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すや亀 信州香味だより

酢屋亀本店が年4回発行する、
パンフレットに記載されたすや亀だよりを
インターネットでお読みいただけます。

信州香味だより185号 ~暖簾の向こうから(亀のかたらい)/すや亀スタッフの裏ばなし・表ばなし

2023-01-15 | Weblog
亀のかたらい
すや亀スタッフの裏ばなし・表ばなし

営業、販売、製造、事務それぞれの現場で働く個性豊かなすや亀スタッフをインタビュー形式で紹介します。
今回紹介するのは善光寺店のベテランスタッフ・市川京子。
二年詣りや初詣ででにぎわう季節を前に、お客様にお買い物やホッとするひとときをお楽しみいただけるよう準備に余念がありません。
インタビュアー:浅野ひろこ

善光寺店販売スタッフ 市川 京子(いちかわ きょうこ)


観光の方も、地元の皆さんも心安らぐひとときを。善光寺店でお迎えします。


◆22年は善光寺御開帳が執り行われましたね
1年遅れで、いつもより1月長い3ヵ月間の長丁場。
比較的静かだった4月、忙しかった5月、そして想定以上の大にぎわいだった6月。その間、事故や深刻なトラブルがなく、無事に終わってホッとしました。
テレビ番組で当店のみそを取り上げていただいたおかげか、自家用に比較的大きなおみそをお買い求めになるお客様が多かったですね。
実は、夏に本店のみそが一時的に出荷停止になるほど、今年はみそが大人気でした。

◆特に心がけたことはありますか?
御開帳に限ったことではないのですが、にぎわう期間はお客様の出入りのスピードが早くなるので、とにかく正確さを大切にすることを意識していました。
慣れが一番怖いので、毎日、緊張を忘れないようにしていました。
とはいえ、せっかくお越しいただくお客様に長野を楽しんでいただこうと、ひと言声をかけるようにも努めました。この方は御開帳が初めてだなとか、遠方から来られたのだなとか、なんとなくわかりますので、その方に合わせたお声がけを心がけました。長野がいいところだなって感じていただけたら、きっとまたお越しくださるでしょうから。
仲見世という場所柄、地域のにぎわいに貢献できるのも、仕事のやりがいになっていると感じます。


◆入社のきかっけは?
求人の情報を見て、あぁ、善光寺へ行ったとき、赤い毛氈(ルビ=もうせん)の縁台でソフトクリームをのどかに食べたあの店だ!と思って。
そこで接客をすることにワクワクしたんです。分野がまったく違うものの、前職でも長く接客を担当していたものですから。

◆新年の抱負は?
多くのお客様にお会いできるのを楽しみに、そして、私自身も楽しい気持ちで仕事に取りくんでいきたいと思っています。

信州香味だより184号暖簾の向こうから~亀のよもやま話

2022-10-15 | Weblog
信州の伝統食 特別対談
未来へつなぐ「おやき」&「みそ」


鬼無里のいろは堂は信州を代表するおやきの老舗。具の味付けに長年当店のみそをお使いいただいています。
この夏オープンし、長野の新名所と話題の「OYAKI FARM(おやきファーム)」を訪ね、専務の伊藤拓宗さんにお話をうかがいました。聞き手は当店の青木茂太です。(10月初旬実施・文中敬称略)
ライティング:浅野ひろこ

おやきと味噌の深い縁
青木茂太(以下青木)  いろは堂さんとは30年来のお取引き。おやきに使われることで、みそに新しい価値が生まれることを常々うれしく思っています。

伊藤専務(以下伊藤) 当店のみそは、すべてすや亀さんの製品。
     おやきにとってみそは味、香りなど非常に大事な役割を担っています。
     すや亀さんには長年にわたって当店が目指す食味に合わせ、改善を重ねていただき、いまやかけがえのない存在です。

青木 ありがとうございます。いろは堂さんのおやきも、当店の通販カタログで人気の高い、なくてはならないアイテムです。


新しい発信の場「おやきファーム」
青木 こちらの「おやきファーム」へはこの夏、私も一人の客として訪れてみましたが、目の前に新鮮な光景が広がり、たいへん驚きました。
   店舗もサービスも従来のおやき店とまったく違いますし、若いお客様がとても多いですね。

