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偽史倭人伝 ~ Carnea Historia

march madness の次が April Foolなんて小粋ぢゃないか。

英タイムズ紙が「黒人演歌歌手ジェロ」全訳 一挙掲載

2008年04月30日 04時52分18秒 | ◎海外スポーツ&ニュース見出しdeポン
US rapper Jerome White Junior aka Jero finds enka stardom in Japan

 初の黒人演歌歌手(←すごい肩書きだ)ジェロがいったい本国ではどんな報道されているのか?…っていうか、そもそも彼をフィーチャーした記事は存在するのかと英文記事を検索したら、こっちが先に見つかってしまった。
 イギリスの有名紙タイムズなんで紹介してみようと思う。イギリスのメディアにとって日本のカルチャーネタってのははいまだ確信犯的にゲテモノ扱いなところがある。
 まぁ、これはその中でもマシなほうか。

 そうかジェロはラッパーだったのか。ビミョーなズレかとも思ったけど、ジェロの発言をみると彼のヒップホッパーとしてのアイデンティティとプライドはダンスだけには止まっていないようではあるな。
 とりあえず中身の紹介をしよう
 例によって上のタイトルは元記事にリンクしてあるのでおいらのアクロバチックな意訳が肌に合わないとか、まさかの誤訳がこわい方々はダイレクトにどうぞ。

↓記事訳はここから
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レオ・ルイス記者-東京
 彼らはこれまで相撲界を侵略し、“マンガ”も描くようになり、ソニーや日産といった国民的企業の社長にさえなった。

 だが、まだ彼ら外国人の侵入を許さなかった一角があった。それは演歌の情感の世界だ。悲壮な感情を酒場やボロ劇場で歌い上げるその音楽は戦前の荒廃した時代から日本を見つめてきた。
 時にはしっとりと時には調子よく、報われぬ愛やこじれた結婚生活、失恋による自殺などを題材に歌われる。
 演歌は日本の音楽文化に根ざし、“カラオケ”を生み出した。

 さて、そんな演歌が恵まれたノドを持つピッツバーグ出身の若者によってヒップ・ホップになった。歌詞はたしかに日本語だし、そこにはノスタルジックな閉塞感もあるのだが、フーディーにギラギラのアクセサリーといった出で立ちでパフォーマンスを行うのだ。

ジェローム・ホワイト・ジュニアまたはジェロ(これが彼の日本での芸名だ)が演歌で成功できる見込みはほとんどなさそうにみえたが、日本中がこのヒップホップと演歌のカクテルに恋をしてしまった。
 ジェロのデビュー・シングルはオリコンの週間ポップチャートで演歌としては最速売り上げ記録を樹立し、沈滞していた演歌というジャンルへの追い風にもなった。

 元々は19世紀の政治演説だった演歌だが、今のようなスタイルが始まった1940年代の終わりごろは歌手も聴衆も圧倒的に若かった。いろんな意味で日本の奇跡の経済とサラリーマン文化のテーマ曲的存在であった演歌は彼らと友に成長してきたのだ。

 演歌歌手たちが年をとってくると浪花節や着物は少々やりすぎな印象を与え、やがてゴールデンタイムの娯楽を支配する西欧化された日本のポップ・カルチャーによって平日のマチネーへと追いやられてしまようになった。

 結果として何十年にもわたって日本のチャートを支配し続けてきたそのジャンルは音楽産業の袋小路に追いやられてしまったのだ。年輩の主婦や感傷的な部長世代などからは細々と支持されてはいたが、彼らは新しさとは対極にある保守的な層であってましてやダブダブのパンツを履いたアメリカ黒人などからは縁遠かった。

 それでレコード会社は読み違えをしてしまったようだ。デビューシングルの「海雪」の発売から間もなくジェロのCDの発売元である日本ビクターは大阪のタワーレコードで開催するライブとサイン会に250人の来場者を見込んでいたのだが会場には定員をはるかに上回る3000人がおとずれたのだ。

 さらなる読み違えはファン層だった。当初はその大半は年配女性だと見積もっていたのだが、彼女たちの娘や、孫の世代までが大挙して押し寄せる事態となった。

「日本の若い人たちは演歌ってだけで避けるんです」とジェロはタイムズの取材答えた。「…っていうのは年配の方々の思いこみに過ぎないと思います。ボクの目標はこの素晴らしい演歌を若い世代にも伝えるってことなんです」

 ジェロのサプライズ戦略成功のウラにはいくつかの要因があった。第一に彼の完璧な演歌スタイルの歌唱力があげられる。そして現代アメリカのダンスとファッションなのに歌のほうは純粋で古風な日本式というギャップ。
 流暢な日本語をあやつり完璧なイントネーションで歌う彼だが、純粋な演歌ファンにいわせれば彼の唯一の失敗は古いスタイルのこぶしを使わないことだそうだ。

