佐藤有文/著「お化けの図鑑 妖怪がとび出す」から・・・
幸福の象徴である童話の"青い鳥"のようですが、殺された後の復讐が酷過ぎ。

一方、同じ著者による「いちばんくわしい日本妖怪図鑑」の「青さぎの火」の解説によると、前者とは異なる性質の悪い妖力が記されております。青い火を見た人は"よいことがある"のではなく、"×××"になるというのです。著者の佐藤氏は他界されておりますので、もう、どちらが本当かは不明であります。
"×××"にする相手はひなを飼っている人じゃなくて、ひなを獲って売った人でしょ?

次は「火車」。"かしゃ"と読む「火車」はメジャー妖怪の一つですが、「大人を恐がらせる 大妖怪伝説」の「火車」は"ひぐるま"と読み、全く別の妖怪で、どちらかというと鳥山石燕による「片輪車」に似た姿で、文字通り大人も"恐い"と思わざるを得ない、逆恨み有害妖怪であります。
罪の無い人を"×××"だけでなく、喋れなくするとは…。地獄に閉じ込めて置けよ、閻魔さん。

3つめは「蓑虫火(蓑火)」。「悪魔・オカルト 大全科」のそれは、独特な解釈による解説がなされております。一般的には蓑にまとわり付く"火"の方を妖怪としているのですが、この大全科では"蓑笠"自体が妖怪化したものとしております。
首を傾げるいたいけな少女も飢饉にさらされたのか・・・これも理不尽な話であります。

最後は上記に羅列した"火"の妖怪には入っていない妖怪「爪の火」。葛飾北斎が添書きを付けた図画として描き残しております。"爪に火を灯す"という文言は"ひどく貧しい生活をする"、"苦労して倹約する"、"ひどくけちなこと"のたとえで使用されますが、「爪の火」は金銭に執着した貪欲なる金の亡者で、他人を苦しめて金を集めたがる妖怪のようであります。下はその図画ですが、妖怪部分は原図だと判り辛いので彩色しております。
さすが妖怪。ここまでのネイルアートは人間は誰も真似できないのでありました。


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