伊藤 予想以上に多くのお客様にお越しいただき、ありがたいと思っています。
   おやきは信州の人にとっては行事食、県外の方にとってはおみやげ…と、特別な食べ物のイメージが強いですね。けれど、より幅広い方々に日常的に食べてい    ただきたいと、以前から考えていました。そこで見学や体験を通じて、地域の方や子どもたちがおやきを身近に親しみ、楽しめる場所にしたのです。
   仕事場を見せることで、社員はプレッシャーも感じたと思います。しかし、みんなが毎日続けている質の高い仕事を、多くの人に見てもらいたい思いもありました。隠さず見せることは、信用にもつながりますしね。
   また、鬼無里の本店の特徴である伝統や古民家のやすらぎを否定するのではなく、あえてコントラストをつけて両方の魅力を際立たせたいとも考えました。

青木 なるほど、参考になります。


「いいもの」をつくりつづける
青木 伊藤さんも私も東京で別の仕事を経験し、戻って来て伝統のある家業を未来へつないでいく立場。今、大切にしていることは何でしょうか。

伊藤 祖母の言葉「心半分、味半分」が、当社の社是なのですが、これが優先順位の第一だと思っています。創業以来の価値観が詰まっていますから。
   まずは誠心誠意いいものをつくらなくては。

青木 同感です。「いいものをつくる」という根本的な姿勢は、ずっと持ち続けたいですね。
   味や製造手法が時代とともに変化しても、決して変えてはいけないものですよね。

伊藤 何かを変えないと本質は守れないからこそ、何を変え、何を変えないか、悩み続けるのが私たちの仕事なのかもしれませんね。

青木 そうですね。今後もご一緒に「食」を盛り上げていけたらうれしく思います。本日はありがとうございました。







信州香味だより184号 ~暖簾の向こうから(亀のかたらい)/すや亀スタッフの裏ばなし・表ばなし

2022-10-15 | Weblog
亀のかたらい
すや亀スタッフの裏ばなし・表ばなし

営業、販売、製造、事務それぞれの現場で働く個性豊かなすや亀スタッフをインタビュー形式で紹介します。
今回は紹介するのは2022年入社の青木茂太。
大手食品メーカーの商品開発部署で経験を積んだ後、店主の後継者となるべく帰省、入社。
製造を皮切りに各部門の研修を続けていきます。
インタビュアー:浅野ひろこ

経営企画担当 青木 茂太(あおき しげた)


信州みその代表となるような製品をすや亀から

◆今はどんな仕事に就いていますか?
入社から3ヵ月。最初の修業として製造部門で経験を積んでいるところです。幼い頃から作業現場を間近に見てきたのですが、見るだけと実際にやるのとでは大違い。体力の要る仕事で、毎日からだが疲れますね。社長の息子として育ったのに、実は何も知らなかったんだと、思い知らされていますよ。
でも、みそづくりの工程や発酵の奥深さを目の当たりにし、ワクワクしているのも事実です。新たな知識や技術を身に付けるおもしろさを実感しています。

◆これまで大手食品メーカーに勤務していたそうですね?
はい、企画開発部門に在籍していました。研究室も工場も大規模だったので、環境や仕事の違いに戸惑うことは今も確かにあります。けれど職人の経験や技を生かして、ていねいにものづくりをする当店の仕事にも魅力を感じています。
それと、社内に活気があって、みんながイキイキと仕事している姿にも、実は驚きました。大企業ではなかなかそういきません。よい社風が確立されていることに感心しているんです。

◆みそづくり、漬物づくりに携わった感想は?
つくる大変さを身をもって知ったので、「大切に売りたい」と強く思うようになりました。それと、自分で食べる時も感謝の気持ちをもつようになりましたね。
正直言って、うちの製品はおいしいと感じます。その理由が何なのか、きちんと理解できたら、価値を再認識できそうですし、より自信をもって販売できそうな気がするんです。もっと深掘りしていきたいと思っています。

◆今後の展望は?
1年半から2年をメドに、各部門をめぐって経験を積んでいく予定です。製造の次は小売販売や営業で新たな気づきに出会えるでしょう。それも楽しみです。
今後、みそや発酵をもっと深掘りし、長野のみそを代表するようなおいしい製品をうちから世に送り出せたらと思っています。
また、少しずつ地域社会のなかでのすや亀の役割にも目を向けていけるよう、経験も深めていきたいと思います。