 ジェロが本紙に語った秘密、それは彼が日本人のクォーターだということだ。彼の野望である演歌の復興は彼にとって先祖からの遺産の継承問題なのだ。
 彼の祖母はアメリカ兵と結婚しペンシルベニアの北東部ピッツバーグに移り住んだ。
 6歳のころからジェロームは祖母のレコード・コレクションをあさっては聞いたままに真似をしていた。

 それから間もなく彼が学校で日本語を習い始めたころにその歌が、傷心の恋人たちが山の上から身を投げようとしている歌だと知る。その演歌の原体験へのトリビュートともいえる彼のデビューシングルは同じような物語を歌っている。

 ピッツバーグ大から日本でのスターダムまで、ジェロがたどった道のりは決して単純ではなかった。たくさんのつまらない仕事をこなしつつ週末は全国のカラオケ・コンテストを渡り歩きへとへとになった。


 ここまでの話題の焦点は音楽だったが、芸能人の仲間入りをした今となっては、歌以外にもやらなければならないことがあるということをジェロは認めている。
 この国のエンタテインメント産業、こと音楽界においてはアイドルを次々に乱造しては使い捨てという歴史が繰り返されてきた。外人タレントに至っては短気滞在型の客寄せパンダがほとんどだったが、ジェロはそうはなるまいと決意しているようだ。彼はレコード会社から外見や格好について指図を受けないようにしているのだ。

 「このボクのカッコはビクターによって作られたイメージではないんです。彼らはヒップホップについて知ってるつもりなんでしょうけど、ほんとのところは何にもわかっちゃいない」と彼は言う。「ボクがキモノを着たりしたらそれはやり過ぎというものです。ボクは見せ物にはなりたくないんです。ゲーム・ショーなんかにも出たくはないです」

Umiyuki(海雪)

From the freezing sky (凍える空から)
Snow falls down to the sea (海に降る雪は)
Drifts on to the waves and (波間にのまれて)
Vanishes without a trace (跡形もなくなる)
Darling, no matter how much I love you (ねえ 愛してても)
You never love me back (ああ 届かぬなら)
Darling, shall I throw myself in? (ねえ いっそ この私身を投げましょうか?)
Following you to Izumozaki あなた 追って 出雲崎)
The Japan Sea of Sorrow (悲しみの日本海)
I've lost your love and I'm standing on the cliff (愛を見失い 岸壁の上)
The tears that fall are just snow on the ocean, which never settles (落ちる涙は積もることのないまるで 海雪)
Source: Japan Victor (引用もと:ビクター)

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↑以上

 とりあえず今回は記事の訳だけで長くなってしまったということもあるので、次回どうせ“現地ピッツバーグでの報道”ってのもとりあげようと思ってたのでこの記事に対するおいらのコメント的なこともそっちにまとめて書くことにして、今回はこのタイムズ紙の記事によせられた読者のコメントもついでに紹介しておこう。

 ここは新しいコメントが常に一番上にくるらしい。
まずそこでつまづいた(笑)

ジェロには日本が世界で最も自殺率の高い国だってことを知って欲しいな、そして日本人には英語がわからないまま、ただ踊ってて欲しいな。
ジェイル/イギリス・ロンドン


 ↑正直何を言っているのかよくわかんなかったんだけど、次のコメントを読んで納得。

ジェイル、このジェロの歌は英語じゃないし、演歌っていうのはカントリー・ミュージックみたいに悲しみや喪失感を歌ってるだけで、歌を聴いて自殺する人なんていないよ。ジェロだってそこんとこはわかってるよ。
ダノ/ニューヨーク


 つまり一発目のコメントのジェイルくんはタイムズの記事の最後に紹介されていた「海雪」の英訳を見てジェロのデビュー曲が英語だと勘違いしてたまったわけだ。で、さらにこれは自殺奨励ソングに違いないと思い、その歌詞の意味を日本人が理解しないことを祈る…っていいたかったわけか
 …っておいらの理解力が低すぎる?(苦笑)

 さて次のコメントはどうやら日本人女性のようなんだけど

面白い視点だわ。ジェロが演歌を愛しているのは嬉しいけど若い日本人に演歌を聴いてもらいたがっているのはいただけないわね。日本人女性も男性とほぼ同じ権利をもっているはず。なんで私たちは男の後についてかなきゃならないの?なんで崖から身を投げなきゃいけないの?ジェロがそんな考えを若者にすすめないことを祈るわ
YK/東京


 ほんとうに日本人女性なのかどうかは謎だ。
せっかくのニューヨークからのフォロー・コメントをここで全否定ってか(笑)

で最後に親切にもdemographicな誤りを訂正してくれるコメント。

ジェイル、自殺率世界一は日本ではなくリトアニアよ
アニ/マニラ



 さて、次回はいよいよホームタウン・ピッツバーグでの報道に迫る!
クロスビーをぶっとばせ!
ジェロームといってもベティスぢゃねーぜ!
マギボンもがんばれ!…みたいな

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