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納税者の怒り沸騰 佐川長官はよくぞ正気でいられるものだ

2018-01-31 | いろいろ

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納税者の怒り沸騰 佐川長官はよくぞ正気でいられるものだ

 あの国会答弁は何だったのか。

 学校法人「森友学園」に国有地が8億円も値引きされて売却された問題で、財務省の佐川宣寿前理財局長は、事前の価格交渉をかたくなに否定してきた。「交渉記録は廃棄した」と何度も言い切った。それらの発言を覆す証拠資料が、次々と明らかになっている。

 神戸学院大教授の上脇博之氏の情報公開請求に対し、財務省が今月4日に開示決定した内部文書には、こう書かれていた。
 <売買金額については、できる限り学校法人との事前調整に努めるものとする>

 開示された内部文書は、森友学園との売却交渉が本格化する前の2015年12月1日付で、近畿財務局の売却担当者が法務担当者に法的リスクの確認などを行った「照会票」と、その回答である「相談記録」。佐川前局長は国会で「価格について、こちらから提示したことも先方からいくらで買いたいといった希望があったこともございません」と答弁していたが、内部文書には、価格の「事前調整に努める」とハッキリ書かれている。

「昨年3月に情報公開請求した際は、開示決定しながら交渉記録が1枚もなかったため、訴訟を起こしました。その上で、昨年9月に『学園の担当者からの意見、要請に基づき庁内で作成した報告文書、回覧文書』など具体的に情報公開請求をやり直したため、財務省も出さざるを得なくなったのでしょう。2度目の開示請求にも『担当者とは誰のことですか』と難クセをつけてきたりして、スンナリ開示には至らず、4カ月も待たされましたが、この文書によって、森友学園の希望に沿う形で国有地が払い下げられた流れが分かる。15年12月といえば、森友学園が10年後に国有地を買い取る条件で国と定期借地契約中だった時期の内部文書で、財務省側は森友学園にカネがないことも把握していました。この後、16年3月に地中から大量のゴミが見つかり、6月にゴミの撤去費として約8億円を差し引いた破格の安値で売り払ったのです。森友側の希望価格で譲渡するためには、大量のゴミがあったことにするしかなかったということではないでしょうか」(上脇博之氏)

籠池夫妻は極寒の冬を拘置所で耐える

 この内部文書と、昨年明らかになった財務局と森友側の協議内容を収めた音声データと照らし合わせると、より鮮明に全体像が浮かび上がってくる。ゴミが見つかった後、森友学園の籠池前理事長が昭恵夫人の名前も出して安倍夫妻との関係をチラつかせ、「ぐーんと下げていかなアカンよ」と迫るのに対し、財務局の担当者は「理事長がおっしゃるゼロに近い金額まで、できるだけ努力する」と返答。その結果、鑑定評価額9億5600万円の国有地が、実質200万円という「ゼロに近い金額」で売却されたのだ。

「価格交渉はなかった」という佐川前局長の答弁が虚偽だったことは明らかで、内部文書が残っている以上、交渉記録も存在する可能性が高い。それを「廃棄した」と強弁し、体を張って政権を守った佐川前局長は国税庁長官に栄転である。

 一方の籠池夫妻は逮捕され、現在も大阪拘置所に閉じ込められたままだ。証拠隠滅の恐れも、逃亡の恐れもないのに、保釈請求を認めず、家族との接見も禁止。籠池前理事長は窓のない独居房に入れられ、妻の諄子氏はエアコンのない部屋に収容されているという。この寒さで、体調が心配になる。異例の長期勾留は拷問に近い。日本はいつから、こんな人権侵害がまかり通る暗黒国家になってしまったのか。