◆好きな商品を教えてください
ずばり「善光寺しょうゆ豆」です。冷や奴にのせるだけで、いい酒のあてになりますよ。

信州香味だより183号 ~暖簾の向こうから(亀のかたらい)/すや亀スタッフの裏ばなし・表ばなし

2022-09-13 | Weblog
亀のかたらい
すや亀スタッフの裏ばなし・表ばなし

それぞれの現場で働く個性豊かなすや亀スタッフをインタビュー形式で紹介します。
今回はパートさんのリーダー的存在として活躍中の古畑晴美。
経験と気配りをフルに生かし、正確.迅速な商品出荷に取り組んでいます。
インタビュアー:浅野ひろこ

製造部第一製造 古畑晴美(ふるはた はるみ)


正確な出荷を心掛け安心をお届けします!

◆すや亀との出会いは?
春のイベントの「みそ蔵開き」に何度も通っていたんです。
その都度、女性社員の方々がイキイキしている様子がとても印象に残りました。
くらびらきではいつも「みそづくり教室」に参加。
もっと大きいサイズで本格的な味噌造りに挑戦したいと思ったタイミングでパート募集があり、迷わず応募しました。あっという間に10年が過ぎ、ビックリです。

◆いまや出荷作業になくてはならない存在ですね
商品を間違いなくお届けするための重要な部署で責任ある仕事を任せてもらい、必死で取り組んできました。
5年ほど前に準社員にしていただいてからは、仲間のパートさん達が気持ちよく働けるよう目を配ったり、事前の準備をしたりする業務も加わりましたが、これもやりがいの一つになっていると思います。
あこがれの味噌造りの業務は、今のところみその充填(容器詰め)作業だけ。でも、とても楽しいですよ。

◆出荷で心がけていることは?
「ミスをしない!」ことですね。
食品メーカー.卸.流通小売りなどいろいろなお客様がいらっしゃり、それぞれに対応する出荷方法、出荷手順を踏む必要があるんです。
出荷時のミスがお客様やその先のユーザー様に大きな影響を及ぼしてしまう事を考えると常に緊張します。ミスした夢を見て飛び起きることが、今もあるほどです。
対策として、仕事の前に一呼吸置き、頭の中でやり方を思い描いてから手を動かすようにしています。そして、出荷前にチェックを重ねるようにも。万が一の場合は、いち早い連絡、対応を大切にしています。

◆緊張をほぐす気分転換はどのように?
趣味でベリーダンスを続けています。
先生が東京の方なので現在はオンラインレッスンですが、リフレッシュできますね。
それと推し活!
実はご当地キャラが好きでして、特に「ふなっしー」の大ファンなんです。彼を中心とするっキャラクターバンドの「CHARAMEL」も熱く応援しています。

◆ところで好きな商品は何ですか?
やっぱり味噌です。
味噌汁が大好きで、どの味噌もそれぞれに個性があって好きですが、一番好きなのは「こがね」。ここに「米こうじ」「コシヒカリ」をブレンドした合わせみそがお気に入りです。
豚汁には「コシヒカリ」がおすすめですよ。

信州香味だより183号暖簾の向こうから~亀のよもやま話

2022-09-13 | Weblog
 門前だより 
善光寺御開帳が終わって

コロナ禍により1年の遅れに加え、参拝者分散のため期間を3か月に延長して開催された善光寺御開帳は6月28日に無事終了しました。

コロナの影響もあり盛り上がりに欠けたスタートでしたが5月の大型連協うから参拝者が増え、特に6月は前月以上の参拝者数となり、地元経済に大きく貢献してくれました。
善光寺本堂と仁王門中間にある山門より撮影した写真の通り、回向柱に触れようと並ぶ行列は300m以上も続き、1時間半から2時間待ちだったとの事。
長野駅から善光寺まで1.8kmを歩かれる方も多く、市街地も大にぎわいだったようです。

