ことしも
美しい秋を
いっぱいに詰め込んだ
甘い香りで
庭を
満たして
金木犀が
咲いています
光りと香りが
満ちて
あふれて
降りそそぎ
まぶしくてまぶしくて
降りそそぎ
まぶしくてまぶしくて
目を閉じても
まぶたの裏はオレンジ
まぶたの裏はオレンジ
アメリカでは
金木犀はほとんど見なかったけれど
なぜか
白花の「銀木犀」は
たくさんあって
その頃は
銀木犀という日本語の名前を知らず
「白い金木犀」と呼んでいた
アレックスは
"Sweet Olive" と
スウィート・オリーヴ
なんて甘い、
響き
秋になると
小さな花を
あふれるように咲かせて
仄かに甘い香りをふりまいて
日本に帰りたいと
思わせたものだったのに
いまは
アナポリスの日々が
恋しくなって
金木犀の
香りをたどり
心は
遠く、さかのぼる
海を越え
時を越えて
ここではなく
いまでもない
はるか遠く
★
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