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富士山合宿2011の詳細報告

2011-11-11 23:11:31 | イベント
スカ天恒例企画の富士山合宿。

3年ぶりの富士山合宿は、第三希望日の9/24日に実施しました。
前回のゲリラ豪雨、雷鳴と最悪な教訓を生かし、
もう二度と誤った決行を避けるために、慎重に慎重を重ねた結果の今回の富士山合宿。
絶対という確信は持てないにしても、台風が過ぎ去り、大陸から移動性の高気圧が張り出した様子からは、
まず満天の星空に恵まれるであろうという期待感はありましたが、結果はどうだったか・・・・・。
今年参加した会員は4名。
当日は、現地の太郎坊で集合ということになり、車は3台は別々に行動し、現地入りすることにしました。
今回の私の目的は二つあり、
一つは、富士山でデジタルカメラによる天体写真の初陣を飾ることでした。
これまでは観望だったり、変光星観測だったりと、写真撮影には全く関心が無かったの私ですが、
今回ばかりは違っていました。デジタル1眼の短時間測光でどこまで写るのかを試してみたかったのと、
EM-10の赤道儀が、ノータッチガイドでどこまでいけるかをテストしてみたかったのです。
現在、自宅でも月明かりが無く天気が良いときは、デジタルカメラで撮影することがありますが、横須賀の空では条件が悪すぎて写りはイマイチ。
空の綺麗な環境での撮影を夢見ながら、富士山合宿への淡い期待感を持ち続けて、ようやく3年が経ちました。
もう一つは、太郎坊からのタカの渡りを確認することでした。
タカの渡りについては、まさに渡りのシーズン中なので、ひょっとして「富士山の南側ルートを渡っていく姿をキャッチできるのでは」との思いがありましたから。

24日朝6時に起床。
外はすがすがしい青空が広がり、文句なしの快晴。
午前11時の段階で最終決定をし、参加者に配信する予定でしたが、
時間を繰り上げ、午前7時半には早々と決行のメールを配信しました。

家を離れたのが11時。横横、東名高速のルートを走り、御殿場インターで下車。
インターを降りてから、コンビニで食材等を買い求め、コンビニの駐車場で昼食取りながら10分ほど休憩を。
12時30分。家を出発したときの空とは様子が変わり、今休憩している御殿場あたりは、雲量も増して晴れ間の少ない空に変化していました。
気になる方向の富士山も雲に覆われ、その姿を見ることは不可能でした。
あの気圧配置から、現在の空のイメージは全くの想定外でしたが、
時間と共に雲は多くなるいっぽうで、天候は下り坂の様相を呈してました。
(帰宅後に画像をみると、南岸に低気圧が発達し北上していたのです)
ここまできては引き返すわけにもいかず、そのまま一路太郎坊へと向かいました。
現地に到着したのが午後1時ちょうど。やや薄日はさすものの、背を仰ぐ富士山は雲の中でした。
スカイラインを登ってくる途中、表示されていた気温が16度。
さすがに窓を開ける気にはなりませんでした。
季節は秋ですが、太郎坊はまるで初冬のような陽気。
吐く息は白くはないものの、軽装ではすまされず、持参したダウンを着用。

さて、現地入りして、太郎坊からみえる遠方の位置を確認する作業から入りました。
眼下には御殿場の市内が一望できます。
正面には箱根山が見え、それから右方向には玄岳が、左の方向には丹沢山系が見えています。
奥には江ノ島も見えるはずですが、今回は確認できませんでした。
タカの渡り観測を始めてすぐに、頭上を追加していく1羽のオオタカを発見。
幸先の良いスタートでしたが、その後はまったくなかずとばず状態でした。
上空を飛んでいるのは、アマツバメとヒメアマツバメの二種類のみでしたが、数は多くて数え切れずじまい。
その後は18倍×50ミリの双眼鏡に切り替え、遥か遠方を眺めました。
するとどうでしょう。サシバと思われる25羽の群れが御殿場上空でタカ柱を形成し、玄岳方向に移動していくではありませんか。
その後も、単独で移動していく猛禽を何羽か確認しましたから、私の思いは的中しました。
どうやら、千葉方面からやってきたサシバは、大楠山、稲村ヶ崎、秦野市、小田原市を通過し、箱根山に差し掛かった頃、御殿場ルートで渡るようです。
今回、たまたま富士山合宿の日程が、渡りのシーズンにずれ込んだ事で、2度美味しい体験ができました。
おまけながら、猛禽以外で近くにやってきた野鳥は、ヒガラ、エナガ、シジュウカラの群とホオジロのみでした。
午後4時近くになって、まるでどこかで待ち合わせしたかのように、T塚さん、シーバスさん、Tさんらが同時に現地入りしました。
今回陣をしいた場所は、三脚が立てられる場所でということで、いつもの駐車場の隣にある第三駐車場にしました。
私が到着した頃は、車の数も少なかったのですが、日が落ちる頃には台数も増え、その多くが天文ファンのようでした。