国税庁長官就任は「適材適所」の答弁に議場は騒然

 「こういうことを平然とやる政権だから、モリ・カケ疑惑のような問題が次々と持ち上がるのです。仲間内で税金をゴマカし、取り入る者は引き立てて、邪魔者は切り捨てる。本来、国有地は国民の財産ですから、適正な対価なしには貸すことも売ることもできません。内部文書で手がかりを得られた森友問題は、真相を解明して、誰かが責任を取らなければならない。真実を隠し、嘘までついて政権を守った人物が国税庁長官では、国民の怒りも収まりません。税務署の現場の職員もかわいそうです」(上脇博之氏=前出)

 来月16日からは確定申告が始まる。国税庁は適正な申告を呼びかけるキャンペーンをしているが、国税庁や税務署には苦情が殺到しているという。そりゃそうだ。確定申告で虚偽が見つかれば厳しく罰せられる。書類の不備も許されない。「記録は破棄」と嘘をついて政権のデタラメを助けた佐川長官がトップでは、税金を払う気もなくなるというものだ。

 通常国会が始まり、安倍首相の施政方針演説に対する代表質問でも、佐川長官の問題が取り上げられた。立憲民主党の枝野代表は、理財局長時代の佐川発言が「虚偽答弁であったことは明々白々」と断罪し、資料の廃棄は、公文書管理法違反にも触れると指摘。国税庁長官就任は「常識では考えられないこと」と批判して、即時更迭を求めた。

 しかし、安倍は「他のすべての人事と同じで、適材適所」と答弁。議場からは一斉に「ええー」と声が上がり騒然となった。

 共産党の小池書記局長も、代表質問で「明らかな虚偽答弁。総理は『適材適所だ』と言うが、このような人物が国税庁長官であることに納税者の理解が得られるとお考えか」とただした。

■ 子供や孫に顔向けできるのか

 「納税者は、佐川長官の国会答弁を決して忘れることができないでしょう。これまで『記憶にない』と答弁することはあっても、国会でこれほどの嘘八百を言うことはなかった。第2次安倍政権で、国会の存在はずいぶん軽くなりました。その場しのぎの嘘を言ったり、後でバレたら訂正すればいいというおごりが見える。政権側につくのか、裏切るのかだけで国会運営をしているように見えます。ただ、かばうつもりはありませんが、佐川氏には1強独裁体制の犠牲者という面もある。身をていして政権を守った論功行賞で国税庁長官に出世しても、恒例の長官就任会見も開けず、堂々と表を歩けない日陰者になってしまった。イビツで異常な状況です。政権がおかしなことをしなければ、国会で嘘を言う必要もなかった。政権に恩を売って一時は出世できても、子や孫に顔向けできるのでしょうか。官僚の人生まで巻き込んで、あったことを『なかったこと』にしようとするデタラメ政権は、本当に罪深いと思います」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)

 自業自得とはいえ、佐川氏と一緒に国会に招致されて「知らぬ、存ぜぬ」を通した財務省の迫田元理財局長や武内前近畿財務局長も、後ろめたさを抱えた人生になる。加計学園問題で、今治市職員と官邸で面会した事実を「記憶はない」とゴマカした柳瀬元首相秘書官らも、堂々と胸を張って生きていかれるのか。

 「現役の人たちは言えないから、私が言う」と官邸の不正を告発した文科省の前川前次官が、晴れ晴れとした表情でメディアに登場し、講演にも引っ張りだこで、自主夜間中学でボランティア講師をするなど、大手を振ってやりたいことをやっている姿と対照的だ。

 「自分のせいで納税業務が滞るかもしれないわけで、佐川長官がマトモな神経であれば、とても正気ではいられないでしょう。安倍政権が永遠に続くわけではないし、佐川長官に少しでも良心が残っているのなら、今からでも真実を話すべきです。正直者がバカを見る社会にしてはいけない。ましてや、官僚に嘘をつかせて事実をねじ曲げるなんて、近代国家であってはならないことです」(山田厚俊氏=前出)

 権力者の横暴で正義が歪められてしまった国の行く末が明るいはずがない。佐川長官は今、納税者の怒りをどんな気持ちで見つめているのか。
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