偽史倭人伝 ~ Carnea Historia

march madness の次が April Foolなんて小粋ぢゃないか。

2020大統領選、オモシロ見出しでポン!

2020年11月15日 13時18分43秒 | ◎海外スポーツ&ニュース見出しdeポン
   



出戻り総集編企画です。
「note」がさっぱりなので。
3本 in 1本という大変、お得で時短になっております(笑)

さて
まず大前提の「赤」 「青」 のハナシ。
今回、大統領選の解説の中で「赤い蜃気楼」 という言葉が出てきたけど覚えてるでしょうか。
Red Mirageと英語でググると大抵はBlue Shiftという単語とセットで出てきます

赤は共和党のイメージカラー
青は民主党のイメージカラーです

共和党支持者は直接投票所に行く傾向があり
郵便投票は民主党支持者に多いので
開票序盤は共和党優勢にみえますが
郵便投票の集計が始まると民主党が巻き返してくる
Red Mirage Blue Shift はこうした現象のことを表しています。

そんなわけで勢力図を表現するのにも
「青い州」とか「赤い州」なんて言い方をしますが、
一見、伝統的なものに見える「色分け」も実は2000年の大統領選挙
そうあのアル・ゴア対ジョージ・ブッシュから
しかもNew York Timesなどのマスコミが勝手に使ったことに起源があるのだそう。

新聞見出しのための「前説」をもえひとつ
新聞の見出し共和党はしばしば
GOP 
と表記されます。
The Republican Partyぢゃねーの?と疑問に思うでしょう。
GOP 「Grand Old Party」の略です。
Republicはそもそも共和国という意味なので「Grand Old Party」のほうがThe Republican Partyより共和党のイメージを表してる感じがしますね。

ところで日本の自民党は英語でなんていうでしょうか?
Lliberal Democratic Party
っていうんですよ。
英字紙だと「LDP」とか見出しに踊ってたりします。
リベラルですって(爆)
学術会議の一件ではお昼の番組でネトウヨレベルのデマまで流して
菅総理をアシストするなど
自民党の熱狂的支持者である
フジテレビ平井文夫解説委員

菅内閣の組閣予想を聞かれたときに
河野太郎はリベラルすぎるから入れたくない
などと言ってました(苦笑)
LDPというネーミングも今となってはブラックジョークってことですね、

さて
では早速
っていうかやっとですな(笑)
新聞見出しを見ていきましょう。


前振りした「赤」「青」かんけーから

【The Arizona Republic】
Biden reclaims 'Blue wall
Swing state sees flash of blue', makes Kelly 2nd Dem senator

(バイデンが「青い壁」を奪還!
スイングステーツが青く点灯したことによりケリー氏が民主党から2人目の上院議員に)

ブルーウォールというのは民主党の支持が固い州のこと
スイングステーツはどっちにも転ぶ可能性のある州
なんかジャズみたいでカッケー(笑)
前回は選挙ではそれまでは「青の壁」として君臨していたウィスコンシン、ミシガン、ペンシルバニア
この3州をトランプにFLIPされてしまったが今回はそれらを奪還したということです。
今回は大統領選だけでなく連邦議会選挙も行われていたのでこういう見出しに。
↓スイングステーツはそのまま激戦州にもなるということです。
【Quad-City Times】
Races remain close in battleground states

Close(接戦)なのでClose(終了)できない…と。
なかなか結果が出ない状況にはいろいろな表現が使われました。

【Standard-Speaker】
UP IN THE AIR
↑まさに宙に浮いた状態

【Chicago Sun-Times】
NAIL-BITER
↑いい大人もこの状況には爪を噛みたくなる…みたいな。

↓…とはいえ大方の見方は、バイデン有利か
【The Daily Times】
Biden inches closer to 270

(バイデン過半数270まであと数インチ)

なんか270という数字がスケボーの技みたいでカッケー(笑)

【The Atlanta Journal-Constitution】
BIDEN INCHES CLOSER TO VICTORY

(バイデン勝利まで数インチ)