善光寺店に比べ比較的落ち着いていた本店ですが、4月末にテレビ東京の「アド街ック天国」で放映された影響か、5月.6月のお昼前後は「焼きむすび」を求めるお客様の列が絶えませんでした。
また、7月31には、TBSの「バナナマンのせっかくグルメ」で、平成元年から始め、33年になる名物「みそソフトクリーム」が紹介され、夏の観光シーズンだったこともあって連日大勢のお客様にご来店いただきました。

しかし、一時的な繁盛に慢心することなく、これからもお客様に喜んでいただける味噌を作り、「焼きむすび」や「みそソフトクリーム」を提供し続けてまいりたいと気を引き締めております。

信州香味だより182号 ~暖簾の向こうから(亀のかたらい)/すや亀スタッフの裏ばなし・表ばなし

2022-06-16 | Weblog
亀のかたらい
すや亀スタッフの裏ばなし・表ばなし

営業、販売、製造、事務それぞれの現場で働く個性豊かなすや亀スタッフをインタビュー形式で紹介します。
今回は当店の最若手社員・栗田莉玖。
入社1年半を経て、伝統の味をつなぐやりがいを実感する毎日です。
インタビュアー:浅野ひろこ

本店製造部 栗田 莉玖(くりた りく)


「伝統の味」のおいしさを多くの若い人たちに共感してもらえると信じて

◆すや亀への入社の決め手は?
経営理念に「人づくり」という言葉があり、気持ちが動きました。
未熟な自分ですが、この会社で人として成長したいと思ったんです。実家の家族がすや亀を知っていて、賛成してくれたのも決め手の一つです。
面接のとき社長にみそソフトをごちそうになり、おいしかったのも好印象でした(笑)。

◆入社は11月、たくあん漬の最盛期でした
漬物は、ばあちゃんが野沢菜を漬けるのを見たことがある程度だったので、何が何だかわからず、ただ必死でした。先輩たちに一から教えてもらいながら手伝い、全身で覚えるという感じ。
その時は夢中でしたが、できあがったたくあん漬けを食べたらおいしくて。「自分がつくったんだ」と実感しながら味わいました。

◆1年半が過ぎ、今では製造に欠かせない存在ですね
やっと自分から動けるようになったところかな。部署内外の先輩の方々にいろいろ丁寧に教えていただいたおかげです。
「うわ、やらかしちゃった」ということも皆さんにフォローしていただいて助かったり。ミスから学ぶことも実は多いんですが、「同じミスはしない!」と心がけ、仕事を覚えるようにしています。

◆お客様の声に触れる機会は?
直接はありませんが、お客様から届いた感想のお便りが工場前に貼り出されたり、SNSに投稿されたコメントを見せてもらったりします。その1つ1つが大きな励みになります。
当店は若いお客様が少ないし、同年代の会話で、味噌や漬物はまず話題にならないのが現状です。でも、自分が素直に「おいしい!」と感じたように、味に感動する人は必ずいるはず。若い人が魅力を感じ、共感してくれるような商品やアピールを考えていくことが、これからは大事だろうと思います。

◆イチオシの商品は?
生塩糀」です。
大好きな肉に揉みこんで焼くと、めちゃくちゃおいしいんです。合わせて食べる野菜には「やさい大好き」をつけて♪
入社してから日々の体幹トレーニングと発酵食を活かした食生活で体重を10kg引き締めました。おすすめです(笑)。

◆今春は善光寺御開帳が開催されました
感染対策をとりながらとはいえ、市街地が例年と違う賑わいに包まれたのは確か。たくさんの人にすや亀の商品を知ってもらえたら嬉しいですね。

信州香味だより182号暖簾の向こうから~亀のよもやま話

2022-06-16 | Weblog
 門前だより 
善光寺御開帳はやくも終盤
善光寺御開帳は令和4年6月29日まで開催

すや亀善光寺店~善光寺へお越しの際はお気軽にお寄りください


コロナ禍で1年遅れた善光寺御開帳は、この春、諏訪の御柱とほぼ同時期に開催され、ついに6月29日に幕を閉じます。
予想通りコロナの影響で人出が減少したものの、開催時期が1か月延びたため、前回の7~8割ぐらいにはなったようです。

仲見世の約50軒の店のうち、1/3程が前回の2015年から入れ替わり、そのほとんどがオリジナル商品を売る専門店。しかも10軒以上が食品関係でテイクアウトを兼ねる店でした。
連日各店舗の店先には行列ができ、久しぶりに賑わっていました。
1996年の出店以来「みそソフト」「みそ焼むすび」「甘酒」等、常に専門性のある自社開発商品を提供してきた当店にとっては、次の御開帳までの新しい課題も見えてきました。

