
ツリーハウスもいいけれど
せっかくきれいな花が咲いていることだし、、、
と、キウイ棚の下で本を読んだ。
ここ数日は湿気がなくて、暑さも感じず、ほんとうに爽やか。
初夏の風が心地いい。
蜜を集める蜂の羽音がして、
目を閉じて聞いているとアメリカで夢中になったハチドリを思い出した。
葉っぱを透かして降ってくる陽ざしがやさしくて
手元や本に透明な黄緑のヴェールがかかっているような感覚がした。
キウイフルーツの花はとてもきれい。
雄花も雌花も花びらは同じなのに、
花芯は全然違っていて、ちゃんと役割があるんだなーと感心してしまう。
それぞれの美しさがあってきれいで、葉っぱもきれい。


はじめは気づいていなかったけれど、
写真を撮っていて、もう実がなっていることに気づいた。
まだ花がらがくっついている。

翡翠の石に、ゴールドの飾りがついたピアスみたい。
キウイフルーツを輪切りにしたときのあの美しさも
何度見ても「きれい!」と思うほどだし、キウイ、なんてきれいな植物だろう。
この花のしたで
きょう読んだ本はアンデルセンの『絵のない絵本』
さいきん読む本は、すでに持っている思い入れのある本ばかりで
読みたいと思うのに、新しい本はなかなか読めないでいる。
本屋さんも図書館も閉まっているという物理的な理由だけではないような。
懐古だろうか…

アンデルセンには数多くの代表作があるけれど、
一冊選んでと言われたら、わたしは『絵のない絵本』を選ぶ。
大好きな一冊。
どんな本なのか書こうと思ったけれど、
岩波文庫版の表紙にある ↓ が気に入っているので、それをーー
『ひとりぼっちで町に出てきている貧しい絵かきの若者をなぐさめに,月は毎晩やってきて,自分が空の上から見た,いろいろな国のいろいろな人に起ったできごとを,あれこれと話してくれた.
それは,清らかな月の光にも似た,淡く美しい物語のかずかずであった.
生涯旅を愛したアンデルセンらしいロマンティックな一冊.』
ほんとうに、「ロマンティックな一冊」なのです。
ほんとうに一夜一夜が、「清らかな月の光にも似た淡く美しい物語」なのです。
パリ、スウェーデンのウプサラ、ドイツ、インド、
フランクフルト、アフリカ、リューネブルク、デンマーク…
いろんな国、いろんな場所、いろんな人びとの物語。
月が語る33篇の詩情。
そこにはそれぞれ優しい気持ちや温かなユーモアがあって、引き込まれます。
33篇のうち、いくつかお気に入りを紹介しようと思ったけれど、選べない~

久しぶりにアンデルセンの童話を読みたくなりました。
子供の頃、何十回、いやたぶん何百回も泣きながら読んだ童話たち。
大人になってから読んでみたときには、
昔とはなにか違った感じに胸に迫ってきたものでした。
『人魚姫』『みにくいアヒルの子』『マッチ売りの少女』、『親指姫』ーー
また読んでみよう。
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