【The Salem News】
BIDEN CLOSE TO CLINCHING

(バイデンほぼ勝ち)

↑こっちはインチではなくクリンチ。
ボクシングのクリンチを思い浮かべてしまうと膠着とか引き分け的なイメージになってしまいがちですが
これも「勝つ」のバリエーション。
スポーツの見出しでもよく使われます。

2009年にヤンキースが優勝したときの投稿でも取り上げた見出し
【Houston Chronicle】
YANKEES CLINCH NO.27

https://blog.goo.ne.jp/superbowl/e/90937b4ffcbb9e49565c249ce897d6ca

今度は270ではなく27.
27回目のワールドシリーズ制覇ということです。

そして今年のスーパーボウルの時の投稿では。
Reno Gazette-Journal】
MAHOMES MAGICAL CHEFS CLINCH TITTLE
https://blog.goo.ne.jp/superbowl/e/28ce5c7407dedd521708bded3ba92730

過去2回とも「ボクシングがどうのこうの」と書いていた。
なんか恥ずかしい…(笑)

スポーツといえば…
競馬もスポーツになるのでしょうか。
【The Lewiston Tribune】
NECK AND NECK

これは競走馬にたとえた「接戦」の表現。
そんな流れで、この見出し。

似たりよったりの見出しが多かった中
日本人ダイスキ、ワイハからこんな見出しが

【The Honolulu Star-Advertiser】
PHOTO FINISH

(写真判定)

目立つという意味では視覚的にもいい見出しだと思うんだけどどうでしょう。

さて冒頭でふれた『青い壁奪還報道』に際し
バイデンおぢいちゃんってば
こんなことをいったそうな。↓
【Sioux City Journal】
"I will govern as an American president," Biden said. "There will be no red states and blue states when we win. Just the United States of America."

(おれはあくまでアメリカの大統領として治めるんだ。おれが勝ったあかつきには青い州、赤い州なんてのはなくすよ。あるのはアメリカ「合州国」ってことなのさ)

「合衆国」を「合州国」って当てる訳し方、なかなかイカすだろ?
え?バイデンはそんなしゃべり方しないって?
いやバイデンはなかなかのロッカーだぜ
だって勝利宣言で聖書とみせかけ
The Byrdsの歌詞を引用したんだから。

そんなこんなで、勝利宣言の日
いちばん見かけた見出しがこれ

【The Decatur Daily】
‘Time to heal’

(いやしの時)

分断で傷ついたアメリカを癒すという演出を
メディアも買って出たのでしょうか
演説に出てきた聖書の引用を引用したカタチですが…

↓こーいうバリエーションも。
【Citrus County Chronicle】
TIME FOR UNITY

(団結の時)

【Las Vegas Sun】
SPIRIT OF UNITY

(団結の精神)

ちなみに「スピリット~」も聖書にあるフレーズ
こっちは「ローマ人への手紙」から
聖書のほうでは「精神」ではなく「魂」という意味でしょうが

(↑↓聖書が実はフェイク…という考察についてはひとつ前の投稿のほうで)



【The Salt Lake Tribune】
New president, folks

(みなさん、新しい大統領ですよ)

こーいうライトな「ご挨拶パターン」は、むしろほっとしますね
さすが刺激物を口にしないモルモン教の街。

↓ここからお名前もじりタイプ3連発
【Chicago Sun-Times】
IT’S JOE TIME

いわずと知れた、大谷翔平にもつかわれた「It's Show Time」もじり

【Toronto Star】
You go joe

それいけジョーといったニュアンスでしょうか
あ、これはカナダの新聞ね

【Boston Herald】
ready, set, joe !
『位置について、よーいドン』
をもじったパターン。

さらには

【Arizona Daily Sun】
【The Daily Sentinel】
他多数
BIDEN PREVAILS

PREVAILも前回出てきたCLINCH同様「勝つ」のバリエーション。
こっちはスポーツ記事ではあまり見かけません。

【Hartford Courant】
FINALLY,BIDEN

ついに勝った!やっと勝った。
こっちはスポーツの記事でもよく見かける。

【Naples Daily News】
DEFEATS TRUMP IN CLIFFHANGER

(緊迫の中、トランプを下す)

