阪神間で暮らす-2

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与野党はグルなのか 悪辣政権が“逃げ切り濃厚”の茶番国会

2018-06-01 | いろいろ

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与野党はグルなのか 悪辣政権が“逃げ切り濃厚”の茶番国会


 問題の深刻さを全く理解していない。29日の衆院財務金融委。立憲民主党の川内博史議員が森友問題の決裁文書改ざんを取り上げ、今も「書き換え」と表現している財務省を批判すると、答弁に立った麻生太郎財務相はこうまくし立てた。

 「バツをマルにしたとか、白を黒にしたとかいうような改ざんといった悪質なものではない」「国会答弁に合わせて書き換えたというのが全体の流れ。従って書き換えという言葉を使っている」

 改ざんとは「悪用するために勝手に直す」ことだ。今回の財務省の行為は明らかに「証拠の隠滅」が目的だ。確信犯的な悪意をもって国権の最高機関である国会にウソの資料を提出し、それがバレないように佐川宣寿前理財局長は43回も「虚偽答弁」を続けたのだ。組織ぐるみで立法府を騙し、愚弄し、民主主義に対する裏切り行為を働いたのだ。改ざんは明らかなのに、ひん曲がった口で何をトンチンカンなことを言っているのか。

 〈国の機関が作成し、又は取得した公文書等は、組織の活動の記録であるだけでなく、国民にとっても貴重な記録であり、我が国の歴史を後世に伝えるとともに、将来の国民への説明責任を果たすための資料として不可欠〉

 国立公文書館が指摘している通り、公文書は将来の国民への説明責任を果たすための貴重な「歴史資料」であり、手を加えること自体が歴史の捏造と同じだ。「答弁に合わせて後から書き換えたけどOK」がまかり通るはずがない。そんなデタラメが許されるのであれば、後世で何も検証できなくなるし、そもそも国会質疑の意味がなくなってしまう。

■ 「伝聞答弁」を繰り返した総理が伝聞を否定する愚

 こんな低レベルの認識のヒョットコ男が、日本の大事な国庫を預かる財務相兼副総理なんて恥ずかしい限りだが、親分である総理大臣の安倍はもっと酷い。28日の参院予算委で、野党議員が森友問題で「私や妻が関係していたら総理大臣も国会議員も辞める」との安倍の過去の発言を問いただすと、シレッとした様子で「贈収賄は全くない、という文脈の中において一切関わっていないと申し上げた」と軌道修正したからだ。

 財務省が新たに国会に提出した森友との交渉記録には、妻の昭恵氏の名前がバンバン出てくる。総理夫人付職員だった谷査恵子氏が〈安倍総理夫人の知り合いの方から、優遇を受けられないかと総理夫人に照会があり、当方からお問い合わせさせていただいた〉との記載もある。誰がどう見ても昭恵氏の関与は一目瞭然で、要するにもう言い逃れできなくなったものだから「贈収賄という文脈の中において」なんて言葉を後付けしたのである。秘境というか卑劣というか、インチキにもホドがある。

 学校法人「加計学園」の加計孝太郎理事長と2015年2月25日に面会した――とする愛媛県の公文書に対する反論もメチャクチャだ。安倍は「伝聞の伝聞」と気色ばんで信憑性に疑問を呈していたが、森友問題で昭恵氏の国会説明を求める野党議員に対し「私が妻に確認したが知らないと言っていた、記憶にないと言っていた」と“伝聞答弁”で逃げていたのは他ならぬ安倍自身ではないか。

 伝聞を理由に愛媛県の公文書を全否定するのであれば、昭恵を国会に呼ばなければ理屈が合わない。そんな国会答弁を総理大臣が平然と続けて居直っているのだから、おぞましい限りだが、この国の野党は攻めきれない。国民は歯がゆいばかりだし、「何やってんだ!」と言いたくなる。

 「誰が見ても安倍首相の大罪は歴然なのに、総理にも財務相にもそういう自覚、反省がないのは、理解力がないからなのでしょうか。いずれにしても、かられがやっているのは極論すれば、国家的犯罪行為です。こんな政治状況が続けば国民生活は不幸になるだけ。国民も『牢屋にぶちこめ』ぐらいの怒りの声を上げた方がいいと思います」(政治評論家・本澤二郎氏)


腐臭を放つ総理、副総理と国民を騙すことしか頭にない官僚

 28日の衆参両院予算委では、森友問題をめぐる財務、国交両省の新たな疑惑も発覚した。会計検査院が森友の報告書を国会に提出する前の昨年9月7日、財務省の太田充理財局長と国交省の蝦名邦晴航空局長らが国会対応をめぐって密談していたのである。共産党は、会計検査院が報告書の原案を検査対象の財務省に事前に漏らしていたのではないか――と指摘した。

 明らかになった密談の協議文書によると、太田局長が「政権との関係でデメリットも考えながら対応する必要がある」「(報告書のごみ撤去費は)金額よりもトン数の方がマシ」なんて発言したらしいが、事実であれば、今の霞が関官僚のアタマの中は国会と国民を騙し続けることしかないということだ。上から下まで、これほど腐った政権は見たことがない。

 国会で1年以上続くモリカケ問題で明らかになったのは、詐欺師同然政権のゴマカシのテクニックの悪辣さだ。新たな疑惑が浮上しても「知らない」とトボケ、公文書などの動かぬ証拠を突き付けられると「確認する」と時間稼ぎし、揚げ句、アレコレと後付けの理由で正当化するのだ。出してくる国会資料も周到に計算された“改ざん資料”を小出しにしたもの。タイミングと言い、中身と言い、国会日程を睨んで「これなら大丈夫」と出しているのは明らかだ。

 それなのに野党はお人よしというのか、バカ正直というか、そんな資料をもとにわめいているだけ。だから与党は余裕しゃくしゃくで、野党に花を持たせているようにも見える。与野党はグルじゃないのか、と疑いたくなるほどだ。

■ 野党は加計学園に乗り込んで理事長を引っ張り出せ

 過労死促進法である「働き方改革関連法案」でも、29日の衆院本会議の採決は辛うじて見送られたものの、31日にズレ込んだだけだ。30日、衆院厚労委で質疑するというが、政府、与党の「きちんと審議時間を確保しました」というアリバイづくりに利用されるだけだ。

 なぜ、徹底的に審議拒否して安倍政権を追い込もうとしないのか。国民民主なんて、支持率が1%だから、選挙が怖いのか。それとも、疑惑まみれの安倍を続投させて来年参院選勝負などと思っているのか。だとすれば、永遠に安倍政権は倒せない。

政治評論家の森田実氏がこう言う。

 「野党が完全に舐められているのですよ。理由は政権を総辞職や解散に追い込む努力をしていないからです。例えば、加計問題では、なぜ、国会議員が加計学園に乗り込んで行って理事長に『出てこい』と言わないのか。国会議員が出向けばメディアも取り上げるし、新たなネタが出てくるかもしれないでしょう。東京で国会招致を訴えているだけでは事態は何も動きませんよ。国民は安倍政権に辟易しているのに野党共闘の動きも鈍い。要するに政権交代のための本気度が足りないから、政府、与党にいいようにやられているのです」

 そんな悪辣政権が米朝首脳会談前にトランプ大統領と日本人拉致問題について話し合う、というから、何を見返りに求められるのか。北朝鮮をひたすら敵視するだけで何の外交ルートもを持たないうえに、疑惑まみれで、「いつまでもつか」とみられている政権が、無様な野党のせいで、生きながらえ、外交で点数稼ぎを目論んでいるのだから、ぞっとする。こんな政権が続けば、国益にならないのは言うまでもない。
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