残念な部分もあったのは誰もが認めるものの、もう一方で誰もが名勝負として後世に語り継ぐであろうレースでもあったジャパンカップ。
ルーラーシップのようにすっかり出遅れてしまったので詳しい回顧は書きませんが、審議云々に関してはどっちもどっちというのが個人的見解です。
敢えて一言だけ書くのなら、どっちもどっちという立場から見る当事者同士のコメントを見比べていると、1着の騎手は自分の騎乗に対して反省の気持ちを示したのに対して、2着のジョッキーの方は相手の過失ばかりを気にしているように思える発言だったことが印象的でした。
まあ勝ったゆえの余裕であり、敗者ならではの立場ゆえと言ってしまえばそれまでかもしれませんが、互いに褒められた騎乗ではなかったと思います。
ただ池添騎手が追い比べの際に鞭を一発も使わなかった点に関しては、素人目にもオルフェが内にささることを矯正しなかったと捉えられてもおかしくない不可解な騎乗だったと思います。
この辺を本人に突っ込んでくれるメディアはいないのでしょうか?
もうオグリの頃の様な、名馬の生まれや育ちといったバックボーンだけを掘り下げるような回顧雑誌では私は満足できません。
せめて当該馬が引退して数年経った位で構わないので、こうした騎手の行動を深く掘り下げる記事を読みたい物ですね。
私は近年は馬の実力の平均化が進んでいるので、特に騎手を重要視するようになったのですが、競馬はなぜか(と敢えて表現します)過去の騎手経験者が突っ込んだ解説をしてくれない不思議なスポーツです。
TVでも野球やサッカーのような番組形式を取らずに、レースが始まるまでお笑い芸人やアイドルといった、一般に競馬ファンを名乗れるような人以下としか思えない知識でされた人間の予想を聞かされ、5連単が始まる前はメインレースしか放送しなかったという酷い番組が今も恥ずかしげもなく関東の日曜日の地上波で放送されています。
いつまで経ってもファンのニーズを理解出来ない見本としか言えない非常に嘆かわしい話だと思います。
経営者が目先の利益ばかりを追い求めているのは、明らかにレースの質を下げ、ファンの不評を買っているJCダートを改善しない辺りでも容易に感じられてしまうのが悲しいです。
せめてメイクデビューなんて誰も使わない名称を、新馬戦に戻すくらいしたらいいのに。
まあそうした旧態依然とした小さな不満から大きな不満の所為で、私の中ではもう競馬の世界が大きく広がっていきません。
新鮮な知識が増えず、新しい世代の情報が更新されているだけになっているだけな気がします。
じゃあ個人として受け取る楽しさが薄れた今の競馬が今後どうなるのか考えた時、最近特に思うようになったのは、現状では誰の立場でも適任とは言えないかもしれませんが、誰かが興行として今後も日本競馬を存続させるためにあるべき姿を明確にし、それに向けての大まかな仕組みづくりをしない限り、日本競馬の衰退は今後も続くというのが結論です。
福山競馬場の廃止をうけ、一度は歯止めのかかった地方競馬場の減少はまた悪い方向へと進む事となるでしょう。
景気が良くなればなんてことを言っている状況ではないことは誰の目にも明らかです。
こうした手詰まり感は売り上げが右肩下がりになったから、元々内向きだった競馬社会全体がさらに貧すれば鈍する傾向になったのかは分かりませんが、一向に改善される気配のない現状を見ていると、今後も益々中央、地方競馬ともに疲弊が加速する事でしょう。
ならば最低限、景気に大きく左右される事のない興行として、日本の競馬を維持するために、何頭の馬が必要であるのか、そのためには中央、地方にそれぞれどれだけの競馬場があるのが望ましいのか、そこから供給過多に陥らないように国内生産数を求め、さらに中国、韓国といった国々を近隣の諸国を始めとして、馬資源の海外への輸出も想定したより高品質な馬作りとそのために生産地へ必要な援助。
そうした大きな視点から根本的な建て直しに手を付けないのなら、もはや取り返しのつかないところまで一気に陥る可能性を危惧せざるを得ないのが悲しいかな現状だと思ってます。
少なくとも責任者が明確な経営責任も取らずに、ただ赤字になったから廃業するといった、そこに所属していた馬を見殺しにするようなケースをこれ以上許す気には到底なれません。
ただこうして久し振りに競馬に対して物言ってみたものの、どうせ一ファンの意見などJRAなどを始めとした経営陣の耳には入らないでしょうし、言った所で無駄なのはもう分かりきった事です。
だからここ1,2年くらいはこうした記事を書くこともめっきり減りました。
だって無駄なんですもん。
翻って一ファンとして私が確実に馬のため、それに関わる人のためになることをしようよ考えた結果、私は機会がある時、必ず馬券を買うようになりました。
帯広に行けば必ずばんえいを買い、日高に居れば門別で買う。
他の各地方競馬は言うに及ばす、中央だって買ってます。
もちろん月に使う金額は月収の2割までという大川先生の教えは厳守してますが。
他に個人として私が出来る事は撮影した馬の写真を如何に活かすことが出来るのかなんですが、これに関しては日々試行錯誤です。
まあ色々と抱えてた不満を書いていったらまとまりきれない記事になりましたが、そんな感じで一競馬ファンとして出来ることはしているつもりなので、たまには真剣みが感じられない経営陣への不満くらい書いてもお目こぼし下さい。