午後4時半過ぎには、空一面にはりつめていた雲も切れ始め、雄大な富士山が登場。
空が回復してくれた喜びは隠せませんが、寒いのなんの。
まだ体は夏モードなのに、ここでは一気に冬モードですから、
真夏にいきなり冷蔵室に入った感覚です。9月に手がかじかむ経験も過去に記憶がありません。
きちんと計測したわけではありませんが、気温は5℃ぐらいでしょうか。
「これなら今宵は満天の星が見られるぞ」と、
皆、安堵の表情をうかべ、防寒着を着用すると共に、夕食の準備に取りかかりました。
これまでの合宿といえばカレーライスが定番。
しかし、今回の夕食のメインメニューは、ヤキトリ、おでん、コーヒー等で、体が温まるものにしました。
寒い時は温まるものに限ります。
食べ終わる頃には、日もどっぷりと暮れ、明るい星がチラチラ見えてきました。
食べ終えてからは機材の組み立てを開始し、15分程度で組み立て完了。
私が今回持参した機材は、SE-200N+EM-10+K100Dで、主に星雲・星団の直焦点狙いです。
時間の経過と共に空の様子もだいぶ改善し、西の方向はすっきりくっきりの星空になりました。
ここで一句 「激寒や 富士に寄り添う 天の川」そんな情景でした。
いて座の方向と、東の空は依然として雲がはりつめ、写真撮影ができるような空ではなく、まずは西の空から。
超新星が現われたM51子持ち銀河やM101、M27、M15、M11を撮影。
天頂付近からアンドロメダ座付近に差し掛かった頃、再び空一面に雲が現れ、ひとまず中断。
それから1時間ほどして天候が回復するも、撮影できるような空にはならず、再び車の中へ。
それからは天気は回復する兆しがなく、そのまま車の中で仮眠状態に。
私はダウンを着たまま毛布に包まって横になりましたが、寒さが厳しくて熟睡はできずじまい。
時計が零時を回った頃、天候が回復してきたので、再び撮影を開始。
しかしながら、3度目の晴天は長続きせず、アンドロメダ大星雲とh/xを撮影したのみで再び車の中へ。
その後は、シーバスさんの「雨が降ってきましたよ」の呼び声で起きて、機材を片付け始めました。
結局、今回は30コマの撮影のみで終了。
唯一悔いが残った事は、ガラッド彗星やさそり方向の星雲・星団が撮影できなかった事でした。

翌朝は6時半頃に起床。
いつもなら日の出前に起きてご来光を拝むのが定番ですが、
今年は悪天の為、ご来光が見えるような天候にはなってくれませんでした。
朝食を済ませた後、後片付けして、
午前7時過ぎには現地を離れ、行き同様帰りもバラバラで帰りました。
帰りはルート246号で帰ろうとしましたが、途中菅沼の交差点付近で通行止めにあい、
迂回を余儀なくされ、初めて通る山北付近の一般道を経由後、
中川温泉付近で再びルート246号に合流し、その後は西湘パイパス、ルート134号で帰って来ました。
湘南の海は比較的穏やかでしたが、こちらも曇り空でした。
1日早い23日に決行しておけば、満足のいく合宿になったかもしれない、そんな気配の富士山合宿でした。
参加されたTさん、T塚さん、シーバスさん、お疲れ様でした。
来年の合宿、9月下旬は避けましょうね。


以上


報告者 管理人



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