JUSSI SALMIAKKINEN (ユッシ☆サルミアッキネン)

フィンランド各地の日の出、日の入り時間の変化をウィークリーでご紹介します。

極私的 ☆トリノ五輪 男子50KmF マス・スタート予想☆

2006-02-26 15:12:11 | コラム
 
いよいよ、日本時間の18時、キング・オブ・クロスカントリーを決めるクロスカントリー男子50Kmフリースタイル・マススタートが行われる。
そこで、スウェーデン在住で、大のクロカン・ファンでもあるHarrietさんのリクエストにお応えして、この試合の事前予想を試みようと思う。トリノ五輪サイトのスタート・リストも既に発表されたので、これを基に話を進めることにする。

マススタートが、オリンピックの長距離種目で採用されるのは、この五輪からである。今までのインターバル・スタートに比べると、先頭を走っている選手がトップということで、わかりやすい。クロカンにもショーアップ化の波が迫ってきているのだ。
それこれも、ICタグなどを用いた計測技術の向上がその屋台骨を支えている...

だが、数十人が一斉スタートするとなると、以前にはあまり問題とならなかったポール(ストック)の折損、選手同士の接触による転倒が生じる危険性が高くなる。
実力に加えて『運』も呼び込まねば、優勝できない。従って順位の予想は、ますます難しい状況である。

話は横道にそれる。
パブリック・レース(一般のスキーヤーが参加できる大会)ではマススタートが当たり前だが、レース中に必ずといっていいほどポールの折損が起きているのを見掛ける。クロカン用のポールは、軽量化のためにカーボンなどの素材を使っている。カーボン素材は軽いのはもちろんだが、腕からの推進力をロスなく伝えるために、たわみにくくなっている。しかし、ポールの横方向から力には弱く、ちょっとスキーが引っ掛かっただけでも、簡単に折れてしまう。
価格はトップモデルで、国内では、なんと5万円(定価)もする。
そんな高価なポール、しかも大事なレースのために買った新品のポールがポキポキ折れる。他人のことながら、見ていて心が痛む。

自分もかつて、当時日本最長であった北海道・湧別の大会(個人距離:85Km)で、折損しにくいジュラルミン製のポールで臨んだが、スタート直後の混雑で、他の選手にバスケット(ポールの先端の部品)を両方とも踏まれ壊れてしまい(これが意外に簡単なほどよく割れる)、難儀しながらゴールした思い出がある。
以後、バスケットを補強するためにガラス繊維が入ったテープを貼ったりする工夫をした。

話を元に戻そう。

まず、スタートリストを見るなり、ショックだった。
期待していた好調エストニアの本命2選手がエントリーしていなかったのである。
男子15Kmで金メダルを取ったAndrus Veerpaluと5位だったJaak Maeには、期待を掛けていたのだ。それから、長野五輪で銀メダルを取ったオーストリアのHoffmannも出ていない。
予想がますます難しくなった。
それから、男子の有力選手のいないフィンランドは残念ながら、今回は期待できない。

【お気楽クロカン・ウォッチャーの予想】
地元イタリアということで PILLER COTTRER はどうだろうか?以前、このブログで2001年の世界選手権ラハチ大会の男子50Kmのゴール直前で転倒したした写真を載せたが、その時は転んでも8位だった。その後のソルトレーク五輪では、30KmFでは4位。今年のワールドカップランキングは現在7位である。年齢も31歳ということで期待したい。フリースタイルということでもあるし...
それから、 GIORGIO Di CENTA もマークすべきか、お姉さんが素敵だったし。

それから、フランスの VINCENT VITTOZ も良さそう。フランスは、こういう時に一発やりそうだ。

それから、予想外の絶不調ノルウェーの FRODE ESTIL を加えるかどうか悩んでいる。メダルが取れれば、ノルウェー国民は暴動を起こさずに済むのだが...
入賞程度では、評価されない国だからなぁ~。

20年ぶりの好調に湧くスウェーデンの MATHIAS FREDRIKSSON ANDERS SOEDERGREN JOHAN OLSSON が気になるが、50Kmという距離と標高の高さということを考慮すると、誰かが入賞圏内には入れればと思う。

それから、気になる存在として、チェコの LUKAS BAUER 。彼は、長距離系の種目での実績がある。

そして、ひいき目でオーストリアの MIKHAIL BOTWINOV 。長距離では、コンスタントな成績を持っているので、入賞圏内も夢ではない。39歳の試合巧者振りを見せて欲しい。

以上が【お気楽クロカン・ウォッチャーの予想】であるが、彼らが優勝争いをしてくれれば、私としては万々歳である。

そして、最後に我らが日本選手陣であるが、前回のソルトレーク・シティ五輪のこの種目では、今井博幸が悲願の初入賞を果たした。しかし、彼は今回、その選に漏れてしまった。
そこで、今回の蝦沢、駒村、成瀬の3選手であるが、ベテランの蝦沢には、20位以内を目指して欲しい。
そして、駒村。体調が今回あまりよくないらしいが、昨年のドイツ・オーベルストドルフの世界選手権の同種目でみせた健闘(22位)をここで再現して欲しい。彼とは話をしたこともあるので、ついつい期待をしてしまう。
学生の成瀬には、世界の壁を味わって欲しい。君はこれからだ。

結果は、今晩20時過ぎにはわかることである。(現在15時12分)
さて、結果にいかに!

※長文失礼しました。



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4 コメント

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有り難うございます (Harriet)
2006-02-26 17:09:47
詳細な説明と多面的予想、とっても勉強になりました。

私んとこの入ってくるのは、当然のことながらスウェーデン偏向期待な予想だけですので(笑)

今スウェーデンで一番好調なのはソーデルグレンで50kmが彼の最得意距離でもあり、期待されてます。「優勝の可能性のある者が5~6人いる。僕もその一人」というにが当人のコメント。

最後ですので皆悔いなく闘ってもらいたいですね。
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集団で走っていますね。 (tomukun)
2006-02-26 19:22:29
今、衛星放送で見ています。30キロを通過したそうですが、まだ団子状態です。これからどうなるんでしょうか。

 アイスホッケーもフィンランド対スウェーデンだそうで、白熱しそうですね。
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すごい状態 (Jussi)
2006-02-26 20:04:26
BSが見られないので、トリノのサイトでライブリザルトを見ています。

46.2Kmで1位から24位までが5秒以内入ってます。

11時にならないと映像見られない!

悔しい!

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VeerpaluとMae (Jussi)
2006-02-28 17:33:56
エストニアのVeerpaluとMaeが、好調なはずなのに、男子50KmF_MassStartになぜ出場しないのかな、と思っていたら。

二人とも、同じ日にフィンランドで開催されていた超長距離レース『FINLANDIA HIIHTO』の62Kmに出場していた。



Veerpaluは優勝。Maeは3位だった。

このレースはクラシカル走法なので、こちらのほうが、彼らに得意だったかもしれない。



ちなみに2位は、Allalsei Ivanov (BLR)だった。



順位は、下記のアドレスで確認できます。

http://www.finlandiahiihto.fi/endero/results/230_index.html

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