そんななか、6月に4代目が入社しました。
大手食品メーカーの研究室や開発室に勤務していた経験を活かし、本店増床や新製品の開発などに取り組みます。次回の御開帳では新たなすや亀をご覧いただけることをご期待ください。


まもなく終了すや亀の御開帳特別企画 ご紹介
6月29日までの善光寺御開帳期間中の週末限定で、門前みそを使った「みそあんパン」を販売しています。
ご当地名物を作ろうと地元の人気パン店と共同開発。上品な甘さと香りが特長です。
直径7cm、薄皮の生地の中にあんがぎっしり詰まっておりそのあんに当店の甘口みそ「こがね」を練りこみました。

善光寺店では御開帳期間中のみ土曜日に30個を数量限定で販売。本店では金曜日に限定販売をしており、御開帳終了後は毎月最終金曜日の月1回販売をする予定です。※賞味期限2日のため発送不可

本店食味処では御開帳期間限定でたいへん好評を頂いているランチ、「御開帳御膳」もまもなく終了です。
6月29日までにお越し頂ければお召し上がりいただけます。







信州香味だより181号暖簾の向こうから~亀のかたらい

2022-01-17 | Weblog
七年に1度の盛儀
善光寺御開帳と仲見世の変遷

感染対策のもと令和4年春開催
この4月3日から6月29日まで行われる善光寺御開帳は、新型コロナの影響で本来の予定を一年ずらし、今年の開催となります。
人々の密集や濃厚接触が心配な「回向柱」参拝や「お戒壇巡り」は、それぞれ綿密な対策が取られ実施されます。とはいえ前回までのような人出があるか心配されます。

店舗の20%が入れ替わった仲見世
善光寺仲見世では、この3年で50店舗のうち10店(20%)が入れ替わる大激変が続いています。この先もさらに新しい店舗業態への変化が予想されます。
2年間にわたる新型コロナの影響で観光客の激減がありましたが、昨年末の段階では回復が見られていました。
昔ながらの土産物商品ばかりを扱っているお店では現代のお客様の満足を得られず、衰退するばかりでした。しかし、さすがは善光寺仲見世。撤退が決まった店の後は、すぐに新規の出店が決まります。

業態や顔ぶれにも時代の流れ
当店が出店した長野冬季オリンピック前の1996年当時は、新規出店自体がほとんどありませんでした。しかも当店のように「みそソフト」や「田楽モチ(当時は「焼むすび」は扱っていませんでした)」といった飲食のテイクアウトを主体とする出店は大変珍しがられたものです。
現在の新規参入の店舗は、おやきのいろは堂さんやりんご菓子の二葉堂〈ベニベニ〉さんのように地元資本で個性の確立した自社商品(食品)を持つタイプと、スターバックスさんや杉養蜂園さんのように全国展開しているタイプに大別されます。
お客様により満足いただける店が多くなることは、仲見世全体にとってもよいことではないかと感じています。

信州香味だより181号暖簾の向こうから~亀のよもやま話

2022-01-15 | Weblog
農家の高齢化と気温上昇による天候不順
2022年から大根も「かまくらや」田中さんに委託
 
   

大根栽培の新しい担い手
長野市七二会の内河さんに大根の栽培をお願いして約20年になります。
戸隠から始まり、鬼無里、小川村、菅平、高山村と長野市周辺の農家に依頼してきましたが、近年は長野市松代や七二会等近辺の農家が主力となってきました。
内河さんからは「こんなに楽しくおもしろい作物はない、体の続く限りがんばりたい」と、ありがたいお言葉をいただいています。とはいうものの、他の農家の方も含め、高齢化で離農せざるを得なくなるのではないかと、心配は尽きません。
そんな時、心強いお話をいただきました。

そば栽培のかまくらやさん 多品種栽培化へ
松本の「かまくらや」さんが、ニンジンや漬物用の大根の栽培を始めたというのです。
昨年の「亀のよもやま話」で取り上げたように、「かまくらや」さんは遊休休耕農地約170hを活用し、そば栽培を主力に農業を営む県下最大の農業法人。すや亀では数年前から大豆の栽培をお願いしています。

