すや亀 信州香味だより

酢屋亀本店が年4回発行する、
パンフレットに記載されたすや亀だよりを
インターネットでお読みいただけます。

信州香味だより151号~ 暖簾の向こうから(亀のおしゃべり)特別編

2014-08-11 | Weblog
~対談 味わい深い長野の歴史に迫る その一~
「門前町・長野」の魅力を一人でも多くの方々へ

平成27年春は7年ぶりの善光寺御開帳。門前の一角に位置する当店も、全国からのお客様をお迎えし、地域の魅力をお伝えできるよう準備を始めています。その一環として”善光寺門前のことならこの人”と、多方面から絶大な支持を得ている絵解き口演家・小林玲子先生に、門前の歴史や見どころについてお話をうかがいました。


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| 歩いてみると、よくわかります。
| 善光寺さんだけでなく、その門前の町にも魅力があふれているんですよ。
                             小林先生
                              ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

青木店主(以下青木)
ようこそお越しくださいました。
先生のご主人が会長、先生が副会長をなさっている「長野郷土史研究会」発祥の地は、この近くなんですね。

小林先生(以下小林)
そうなんです。
夫の父計一郎が1958年に、このすぐ近く(すや亀の西300m)に設立しました。
住まいを兼ねておりましたので、母がよくすや亀さんのお味噌を買っていたそうですよ。
お店の前の道に「寿町(ことぶきちょう)通り」という、おめでたい名前がついているのをご存知ですか。

青木
ええ。その名前で呼ばれることはめったにないですが、道標はあります。
この通りは大正元年に開通して命名されたと聞いております。
うちの店はその開通に合わせて前年の明治44年に新築したのです。

小林
長野駅ができた明治21年当時、駅から延びる道として開通したのが、千歳町通りと末広町通り。どちらもおめでたいでしょう。
「寿町通り」の命名については正確な記録はないようなのですが、駅前に負けないぞという地域の皆さんの気概がこもっているように思われます。

青木
なるほど、身近な歴史の中に意外な発見が潜んでいて興味深いですね。

小林
長野では善光寺さんがとても有名ですが、それを支える門前の街並みも実に魅力的。
それを体感してもらおうと父が考案したのが「善光寺七福神めぐり」でした。

青木
この通りには十念寺さん(福禄寿)がありますね。寿町通りにふさわしい。

小林
すや亀さんもありますでしょう。お店が魅力的な通りは人が歩きます。

青木
責任重大だ(笑)。
今、門前では御開帳を前に、老舗、新店、それぞれに魅力的なおもてなしの取り組みを始め、活気づいています。
32年の歴史を持つ「善光寺門前会」の一員である当店も頑張らないと。

小林
お店だけでなく、門前の自社も御開帳して、全国の皆さんをお迎えしましょうよと、「門前総開帳」を呼びかけているんです。

青木
素晴らしい取り組みですね。実現を期待します。


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| 頑張っている老舗があり、新しいお店も増えて、
| これまでとは違う活気が門前に出てきました。
                             青木        
                              ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


■善光寺門前の歴史
長野市中心部は善光寺の門前に発達した門前町です。「広辞苑」で「門前町」をひくと「善光寺における長野のような例」とあり、長野は日本一の門前町といってもいいでしょう。
当店が位置する西後町は大門町の南に続く東後町のさらに南。後町の名は鎌倉時代に信濃を支配した役所「後庁」に由来します。
(参考/「日本一の門前町・長野~善光寺表参道まち歩き~」歴史の町長野を紡ぐ会 発行)