野梅。
祖父の盆栽。
真っ白で清らか。
目を閉じて深呼吸したくなる
澄んだ香り。
幹が太くて
ごつごつしていて貫禄。
根元には苔。
幹には
なんだかわからないシダのような植物も
寄生させてあるみたい。
庭の梅の木はまだ、
固いつぼみ。
クラッカーの紙吹雪みたいな
マンサクの花は満開に近くなっている。
短冊のようなひらひらが不思議な魅力。
格納庫のような
カプセルのようなつぼみのなかに
くるくると上手に丸まって
しまわれている長細い花びら。
昔のオモチャみたい。
なんて言ったっけ。
吹くとピューと伸びて、
伸びきるとクルクル戻ってくる…
あれは、笛?
アメリカでは "party horn" と呼んでいた。
くるくるがほどけて
リズミカルな曲線を描いて広がっていく。
カラスウリの花なども
あのレースが上手にしまわれていることに
驚きと感動を覚えるけど
マンサクの花びらも見事にくるくる丸まっている。
Amazing!! って呟いてしまう。
ほどける花びら。
くるくる踊るような黄色がかわいい。
甘い香りが早春を告げる。
陽に透けて黄色く光る。
なんだかふしぎな、とても美しい光景。
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