2020年からのコロナの影響で、外食や観光の低迷からそばの需要が落ち込み、「かまくらや」さんでは、経営安定のために2021年から多品種栽培に方針変更されました。
トマトジュースの原料栽培を手始めに、ニンジン、大根の栽培をスタート。ことにトマト栽培では大型の収穫機械を導入し、初年度でなんと200tを収穫し、新聞などにも取り上げられました。ニンジン、大根は同じ収穫機械を共用できるとのこと。
若い社員さんとともに機械化できることは機械化し、作業の合理化を図っていくそうです。
来年からは漢方薬の原料の栽培も始めるとうかがっています。

来シーズンのたくあん漬けにご期待ください
昨年は残念ながら間に合いませんでしたが、今年からはたくあん漬け用の大根を「かまくらや」さんにも委託します。
実はここ数年、大根の収穫が思うようにいかず、昨年はたくあんの発売開始からわずか1週間で、今年もたった2週間で売り切れてしまい、楽しみにしておられるお客様には大変ご迷惑をおかけしました。
これで来年からは安心して販売ができそうです。

信州香味だより180号~亀のよもやま話

2021-11-16 | Weblog
特別りんご鼎談
最高の「サンふじ」を、信州から心を込めて


すや亀がお届けする「サンふじ」は2021年から長野フルーツカンパニーさんに納入をお願いしています。
同社は長野市を拠点とする青果流通のプロ。今年のりんごの状況などについて近藤 正社長、坂田寿弘常務にお話ををうかがいました。聞き手は当社営業部長・松井由和です。(文中敬称略)
ライティング:浅野ひろこ


お客様に喜んでいただける味わいを
松井  いよいよりんごのシーズンが始まりました。今年はどんな状況でしょうか。

近藤社長(以下近藤) 開花期の5月に遅霜があり、どの品種にもかなり影響が出ています。
     全体の収量が少ないのに加え、軸に近い表皮が白っぽくなる「サビ」という現象が多くの実で起きているんです。
     味や歯ごたえは問題ないのですが、見た目も大事にする贈答用のりんごは貴重品になりそうです。

坂田常務(以下坂田) とはいえ、すや亀さんのお客様に喜んでいただけるよい品をしっかりご用意して、ご期待にお応えしますよ。

松井  多くの生産者さんとのネットワークと、安定した流通の仕組みを確立されている御社のような「中卸(ルビ=なかおろし)」さんの存在を頼もしく思います。


飯綱産「サンふじ」へのこだわり
松井  当店はみそ屋ですが、毎年りんごを楽しみにご注文くださるお客様もいらっしゃるので、ご期待にお応えする責任を感じています。
    りんごの販売を始めた1983年以来、懇意の生産者さんにお願いしてきましたが、高齢で継続がむずかしくなりました。
    そこで以前から漬物用の野菜や中玉りんごのお取引があり、青果のプロとして信頼している御社に、当店がこだわる飯綱産の高品質な「サンふじ」
   (無袋の「ふじ」)をお願いしたわけです。

近藤  すや亀さんからはいつも「お客様によい品を」という一貫した姿勢を感じ、私どもも気を引き締めて取り組んでいます。
   「ふじ」は糖度と酸味のバランスが非常にいい品種。
    飯綱町のりんご畑はりんご栽培に適した標高550m前後の傾斜地に広がり、寒暖差で実が糖度を蓄えおいしく育つのです。
    ことに南斜面では朝から日没まで実全体がたっぷりの陽光を浴び、きれいに色づきます。

坂田  生産者さんもまじめで、いいものをつくることにとても熱心ですね。


おいしいリンゴを健康づくりにも
松井 「毎日1個食べれば医者いらず」なんてことわざがあるほど、りんごは健康にいいといわれていますね。

坂田  食物繊維が多いですからね。整腸作用は見逃せません。

近藤  マニアックなほどりんご好きな人を知っていますが、確かに健康ですよ。
    りんごに限らず、旬の青果を新鮮な状態でお届けするのが私どもの役割。しっかり果たしていきます。

松井  そのおかげで当店も自信を持ってお客様にお届けできます。今後ともよろしくお願いします。