すずか*ぜ便り

季節の花や風景、美味しいものなど、日々の暮らしで見つけたものを気ままに撮っています。

二人にありがとうしかない・花組『CASANOVA』千秋楽(ライブ中継)。

2019-04-30 | 観劇&映画のこと

 

 

 

 28日に千秋楽を終えた花組『CASANOVA』。

チケットをゲットできず

劇場へ行けなかった公演ですが、

でもせめて映画館でのライブ中継でお見送りしたかった

二人の娘役さんがいました。

 

一人はじゅりあちゃん(花野じゅりあ)。

そしてトップ娘役のゆきちゃん(仙名彩世・せんなあやせ)。

ともに28日に卒業しました。

 

二人とも

私が劇場に通い始めた頃の

ゆうちゃん(真飛聖)率いる花組にいて

ず~っと見守ってきた娘役さんです。

とくにじゅりあちゃんは

私にとっては

ゆうちゃんの相手役だったあやねちゃん(桜乃彩音)に変わる

特別な存在として応援してきました。

 

華やかで愛らしい顔立ちの

彼女の笑顔は最高で

いつもいつも癒やされました。

 

彩音ちゃんの退団公演「虞美人」では

劉邦の奥さん役で虞美人(あやねちゃん)をいじめました。

「邪馬台国の風」では

ヒミコ(ゆきちゃん)をおとしめようと策略する

邪馬台王の娘役でした。

 

顔立ちに似合わない悪役が多い印象ですが、

学年が上がるにつれ姉御的な役柄が増えてきて

かっこいい場面が見られるのも楽しみでした。

 

じゅりあちゃんとの個人的な思い出は

東日本大震災が起こり

終演後の花組生が

劇場内で募金活動に立っていた時のこと。

ゆうちゃんは毎日募金に立っていましたが、

その頃の私は

恐れ多くてゆうちゃんに近寄れませんでした。

で、じゅりあちゃんを見つけて

彼女の持つ募金箱に募金しました。

その時に向けてくれたのがいつものあの笑顔でした。

 

満を持してトップ娘役となったゆきちゃんは

安心して見ていられる実力派ですから

トップコンビの充実という点でも

花組を一番楽しみな組にしてくれました。

 

ゆきちゃんとの思い出は

このブログでも触れた「ワイングラス事件」( → )。

あの時のゆきちゃんとのハイタッチは

本当にいい思い出になりました。

 

当然ながら、

二人の退団のご挨拶には号泣だった私でありました。

 

(この期に及んで笑いをとるゆきちゃん、さすが~。

娘役さんはまとめた髪にお花をつけることが多いのですが、

じゅりあちゃんは袴とお揃いのシンプルな緑のリボン。

最後に見せてくれたカッコいいおねえさんぶりでした)

 

「口を結ぼうとして手元を離れた風船のよう

飛んで行ってどこに着地するかわからない私を

いつも受け止めてくれたさゆみさん」

とみりおに感謝を伝えたゆきちゃん。

いえいえ、ゆきちゃんという相手役がいたからこそ

みりおがトップスターとして

円熟することができたのでは?と思います。

 

長年花組を盛り立ててくれたじゅりあちゃん、ゆきちゃん、

二人に幸あれと願わずにいられません。

 

 

 

さて。

少しばかり公演の感想など。

 

稀代のプレイボーイとして名をはせたカサノヴァの物語ですが、

一本物としてはちょっと厳しかったのではないか、というのが

一番に思ったことです。

 

みりお(明日海りお)が演じれば

どんな役も魅力的に見えてしまうのはしかたがないけど、

女性にモテモテだったのは

人としても魅力があったからエピソードが欲しいところ。

カサノヴァの魅力が私にはまったくわかりませんでした。

 

ゆきちゃんが演じたヴェネチア総督の姪・ベアトリーチェは

総督の娘として迎え入れられ

自由に生きられない覚悟を持ちつつ、

自由に生きるカサノヴァに惹かれてしまう

正義感の強い女子。

 

お忍びでカーニヴァルに出かけカサノヴァに出会うのですが、

若い女の子らしい溌剌としたベアトリーチェが本当に可愛かった。

思えばトップ娘役になってからは

役柄的なものがあって

生き生きと明るいゆきちゃんを見ることはなく、

最後にしてやっときたな、と嬉しかったです。

 

(「財産なんて、いらないわっ!」と

ゆきちゃんがジェスチャーでウッちゃったモノを

みりおがおっとっと、と受け止め

「お金は大切だよ」と渡すシーンはウケましたね~)

 

ベアトリーチェの衣装が

色使いが斬新だったりエレガントだったり

素敵なものばかりでウットリでした。

 

れいくん(柚香光・ゆずかれい)については

正直スルーしたい

 

歌はもうあきらめるにしても、

演技が1本調子だし、

ガナればいいというわけではない

悪役の‘コンデュルメル’の役作りが今ひとつ。

ちなつちゃん(鳳月杏・ほうづきあん)の

美しく妖しいコンデュルメル夫人に完全に食われてしまいました。

それほどちなつちゃんのコンデュルメル夫人は

すごみを感じるほど素晴らしかったです。

 

ちなつちゃんの月組への組替えが本当に残念で

みりおが卒業した後の花組、

大丈夫か?とちょっと心配になります。

 

今れいくんは2番手を務めているも

みりおの後を継ぐには不足するもの多く、

心もとないので

(トップ就任は)他組で少し修行してからでもいいんじゃない?

この公演では決定的にそんな思いになりました。

 

じゅりあちゃんに関しては

退団公演ですからいつもより出番が多く、

あきらくん(瀬戸かずや)とカップルになるという

並びも嬉しい結末でした。

 

謎の伯爵・ミケーレ役は

元花組組長、専科のはっちさん(夏美よう)。

久しぶりにお元気そうな姿が見られてよかったです。

じゅりあちゃん、ゆきちゃんは

はっちさんに見守られての卒業となったわけですね。

 

ミケーレは通りすがりの道楽老人的だったのが

あっと驚くラスボスに変身。

悪(コンデュルメル)を裁く教皇様になりました。

 

見覚えありありのこのシーン、

作・演出の生田先生が

イタリアのお話に‘水戸黄門’をぶっ込んできましたね~。

 

生田先生の時代劇好きを確信したので

次の星組「鎌足」がますます楽しみ。

 

(長くなりごめんなさいですけど、

平成最後は宝塚で〆とあいなりました)



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