大相撲

大相撲についての想い

蹴手繰り

2006-11-23 11:12:26 | Weblog
もう数日前のことになってしまったが、朝青龍の蹴手繰り。黒木瞳さんが不満を表したことも手伝ってか、悪評である。

たしかに、わざわざ日曜に見に行ってあれではがっかりするお客様もいるという意見もわかる。確かに、松井の試合を見にニューヨークまで行って、松井がフルスイングせずにセーフティバントしたらがっかりする。

だけど、横綱は稀勢の里と対峙することをさけて確信犯的に立合いで変化したというわけではないのが今回のケースの評価の難しさだ。引き続き松井を引き合いに出せば、彼がフルスイングしようとして球筋が打ち頃でなかったのでバットを止めたが止めきれずにバットにボールが当たってしまったので仕方なく一塁方向に走る。この蹴手繰りはそんな感じだったのではなかったか。

確かに、立合い横綱はしくじった。稀勢の里に立ち負けて、上体はのけぞってしまっている。蹴手繰りが駄目だというと、横綱にはそのまま負けろというのとほぼ同義だがそういうわけにもいかないだろう。横綱があっさり負けるのも、わざわざ見に来た人にとっては、アンチ朝青龍の人を除けば決してうれしいことではない。そしてそんな簡単に勝負をあきらめる横綱でもない。もっというと、あんな体勢からでも稀勢の里を料理できる技をもった横綱はさすがともいえる。ただそのあたりは賛否両論分かれるだろう。だけど、蹴手繰りといえば小兵力士が小錦や大乃国に食らわせて、体重差をスピード差でカバーする技としか認識していなかったのに、朝青龍と稀勢の里という対決で決め技になるとは、認識が改まって面白かったというのが個人的な感覚だ。

欲を言えば、あの技一発で稀勢の里が倒れずに踏みとどまり、そこからもう一度突っ張り合いにでもなって、先場所の朝青龍対千代大海のような展開になっていたら面白かったのに。そこまでいけば、さっと左四つにでもなったら稀勢の里にも勝機はあるし、横綱としてもいくらでも攻め所があるので眼が離せない展開になる。

ということで横綱が立合い変わっていたらともかく、そんなに目くじらをたてて批判する取組ではないというのが個人的見解だ。

稀勢の里はあのあとずっと腕にテーピングを巻いている。それが気にはなる。とにかくこれで来場所の朝青龍-稀勢の里の対決もまた楽しみにして待つことができる。