前回の記事で「つるべ火」をはじめ、幾つかの"火"の妖怪を紹介しました。実は日本妖怪の世界では"火"の妖怪は驚くほどたくさんあります。"妖鬼化"の収録妖怪とWikipediaの"日本の妖怪一覧"の中で、その名に「火」という文字が入った"火"の妖怪だけでも、遺念火・鬼火・ブナガヤ火・青鷺火・火車・狐火・不知火・天火・金の神の火・提灯火・釣瓶火・野宿火・野火・焼火権現・たくろう火・迷い火・姥火・火前坊・蜘蛛火・小右衛門火・地黄煎火・じゃんじゃん火・二恨坊の火・化け火・火の車・ほいほい火・海月の火の玉・古戦場火・天狗火・陰火・心火・火取魔・蓑虫火・迎え火送り火・老人火・利根川の火の玉・古籠火・風呂桶の火の玉・悪路神の火・遊火・アヤカシの怪火・筬火・火象・金火・けち火・権五郎火・叢原火・狸火・刀自待火・二恨坊の火・猫股の火・火魂・火をかせ・ふらり火・亡霊火・亡者火・分部火 と60種近くも拾い上げられます。その他にも"火"の文字がはいってなくとも「人魂」や「輪入道」のように火に所縁にある妖怪を含めると、100を下らないかもしれません。そんな"火"の妖怪を、今回はレトロな妖怪図鑑からピックアップしてみます。先ずは「青鷺火」。別名「五位の光」とも呼ばれますが、「青鷺火(五位の光)」は江戸期の妖怪画の巨匠、鳥山石燕の一連の妖怪画集と竹原春泉による妖怪画集(絵本百物語)に唯一、併載されている当時のメジャー妖怪であります。で、下図は佐藤有文/著「お化けの図鑑 妖怪がとび出す」から・・・
一方、同じ著者による「いちばんくわしい日本妖怪図鑑」の「青さぎの火」の解説によると、前者とは異なる性質の悪い妖力が記されております。青い火を見た人は"よいことがある"のではなく、"×××"になるというのです。著者の佐藤氏は他界されておりますので、もう、どちらが本当かは不明であります。
次は「火車」。"かしゃ"と読む「火車」はメジャー妖怪の一つですが、「大人を恐がらせる 大妖怪伝説」の「火車」は"ひぐるま"と読み、全く別の妖怪で、どちらかというと鳥山石燕による「片輪車」に似た姿で、文字通り大人も"恐い"と思わざるを得ない、逆恨み有害妖怪であります。
3つめは「蓑虫火(蓑火)」。「悪魔・オカルト 大全科」のそれは、独特な解釈による解説がなされております。一般的には蓑にまとわり付く"火"の方を妖怪としているのですが、この大全科では"蓑笠"自体が妖怪化したものとしております。
最後は上記に羅列した"火"の妖怪には入っていない妖怪「爪の火」。葛飾北斎が添書きを付けた図画として描き残しております。"爪に火を灯す"という文言は"ひどく貧しい生活をする"、"苦労して倹約する"、"ひどくけちなこと"のたとえで使用されますが、「爪の火」は金銭に執着した貪欲なる金の亡者で、他人を苦しめて金を集めたがる妖怪のようであります。下はその図画ですが、妖怪部分は原図だと判り辛いので彩色しております。

一方、同じ著者による「いちばんくわしい日本妖怪図鑑」の「青さぎの火」の解説によると、前者とは異なる性質の悪い妖力が記されております。青い火を見た人は"よいことがある"のではなく、"×××"になるというのです。著者の佐藤氏は他界されておりますので、もう、どちらが本当かは不明であります。

"×××"にする相手はひなを飼っている人じゃなくて、ひなを獲って売った人でしょ?
次は「火車」。"かしゃ"と読む「火車」はメジャー妖怪の一つですが、「大人を恐がらせる 大妖怪伝説」の「火車」は"ひぐるま"と読み、全く別の妖怪で、どちらかというと鳥山石燕による「片輪車」に似た姿で、文字通り大人も"恐い"と思わざるを得ない、逆恨み有害妖怪であります。

罪の無い人を"×××"だけでなく、喋れなくするとは…。地獄に閉じ込めて置けよ、閻魔さん。
3つめは「蓑虫火(蓑火)」。「悪魔・オカルト 大全科」のそれは、独特な解釈による解説がなされております。一般的には蓑にまとわり付く"火"の方を妖怪としているのですが、この大全科では"蓑笠"自体が妖怪化したものとしております。

首を傾げるいたいけな少女も飢饉にさらされたのか・・・これも理不尽な話であります。
最後は上記に羅列した"火"の妖怪には入っていない妖怪「爪の火」。葛飾北斎が添書きを付けた図画として描き残しております。"爪に火を灯す"という文言は"ひどく貧しい生活をする"、"苦労して倹約する"、"ひどくけちなこと"のたとえで使用されますが、「爪の火」は金銭に執着した貪欲なる金の亡者で、他人を苦しめて金を集めたがる妖怪のようであります。下はその図画ですが、妖怪部分は原図だと判り辛いので彩色しております。

さすが妖怪。ここまでのネイルアートは人間は誰も真似できないのでありました。
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