すや亀 信州香味だより

酢屋亀本店が年4回発行する、
パンフレットに記載されたすや亀だよりを
インターネットでお読みいただけます。

信州香味だより153号~ 暖簾の向こうから(亀のおしゃべり)特別編

2015-01-20 | Weblog
~対談 味わい深い長野の歴史に迫る その二~
御開帳の春 遠くとも一度は「善光寺さん」へ


絵解き口演家/小林玲子先生・店主/青木茂人


3月に北陸新幹線が金沢まで延伸開業し、4月には、いよいよ善光寺御開帳が行われます。この盛儀の時期に向け、昨年3月に「善光寺参り絵解き図」を完成させ、1年にわたって各地で絵解きを口演してこられた小林玲子先生(長野郷土史研究会副会長)に、御開帳と善光寺参詣の意義をお話しいただきました。



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| 庶民が善光寺に寄せる千年の思いを絵解きに託し
| 語りついでいきたいのです。
                             小林先生
                              ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


青木店主(以下青木)
善光寺御開帳の春が近づきました。
3月14日の北陸新幹線延伸もあり、いつにも増して門前の町に活気がみなぎっています。交通面で東北よりも遠い印象のあった北陸が、新幹線で一気に身近になるので、大いに期待しています。
ところで、かつて江戸・信州・北陸を結んでいた北国街道は「善光寺みち」とも呼ばれていたようですね。

小林先生(以下小林)
街道沿いの各所に「善光寺へ〇里」というような道標が今も残っています。
「遠くとも一度は参れ」とうたわれたように、善光寺参りは全国の人々のあこがれでしたので、北国街道に限らず多くの「善光寺みち」があったんですよ。
長年、善光寺と門前町にまつわる伝説や物語を採集してきましたが、全国のいろんな土地や人とのゆかりを伝える102ものお話が集まりました。

青木
それが「善光寺参り絵解き図」と絵解きに反映されているのですね。

小林
ええ、一番最初に作った台本は能登から善光寺参りをした「味噌すり小僧」のお話でした。
加賀の商人「銭屋五兵衛」の物語などもあり、北陸と信州善光寺とは昔から浅からぬご縁があるのです。

青木
お膝元の我々こそ、もっと善光寺さんのことを知らなくてはいけませんね。御開帳に関しても、秘仏のご本尊に代って前立本尊さんが公開され、その指と回向柱が「善の綱」で結ばれているという程度の理解しかなくて。

小林
御開帳の高札に「御印文令頂戴者也(ごいんもんちょうだいせしむるものなり)」と書かれている通り、ご本尊と同じ閻浮檀金(えんぶだごん)という金で作られた「御印文」をいただくことが、昔から御開帳期間に善光寺を訪れる重要な意味だったのだと考えます。
この「御印文頂戴」は、毎年1月7日から15日の期間だけに行われますが、御開帳期間中だけは毎日いただけるんですね。極楽往生が約束されると伝えれられています。

青木
お戒壇巡りの「極楽の錠前」に触れるのと同じですね。
本堂前に建立される回向柱に触れるだけで満足してちゃ、もったいないですね。

小林
その通りです。

青木
前立本尊さんにお参りし、「御印文」をいただいて、お戒壇を巡る。せっかく御開帳に参るなら、ぜひ経験したいセットですね。覚えておきます。
参詣の後は、当店の善光寺店で一休みしていただくのもおすすめですよ。

小林
御開帳に向けて、「善光寺参り絵解き図」の絵解きを口演する機会も続きます。
ぜひ一度ご覧になって、1400年にわたって続く善光寺さんへの庶民の思いに触れて、御開帳に詣でていただけるとうれしいですね。



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| 本堂に参詣して前立本尊様を拝み「御印文頂戴」や「お戒壇巡り」をしてこそ
| 御開帳参詣の意味があるのですね。
                             青木        
                              ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄






【善光寺参り絵解き図】の絵解きを体験!

絵解きの感動を実際に体験しませんか。
北陸新幹線が金沢まで延伸するのを記念し、北陸にまつわるお話を含めた絵解きを、小林玲子先生とご子息・竜太郎さん(長野郷土史研究会青年部長)が口演します。
事前申し込み不要。

平成27年3月15日(日)

「善光寺参り絵解き図」の絵解き
◆時間/13:00~13:40(参加費500円)
◆場所/善光寺門前 竹風堂大門ホール
「善光寺釈迦堂の大涅槃図」の絵解き
◆時間/14:30~15:20(参加無料)
◆場所/善光寺世尊院釈迦堂
(善光寺参り絵解き図」の絵解き終了後、徒歩で釈迦堂へ移動します。
釈迦堂のみの鑑賞もできます)



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