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ポジティブな私 ポジ人

漫然と

これまで、偉い人の挨拶を数々聞いてきた。
園長先生、校長先生、就職先の理事長、社長などなど。
大抵の場合、聞いてないか聞いていても内容は直ぐに忘れてしまう。
でも、ただ一人だけおっしゃった内容を覚えている方がいた。

私が初めて社会人になって就職した職場のO常務の話だ。

O常務は、失礼を承知で言うと、見るからに田舎のおじさんといった風貌の方だった。
ゴマ白髪の五分刈りのヘアスタイルで布袋様のようなお腹。いつもずり下がるズボンをベルトを揺すりながら、持ち上げて直すような姿が記憶に残る。
お顔は眉毛は太く黒ぐろと、鼻は団子っ鼻。どこのお国訛りであったか忘れたが、ズバズバとストレートにお話をされる方だった。

「皆さんはトイレで大をした時、前から拭きますか、後ろから拭きますか?」とある時こんな話から切り出された。
ビロウな話である。私が覚えているのも、そんな型破りな始まりかたで衝撃が大きかったからだろう。

質問されたので、頭の中でどちらからだったろうと考えもしたが、直ぐに答えが出なかった。
O常務は、正に答えが直ぐに出ないのを見透かす様に、
「前からだったか後ろからだったかわからようでは駄目だ。漫然と日常を過ごしてはいけない。何事にも意識を向けて、仕事にも生かすように」といった内容であったと思う。

その話を思い出したのも、最近バナナを安さだけで、漫然と買い求めていた自分に気づいたからだった。

朝、シリアルとバナナを分けて食べるようになってから、バナナの味が気になり出した。

私が買う安価なバナナの種類といえば、最近はフィリピン産かエクアドル産の何れかだ。これまで全く気にせず買って食べていた。それでも、ぼんやりと今日のは美味しいとか、今日のはまずいと判断はしていたが、それがどこ産のバナナかということまでは、考えもせずに完全にスルーしていた。

産地を確認して食べたところ、フィリピン産は果肉が柔らかく、香りも良いし、食感も好き。
エクアドル産は、果肉に弾力があり、この弾力のある食感があまり好きじゃなかった。甘さもフィリピン産の方が、甘いような気がする。

結果がはっきりして良かった。これでより良い選択が出来る。

まだまだ自分は漫然と行っていることが多い。ちゃんと意識を向け無くちゃいけない。

バナナの選び方に関連して「漫然と」という言葉から、懐かしくO常務の事を思い出した。
それにしても、あの話、例えるにしても、もう少し他に何か無かったのだろうか。まあ、ビックリ度が大きすぎて今後も死ぬまで忘れることはないだろう。衝撃のあの話を。





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