今回はバイデンに忖度した「癒しキャンペーン」なのか、こーいう「打ち負かす」パターンは少数派でした。
【Marin Independent Journal】
SEISMIC CHANGE FOR THE NATION Victorious Biden vows new direction for divided US

「SEISMIC」は地震の意。seismic damageなら地震被害ですが、選挙結果自体が地震のように大きな変化なのか、これからの「脱分断」が震災復興並みのオオゴトなのか、

【Los Angeles Times】
LANDMARK ASCENT FOR HARRIS

(ハリス、歴史的大昇進)

なるぼと
女性初アジア系初、黒人初の副大統領
たしかに選挙結果自体がオオゴトでした。

こんな写真も発見。
チリの新聞。

トランプが負けたことを同性愛の方々がよろこんでおられるのかと勝手に思ってしまいましたが、
なんとなんと
【Las Ultimas Noticias】
El nuevo presidente recibe las felicitaciones de medio mundo
La amistad de la nieta de Biden y la hija de Trump

(新大統領は多くの国からお祝いの言葉を受けた。
バイデンの孫娘とトランプの娘の友情)

…ってことでした。

バイデンの孫娘、ナオミはトランプの娘と同じ大学で
インスタにも仲良しツーショットをのせたらしい
でもそれが運命の地、ペンシルバニアの大学というのが象徴的

さてスペイン語を学んだので
中国語もいってみましょう


(ペンシルベニアとネバダで勝つ)
白登贏了
(Baidenが勝った)
支持者樂透
(サポーターロト)
最年輕參議員→最老總統 白登再攀巔峰 首位女性、亞非裔副總統 賀錦麗創歷史
(最年少の上院議員→最年長のバイデン大統領が再びトップに登り、女性初、アジア・アフリカ系の副大統領、カマラ・ハリスが歴史を創る)
要任務就是控制新冠疫情
(最重要タスクは、新型コロナウィルスの流行を制御すること)
舊金山民眾7日在得知白登當選總統後湧上街頭,集會慶祝。 (美聯社)
(7日、バイデンが大統領に選出されたことを知り、サンフランシスコの人々が街頭に駆けつけて祝った。 (AP))
紐約市民7日走上曼哈頓街頭,慶祝白登當選總統,街頭一片人海。 (路透)
(ニューヨーカーが7日、バイデンの大統領選勝利を祝うためにマンハッタンの街に繰り出し、街は混雑した。 (ロイター))

「白登(バイデン)」はネットを見ていると「拜登」という表記も。
カラマハリスは「賀錦麗」
大抵は「音」からの当て字ですが
サンフランシスコについては金山とゴールドラッシュにちなんでる感じ
NFLの49ers(フォーティナイナーズ)もゴールドラッシュ由来の命名。
新冠は新型コロナウィルス。
コロナ、カローラ、クラウン。 ぜーんぶ「冠」って意味。
あ、トヨタの車名のハナシ。
上院にあたるのが参議院ってのがわかってなんだかんだ漢字ってのは便利。
でも首位は「トップ」ではなく「最初の」って意味なのは
クイズの出題になりそう。
ちなみにこれサンフランシスコの新聞ね。
日本でも「世界日報」って出てた気が。
コンビニになんか中国語の新聞ありますよね?

さて、さいごにまた英字紙
トランプを痛烈に皮肉ったもので秀逸なのが2つ
オーストラリアの新聞から

【The West Australian】
AMERICA. GREAT AGAIN.

トランプのフレーズを横取りしたかたち。
ほんとうにグレートってのはこういうことだ
みたいな?

さて最後にこれ
トランプがテレビ人だったころ
「アプレンティス」というリアリティ番組でゲーム参加者に
不合格をつきつけるときの決め台詞
「You're Fired(おまへクビな)」
をパロったセリフ
まあ、これもWWEプロレスのビンス・マクマホンのセリフなんだけどね。

【The Kansas City Star】
YOURE HIRED !

(あんた採用!)








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